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RDF(アールディーエフ)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

RDF(アールディーエフ)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

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読み方

日本語表記

リソース記述フレームワーク (リソース・ディスクリプション・フレームワーク)

英語表記

Resource Description Framework (リソース・ディスクリプション・フレームワーク)

用語解説

RDFとは「Resource Description Framework」の略であり、Web上のあらゆる情報(リソース)を記述するための標準的なフレームワークである。これは、Webサイトや文書だけでなく、人、場所、概念といった物理的または抽象的なもの全てを「リソース」として扱い、それらが持つ属性や、リソース間の関係性を、コンピュータが理解・処理できる形で表現するための技術である。人間が読むことを目的としたWebページとは異なり、RDFはデータそのものの意味(セマンティクス)を明確に記述し、コンピュータによる自動的な情報処理や統合を可能にすることを目指す「セマンティックWeb」の基盤技術の一つとして位置づけられる。

RDFの最も基本的な特徴は、「主語-述語-目的語」という非常にシンプルな三つの要素の組み合わせ、すなわち「トリプル」で情報を表現することにある。例えば、「東京タワーは日本にある」という情報は、「主語:東京タワー」「述語:にある」「目的語:日本」というトリプルとして表現される。同様に、「本書の著者は田中太郎である」という情報は、「主語:本書」「述語:の著者」「目的語:田中太郎」というトリプルになる。このトリプル構造によって、どのような情報でも一貫した形式で表現できるため、異なるシステムやデータベースに散在するデータを統一的に扱う道が開かれる。

このトリプルを構成する要素のうち、「主語」と「述語」、そして目的語がリテラル(文字列や数値などの値)ではない場合における「目的語」は、それぞれが一意な識別子であるURI(Uniform Resource Identifier)によって識別される。URIはWeb上のあらゆるリソースを曖昧さなく特定するためのグローバルな識別子であり、特定のWebページのアドレス(URL)だけでなく、実在の人物や抽象的な概念など、Web上に直接アクセスできないものも識別できる。例えば、「東京タワー」というリソースには「http://example.org/resource/TokyoTower」のようなURIが割り当てられ、「にある」という関係性(述語、プロパティ)にも「http://example.org/property/locatedIn」のようなURIが割り当てられる。これにより、コンピュータは個々のリソースや関係性を正確に認識し、その意味を解釈できるようになる。一方、目的語が「日本」のような固有のリソースではなく、「2023年」といった日付や「赤」といった色、あるいは単純なテキストデータである場合は、URIを持たない「リテラル」として扱われる。

RDFのデータモデルは、主に以下の三つの要素から構成される。第一に「リソース」は、RDFで記述される対象のことであり、URIによって識別される。物理的な物体、抽象的な概念、Webページ、個人など、あらゆるものがリソースとなり得る。第二に「プロパティ」は、リソースの属性や、リソース間の関係性を表すもので、これもURIによって識別される。例えば、「著者」「誕生地」「作成日」といったものがプロパティにあたる。第三に「リテラル」は、プロパティの値として用いられる文字列、数値、日付などのデータであり、URIを持たない。これらの要素の組み合わせにより、現実世界の複雑な情報を構造化し、コンピュータが理解可能な形式で表現することが可能になる。

RDFデータは、人間にとってもコンピュータにとっても理解しやすいように、様々な形式で表現(シリアライズ)される。最も古くから用いられ、一般的な形式の一つに「RDF/XML」がある。これはXML(Extensible Markup Language)をベースにした構文であり、XMLの持つ構造化データ記述能力を利用してRDFのトリプルを表現する。他にも、より簡潔で人間が読みやすい「Turtle(Terse RDF Triple Language)」や、Webアプリケーションで広く利用されるJSON(JavaScript Object Notation)をベースにした「JSON-LD」など、用途や状況に応じて様々な表現形式が存在する。

RDFが実現する最大のメリットは、Web上のデータを「リンクされたデータ(Linked Data)」として扱うことを可能にし、コンピュータによる意味理解を促進することにある。これにより、異なるデータソース間で情報がスムーズに連携し、統合される。例えば、あるWebサイトの映画情報と別のWebサイトの俳優情報をRDFで記述することで、それらのデータが自動的に結びつけられ、「特定の俳優が出演した映画」といった、より高度な情報をコンピュータが自動的に発見し、推論できるようになる。

具体的な利用例としては、Googleなどの検索エンジンが採用している「知識グラフ(Knowledge Graph)」が挙げられる。知識グラフは、現実世界のエンティティ(人、場所、物事など)とその関係性をRDFのようなセマンティックWeb技術を用いて構造化し、ユーザーの検索意図をより深く理解して、関連性の高い情報を提供するのに役立っている。また、学術情報やデジタルライブラリにおけるメタデータ(データに関するデータ)の記述、医療情報システムのデータ統合、政府機関のオープンデータ公開など、多岐にわたる分野でRDFは活用されている。これらの活用により、データ間の関係性に基づいた高度な情報検索、データの自動的な統合・分析、さらには人工知能や機械学習システムにおける知識表現の基盤としての利用が進められている。RDFは、単なるデータの羅列ではなく、データに意味を与え、Webをより賢く、より有用な情報源へと進化させるための強力なツールであり、システムエンジニアを目指す上で理解しておくべき重要な技術の一つである。

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