gNodeB(ジーノードビー)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説
gNodeB(ジーノードビー)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。
読み方
日本語表記
ジーノードビー (ジーノードビー)
英語表記
gNodeB (ジーノードビー)
用語解説
gNodeBはNext Generation NodeBの略称であり、5G、すなわち第5世代移動通信システムの無線基地局を指す。スマートフォンやIoTデバイスといった端末が、インターネットや電話網などのコアネットワークに接続するための窓口となる、無線アクセスネットワーク(RAN)の中核をなす装置である。従来の4G(LTE)における基地局はeNodeB(evolved NodeB)と呼ばれており、gNodeBはその次世代版として、5Gが目指す「超高速・大容量」「超低遅延」「多数同時接続」といった性能を実現するための様々な新機能と進化したアーキテクチャを備えている。システムエンジニアにとって、gNodeBの仕組みを理解することは、5G時代のネットワークインフラや関連サービスを理解する上で不可欠である。
gNodeBの基本的な役割は、端末との間で5Gの新しい無線通信技術であるNR(New Radio)を用いて無線通信を行うことである。しかし、その機能は単なる電波の送受信にとどまらない。重要な機能の一つに、無線リソース管理(RRM)がある。これは、限られた周波数帯域や時間といった無線リソースを、エリア内に存在する多数の端末に対して効率的に割り当てる機能である。どの端末に、いつ、どれだけの通信帯域を割り当てるかをリアルタイムに判断し、ネットワーク全体のスループットを最大化する。また、ユーザーが移動しても通信を途切れさせないモビリティ管理も担う。端末が移動して接続する基地局が変わる際には、通信をスムーズに次の基地局へ引き継ぐハンドオーバー処理を実行する。さらに、端末とコアネットワークの間でデータを中継する際には、通信の安全性を確保するための暗号化処理や、伝送誤りを訂正するための符号化処理なども行っている。
gNodeBを理解する上で最も重要な特徴は、そのアーキテクチャにある。4GのeNodeBでは、前述したような全ての機能が一体の装置に実装されるモノリシックな構成が一般的だった。これに対し、gNodeBでは機能分離の考え方が導入され、CU(Centralized Unit)とDU(Distributed Unit)という二つの論理的なノードに分割できる構成が標準化されている。DUはDistributed Unitの略で、無線信号の変復調や誤り訂正など、リアルタイム性の要求が非常に厳しい物理層に近い処理を担当する。通常、アンテナ設備の近くに分散して設置される。一方、CUはCentralized Unitの略で、無線リソースの制御や上位プロトコルの処理など、DUほどリアルタイム性を要求されない処理を担当する。このCUは、データセンターなどに集約して設置することが可能である。このCU-DU分離アーキテクチャは、ネットワーク構築に大きなメリットをもたらす。CUを中央のデータセンターに集約することで、複数のDUを一つのCUで管理でき、設備投資の効率化と運用コストの削減につながる。また、ソフトウェアとハードウェアを分離する仮想化技術(vRAN)との親和性が非常に高く、汎用的なサーバー上でCUの機能を実現できるため、特定のハードウェアに依存しない柔軟なネットワーク構築が可能となる。さらに、CUは制御信号を処理するCU-CP(Control Plane)と、ユーザーデータを処理するCU-UP(User Plane)に分割することもでき、トラフィックの特性に応じてそれぞれのリソースを独立して拡張・縮小させることが可能である。
gNodeBは、5Gのコアネットワークである5GC(5G Core)と接続されて動作する。具体的には、ユーザーデータを担当するUPF(User Plane Function)や、端末の接続管理や移動制御を担当するAMF(Access and Mobility Management Function)といった5GCの機能と、標準化されたインタフェースを介して連携する。ただし、5Gの導入初期においては、既存の4Gコアネットワーク(EPC)と連携するNSA(Non-Standalone)構成が採用される場合がある。この構成では、制御信号のやり取りは4GのeNodeBとEPCが主体となり、gNodeBは高速なデータ通信を担う補助的な役割を果たす。これに対して、gNodeBと5GCのみでネットワークを構成するSA(Standalone)構成では、5Gが持つポテンシャルを最大限に引き出すことが可能となる。このように、gNodeBは単に4GのeNodeBを高速化したものではなく、CU-DU分離というアーキテクチャの革新により、ネットワークの仮想化やクラウド化を促進し、より柔軟かつ効率的な運用を可能にする。この柔軟性は、将来的に期待される自動運転や遠隔医療、スマート工場といった多様な5Gサービスを実現するための重要な基盤技術となっている。