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MACアドレスフィルタリング(マックアドレスフィルタリング)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

MACアドレスフィルタリング(マックアドレスフィルタリング)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

作成日: 更新日:

読み方

日本語表記

MACアドレスフィルタリング (マックアドレスフィルタリング)

英語表記

MAC address filtering (マックアドレスフィルタリング)

用語解説

MACアドレスフィルタリングとは、ネットワークに接続しようとするデバイスのMACアドレスを基に、そのデバイスからのアクセスを許可または拒否するセキュリティ機能である。ネットワークにアクセスできるデバイスを限定することで、不正なデバイスの接続を物理的な層に近いレベルで阻止し、セキュリティを強化することを目的とする。

MACアドレスとは、ネットワークに接続するすべての機器、例えばPC、スマートフォン、タブレット、ルーター、ネットワークプリンターなどに搭載されるネットワークインターフェースカード(NIC)に、製造段階で一意に割り当てられた物理的な識別子のことである。このアドレスは世界中で重複することのない固有の値であり、通常は6バイト(48ビット)の16進数で表現される。例えば、「00:1A:2B:3C:4D:5E」のような形式である。ネットワーク上では、IPアドレスが論理的な住所であるのに対し、MACアドレスは物理的な住所として機能し、データリンク層でフレームの送受信先を特定するために使われる。

MACアドレスフィルタリングの具体的な動作原理は、ネットワーク機器、特に無線LANルーターやネットワークスイッチが、あらかじめ設定されたMACアドレスのリストと、接続を試みるデバイスのMACアドレスを照合することによって行われる。この照合には主に二つの方式がある。一つはホワイトリスト方式(許可リスト)で、リストに登録されたMACアドレスを持つデバイスのみがネットワークへのアクセスを許可される。リストにないデバイスからの接続要求はすべて拒否されるため、非常に厳格なアクセス制御が可能となる。もう一つはブラックリスト方式(拒否リスト)で、リストに登録されたMACアドレスを持つデバイスからのアクセスを拒否し、それ以外のすべてのデバイスからのアクセスを許可する。この方式は、特定の不正なデバイスだけを排除したい場合に有効である。

無線LANルーターでは、このフィルタリング機能を利用して、特定のSSID(ネットワーク名)への接続を許可するデバイスを制限できる。例えば、自宅の無線LANルーターに家族のスマートフォンやPCのMACアドレスを登録し、それ以外のデバイスからの接続をブロックするといった運用が可能である。これにより、見知らぬ第三者が勝手に自宅のネットワークに接続することを防ぐことができる。有線LAN環境においても、ネットワークスイッチのポートセキュリティ機能としてMACアドレスフィルタリングが利用されることがある。特定のポートに接続できるデバイスのMACアドレスを登録し、それ以外のデバイスが接続された場合には、そのポートを無効にする、あるいはトラフィックを遮断するといった制御が可能となる。

この機能のメリットは、比較的簡単に設定でき、小規模なネットワークや家庭環境において、基本的な不正アクセス対策として有効である点にある。特に無線LANでは、電波の届く範囲であれば誰でも接続を試みることが可能であるため、MACアドレスフィルタリングを導入することで、未許可のデバイスの侵入を水際で食い止める最初の防衛線となる。ネットワークへの接続を許可するデバイスを厳密に管理したい場合に役立つ。

しかし、MACアドレスフィルタリングにはいくつかの限界とデメリットも存在する。最も重要な点は、MACアドレスは比較的容易に偽装(MAC Spoofing)され得るという事実である。攻撃者は、ネットワークに許可されているデバイスのMACアドレスを事前に取得し、自身のデバイスのMACアドレスをその偽装されたアドレスに変更することで、フィルタリングを突破できる可能性がある。特に無線LAN環境では、通信内容を盗聴することで、許可されたデバイスのMACアドレスを知ることはそれほど難しくない。そのため、MACアドレスフィルタリング単独でのセキュリティ対策は、高度な攻撃者に対しては十分な効果を発揮しないことがほとんどである。

また、運用面での課題もある。新しいデバイスをネットワークに追加する際には、その都度MACアドレスをフィルタリングリストに登録し直す必要がある。デバイスの数が増えれば増えるほど、この管理作業は煩雑になり、ヒューマンエラーによる設定ミスも発生しやすくなる。一時的にゲストデバイスを接続させたい場合にも、そのMACアドレスを登録する手間がかかり、利便性が低下する。企業などの大規模な環境で多数のデバイスを管理する場合、MACアドレスフィルタリングは現実的な主要なセキュリティ対策とはなりにくい。さらに、MACアドレスフィルタリングは、あくまでネットワークへの接続を許可する段階で動作するものであり、一度ネットワークに接続が許可されたデバイスからの内部的な攻撃や、許可されたデバイスがマルウェアに感染した場合の脅威には対応できない。

結論として、MACアドレスフィルタリングは、ネットワークセキュリティの基本的な要素の一つとして、特に小規模なネットワーク環境や家庭において、手軽に導入できる有効なアクセス制御手段である。しかし、そのセキュリティ強度には限界があり、単独でネットワークを完全に保護できるものではない。そのため、WPA2/WPA3といった強力な無線LAN暗号化、パスワード認証、ファイアウォール、IDS/IPS(不正侵入検知・防御システム)、認証サーバー(RADIUSなど)を利用したユーザー認証など、他の多岐にわたるセキュリティ技術と組み合わせて利用することが不可欠である。MACアドレスフィルタリングは「多層防御」と呼ばれるセキュリティ戦略の一環として機能させるべきであり、過信せずに、他の対策と連携させることで、より堅牢なネットワーク環境を構築することが重要である。

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