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MIDI(ミディ)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

MIDI(ミディ)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

作成日: 更新日:

読み方

日本語表記

ミディ (ミディ)

英語表記

MIDI (エムアイディーアイ)

用語解説

MIDIは「Musical Instrument Digital Interface」の略で、電子楽器やコンピュータといったデジタル機器間で、演奏情報や制御情報をやり取りするための世界共通のデジタルインターフェース規格である。これは、実際の音の波形そのものである音声データとは根本的に異なり、音を出すための「指示」や「命令」をデジタルデータとして伝達する仕組みだ。例えば、キーボードのどの鍵盤が、どれくらいの強さで、いつ押され、そしていつ離されたか、といった具体的な演奏情報がMIDIデータとして表現される。この規格が生まれた背景には、異なるメーカーの電子楽器間での互換性の問題を解決し、相互接続を可能にするという目的があった。

詳細に説明すると、MIDIは「MIDIメッセージ」と呼ばれる特定のデータ形式を用いて情報を送受信する。このメッセージは、主に「チャンネルメッセージ」と「システムメッセージ」に大別される。チャンネルメッセージは、特定の楽器や音源(サウンドモジュール)に対して送られる情報で、具体的な演奏内容を記述する。これには「ノートオン」(鍵盤を押す、音を出す指示)、「ノートオフ」(鍵盤を離す、音を止める指示)、「ベロシティ」(鍵盤を押す強さ、これにより音の大きさや音色が変化する)、「プログラムチェンジ」(楽器の音色を変更する指示、例えばピアノからフルートへの切り替え)、「コントロールチェンジ」(音量、音の左右の定位(パン)、ビブラートの深さなど、演奏中の細かな表現をリアルタイムで制御する指示)などが含まれる。これらのメッセージの組み合わせにより、「どの音程を」「どれくらいの音量で」「どの音色で」「いつ発音し」「いつ停止するか」といった、非常に詳細な演奏データを表現できる。一方、システムメッセージは、特定のチャンネルに縛られず、接続されている全ての機器に対して送られる共通の情報で、楽曲のテンポ情報や、機器固有の設定情報などがこれに該当する。

MIDIデータが提供する最大の利点の一つは、そのデータサイズの小ささである。WAVやMP3のような音声データが音の波形そのものを記録するため、記録時間に応じてデータ量が非常に大きくなるのに対し、MIDIは音を出すための「指示」のみを記録するため、データ量が極めて小さい。これにより、多くの楽曲データを限られたストレージに保存したり、インターネット経由で迅速に送信したりすることが可能になる。また、データが「演奏情報」という抽象的な形であるため、編集の自由度が非常に高い点も重要である。一度記録したMIDIデータは、後から音程、タイミング、音の強さ、音色などを個別に修正したり、全く別の楽器の演奏に差し替えたりすることが容易に行える。例えば、録音したピアノの演奏データを、後からギターの音色に変更したり、リズムを修正したりするといった作業が簡単に行える。さらに、MIDIデータ自体は音を持たないため、実際に音を鳴らすためには「MIDI音源」(シンセサイザー、サウンドカード、ソフトウェアシンセサイザーなど)が必要となる。この仕組みにより、同じMIDIデータでも、接続する音源によって再生される音色や楽器が全く異なるという柔軟性が生まれる。

MIDI規格は1980年代初頭に複数の電子楽器メーカーが協力して策定され、当時各社バラバラだった電子楽器の接続互換性の問題を解決した。これにより、異なるメーカーのシンセサイザーやドラムマシンなどを一つのシステムとして連携させることが可能となり、音楽制作の可能性を大きく広げた。パーソナルコンピュータ(PC)の普及とともに、DAW(Digital Audio Workstation)と呼ばれる音楽制作ソフトウェアが登場し、MIDIはコンピュータ上での音楽制作における基盤技術として不可欠な存在となった。今日では、従来の5ピンDINコネクタによる物理的な接続に加え、USB-MIDIインターフェースを介した接続、さらにはイーサネットMIDIやBluetoothを介したワイヤレスMIDIなど、様々な接続方式が普及し、利用シーンは多岐にわたる。ハードウェアのシンセサイザーだけでなく、PC上で動作するソフトウェアシンセサイザーやバーチャルインストゥルメントが主流となっており、これらもすべてMIDIメッセージによって制御されている。

システムエンジニアを目指す初心者にとって、MIDIは単なる音楽技術としてだけでなく、汎用的な「制御プロトコル」として理解することが重要である。MIDIが持つイベント駆動型の設計思想は、特定のイベント(例えば、ボタンが押された、スライダーが動かされたなど)が発生した際に、それに対応するメッセージを送信するという構造であり、これはソフトウェア開発におけるイベントハンドリングの概念と多くの共通点を持つ。データのシリアル通信、特定のフォーマットに基づいたデータ解析、そして異なるデバイス間での同期といった要素は、音楽制作の枠を超え、IoTデバイスの制御、ゲームコントローラの入力処理、マルチメディアコンテンツのインタラクティブな制御、ライブイベントにおける照明や映像(VJ)システムの自動化、インタラクティブアート作品など、幅広い分野での応用可能性を秘めている。MIDIのシンプルながらも強力な制御能力を理解しておくことは、将来的に多様なシステムの設計や実装に携わる際に、新たな発想や解決策をもたらす知識となるだろう。

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