ギガビット (ギガビット) とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説
ギガビット (ギガビット) の読み方
日本語表記
ギガビット (ギガビット)
英語表記
Gigabit (ギガビット)
ギガビット (ギガビット) の意味や用語解説
ギガビットとは、デジタルデータの情報量を表す単位「ビット」の10億倍を示す接頭語「ギガ」を組み合わせた言葉である。主にデータ通信速度の指標として用いられ、1秒間に10億ビットのデータを送受信できる能力を意味する。この単位は、現代のネットワーク環境、特に有線LANや光ファイバーインターネット接続、高速Wi-Fiなどで標準的な速度を示す際に頻繁に登場し、システムエンジニアを目指す上でその概念を理解することは基礎中の基礎となる。 詳細を説明する。ビット(bit)はデジタル情報の最小単位であり、0か1のいずれかの状態を表す。このビットが8つ集まると1バイト(Byte)となり、これは一般的なコンピュータにおける文字やファイルサイズの基本単位となる。一方、ギガビットの「ギガ(Giga)」は国際単位系における接頭語で、10の9乗、すなわち10億倍を意味する。したがって、1ギガビットは1,000,000,000ビットに相当する。ネットワークの通信速度を表現する際には、通常「Gbps」(ギガビットパーセカンド、Gigabits per second)という形で表記され、これは1秒あたりに伝送できるギガビット数を意味する。例えば、1Gbpsのネットワークは、1秒間に1ギガビットのデータを転送可能であることを示す。 このギガビットという速度は、現代のインターネットや企業内ネットワークにおいて非常に普及している。有線LANの主流である「ギガビットイーサネット」(1000BASE-T)は、最大1Gbpsの通信速度を提供し、過去のファストイーサネット(100Mbps)を大きく凌駕する。これにより、大容量ファイルの転送、高精細な動画ストリーミング、オンラインゲームなど、帯域幅を多く消費するアプリケーションが快適に利用できるようになった。また、家庭向けの光ファイバーインターネット接続サービスも、多くが最大1Gbpsの速度を標準として提供しており、無線LANの最新規格であるWi-Fi 5(IEEE 802.11ac)やWi-Fi 6(IEEE 802.11ax)も、理論上はギガビットを超える高速通信を可能にしている。 システムエンジニアにとってギガビットの理解は、ネットワーク設計、パフォーマンスチューニング、トラブルシューティングにおいて不可欠である。例えば、データセンター内のサーバー間通信、クラウドサービスへの接続、多数のユーザーが利用する社内ネットワークなどを構築する際、必要な帯域幅を見積もり、適切なネットワーク機器(スイッチ、ルーター、ネットワークインターフェースカードなど)を選定する上で、ギガビット単位での速度把握が求められる。また、アプリケーションが遅い、ファイル転送に時間がかかるといった問題が発生した場合、ネットワークがボトルネックになっていないかを確認するためにも、ギガビットの概念とそれが実際の通信速度にどう影響するかを知る必要がある。 ここで注意すべきは、「ギガビット(Gb)」と「ギガバイト(GB)」の混同である。前述の通り、1バイトは8ビットであるため、1ギガバイトは8ギガビットに相当する。ネットワークの通信速度はビット単位で表現されることがほとんどだが、ファイルサイズやストレージ容量はバイト単位で表現される。例えば、1Gbpsの回線速度は、理論上1秒間に125メガバイト(1000メガビット ÷ 8ビット/バイト)のデータを転送できる計算になる。この換算を正確に行えることは、初心者システムエンジニアが実務で遭遇する多くの疑問を解決する上で非常に重要である。実際の通信速度は、ネットワーク機器の性能、ケーブルの種類、プロトコルのオーバーヘッド、回線の混雑状況など、様々な要因によって理論値よりも低下する可能性があることも考慮する必要がある。