RJ11(アールジェイイレブン)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説
RJ11(アールジェイイレブン)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。
読み方
日本語表記
アールジェイじゅういち (アールジェイジュウイチ)
英語表記
RJ11 (アールジェイイレブン)
用語解説
「RJ11」は、主に電話回線を接続するために使用されるモジュラージャックおよびコネクタの規格である。この名称は「Registered Jack Type 11」の略であり、アメリカの連邦通信委員会(FCC)が定めた、電話回線やデータ通信用のインターフェースに関する登録済みジャック規格の一つに属する。システムエンジニアを目指す上で、現代の高速ネットワークの主流ではないものの、既存のインフラや一部のシステムで依然として利用されているため、その基本的な知識は重要である。
RJ11の最大の特徴は、その物理的な形状と対応する芯数にある。一般的なRJ11コネクタは、プラスチック製の小型な四角い形状をしており、内部に最大6本のピン(極)を収めることができる。この「6極」という物理的な構造を「6P」(6 Position)と表現する。そして、実際にそのうち何本のピンが配線されているかによって、「2芯(2 Conductors)」、「4芯」、「6芯」といったバリエーションが存在する。最も一般的なのは「6極2芯(6P2C)」のタイプで、これはアナログ電話回線で音声信号を伝送するために必要な2本の導線(ペア)のみが接続されている状態を示す。この2本の導線は、電話回線における「Tip」と「Ring」と呼ばれる信号線に対応し、電話局からの電気信号を受け取ったり、電話機からの信号を送ったりする役割を担う。日本では、家庭やオフィスで電話機やFAX機を壁のモジュラージャックに接続する際に使うケーブルやコネクタが、このRJ11(多くの場合6P2C)である。
具体的な用途としては、まずアナログ固定電話の接続が挙げられる。電話機を壁のモジュラージャック(これもRJ11規格)に接続し、電話局との間で音声通話を行うためにRJ11コネクタとケーブルが利用される。また、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)サービスが普及していた時代には、ADSLモデムを電話回線に接続するためにもRJ11が不可欠であった。ADSLは、電話回線を通じてインターネットに接続する技術であり、音声通話とデータ通信を同じ回線上で共存させるために、通常、電話回線とADSLモデムの間に「スプリッタ」と呼ばれる装置が挟まれ、このスプリッタとモデム、そしてスプリッタと電話回線の接続にRJ11が使用された。スプリッタは、低周波数の音声信号と高周波数のデータ信号を分離し、電話機とモデムそれぞれに適切な信号を供給する役割を担っていた。この他にも、旧式のダイヤルアップモデムや、POS(Point Of Sale)端末、一部の決済端末、データ通信用の特殊な機器などでRJ11が使用されるケースがある。
RJ11を理解する上で、しばしば混同されやすいのが「RJ45」である。RJ45は、イーサネット(LANケーブル)で使用されるコネクタであり、RJ11とは異なる規格である。RJ45は、8極8芯(8P8C)が一般的であり、RJ11よりも物理的に一回り大きく、形状も異なる。RJ45は高速なデータ通信を目的として設計されており、コンピュータやネットワーク機器同士を接続し、インターネット接続やローカルネットワーク内での通信に利用される。RJ11は主に音声信号や低速データ通信に用いられるのに対し、RJ45は高帯域幅のデータ通信を担うため、その用途も性能も大きく異なる。物理的な形状が異なるため、RJ11コネクタをRJ45ポートに誤って差し込もうとしても入らないように設計されているが、RJ45コネクタをRJ11ポートに無理やり差し込んでしまうと、ポートやコネクタが破損する可能性があるので注意が必要である。また、RJ11と物理的に互換性のある6極4芯(6P4C)の「RJ14」や、6極6芯(6P6C)の「RJ25」といった規格も存在するが、日本では「RJ11」という名称が広く使われ、芯数の違いはあまり意識されないことが多い。
現代では、光ファイバー網の普及やVoIP(Voice over IP)技術の発展により、アナログ固定電話やADSLの利用は減少傾向にある。そのため、新たなシステム構築においてRJ11が主役となることは稀になっている。しかし、既存の電話設備やレガシーな通信インフラは未だ数多く存在し、それらを運用・保守する際にはRJ11に関する知識が不可欠である。システムエンジニアとして、古いシステムとの連携やトラブルシューティングを行う際に、この身近な規格の特性を理解しておくことは、円滑な業務遂行の一助となるだろう。単なる電話線用のコネクタという認識に留まらず、その規格の背景や、他の類似規格との違いを正確に把握しておくことが求められる。