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SoR(エスオーアール)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

SoR(エスオーアール)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

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読み方

日本語表記

ソース・オブ・レコーズ (ソース・オブ・レコーズ)

英語表記

SoR (エスオーアール)

用語解説

SoRは「System of Record(システム・オブ・レコード)」の略称であり、企業の基幹業務を支え、事業活動で発生する全ての重要なデータを正確かつ永続的に記録・管理するシステムのことを指す。これは、企業における情報の「最終的な真実の源泉(Single Source of Truth)」としての役割を担い、会計、人事、生産、在庫、顧客管理など、ビジネスの根幹をなす情報を保存し、その整合性を保証する。SoRは、高い信頼性、安定性、セキュリティ、そしてデータの正確性が最優先されるシステムであり、企業の継続的な運営に不可欠な土台となる。

SoRが持つべき最も重要な特徴の一つは、データの正確性と整合性である。例えば、顧客の購買履歴、口座残高、従業員の給与計算、商品の在庫数といった情報は、常に最新かつ正確でなければならない。もしデータが二重に登録されたり、異なるシステム間で情報が食い違ったりすれば、企業の信用失墜や業務上の大きな損失に直結しかねない。そのため、SoRは厳格なデータ管理ルールと、データの一貫性を保証するためのトランザクション処理(データベースの更新処理などが最後まで正しく行われることを保証する仕組み)を通じて、情報の正確性を維持する。

次に、信頼性と安定性もSoRには不可欠な要素である。企業の基幹業務は多くの場合、24時間365日停止することなく稼働する必要がある。システム障害が発生すれば、業務が滞り、売上の機会損失や顧客満足度の低下に直結する。SoRは、システムの冗長化(予備の機器やシステムを配置すること)や災害対策などにより、高い可用性(システムが継続して利用できる能力)を確保する設計が求められ、万一の障害発生時でも迅速な復旧を可能にする。これは、堅牢なハードウェアとソフトウェア、そして厳格な運用体制によって支えられる。

さらに、SoRは企業の機密性の高いデータを多数扱うため、非常に高いセキュリティレベルが要求される。不正アクセスや情報漏洩は企業の存続に関わる重大なリスクであるため、厳格なアクセス制御、データの暗号化、セキュリティ監査ログの管理など、多層的で強固なセキュリティ対策が施される。データの改ざんや損失を防ぐためのバックアップとリカバリ機能も、SoRのセキュリティと信頼性を保証する上で重要である。

具体的なSoRの例としては、ERP(Enterprise Resource Planning:統合基幹業務システム)が挙げられる。これは、会計、人事、生産管理、販売管理、在庫管理といった企業の主要な業務プロセスを一元的に管理し、関連するデータを統合するシステムである。金融機関の勘定系システム、航空会社の予約管理システム、通信キャリアの顧客情報管理システムなども、SoRの代表的な例である。これらのシステムは、膨大なデータを高速かつ正確に処理し、常に最新の状態を保つことで、企業の事業活動を根底から支える。

現代のITアーキテクチャでは、SoRは単独で存在するのではなく、「System of Engagement(SoE)」や「System of Insight(SoI)」といった他のシステム群と連携して機能することが一般的である。SoEは顧客や従業員との接点を重視し、ユーザー体験の向上や迅速な変化への対応が求められるシステム(例:ECサイト、スマートフォンアプリ、SNS連携サービス)である。一方、SoIは蓄積されたデータを分析し、ビジネス上の洞察や意思決定を支援するシステム(例:データウェアハウス、ビジネスインテリジェンスツール、機械学習プラットフォーム)である。SoRは、これらSoEやSoIが利用する信頼できる一次情報源として機能する。例えば、SoEを通じて顧客から得られたデータはSoRに正確に記録され、SoIはそのSoRのデータを活用して新たなビジネス価値を生み出すための分析を行う。このように、SoRは他のシステムと連携しつつも、その基盤として揺るぎない安定性と信頼性を提供することで、企業全体のIT戦略の中核を担う。

SoRの役割は、単にデータを記録するだけに留まらない。企業の法規制遵守(コンプライアンス)の基盤となり、監査証跡の提供やデータ保持義務の遂行を可能にする。また、経営層が正確なデータに基づいて戦略的な意思決定を行うための信頼できる情報源でもある。デジタル変革(DX)が加速する現代において、新しいサービスやビジネスモデルを構築する際にも、SoRによって裏付けられた信頼性の高いデータが不可欠となる。SoRの適切な設計と運用は、企業の持続的な成長と競争力維持のために極めて重要な要素であると言える。システムエンジニアにとって、SoRは企業の心臓部とも言えるシステムであり、その設計、開発、運用には高度な専門知識と責任が伴う。

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