VMFS(ブイエムエフエス)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説
VMFS(ブイエムエフエス)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。
読み方
日本語表記
仮想マシンファイルシステム (かじんましんふぁいるしすてむ)
英語表記
VMFS (ブイエフエムエス)
用語解説
VMFS(Virtual Machine File System)とは、VMware社が開発した、仮想環境向けに特化したクラスタファイルシステムである。主にVMware vSphere環境において、仮想マシンの各種ファイルを保存・管理するために使用される。システムエンジニアを目指す上で、仮想化技術は不可欠であり、VMFSはVMwareの仮想化基盤の中核をなす重要な要素の一つと理解しておくべきである。
VMFSは、単一のESXiホストだけでなく、複数のESXiホストが共有ストレージ上の同じデータストアに同時にアクセスできるよう設計されている点が最大の特徴である。これにより、VMware vSphereの提供する高機能な仮想化サービス、例えばvMotionやDistributed Resource Scheduler(DRS)、High Availability(HA)といった機能が実現可能となる。これらの機能は、仮想マシンの無停止移行や自動的なリソース最適化、ホスト障害時の自動復旧を可能にし、仮想環境の柔軟性、可用性、管理効率を飛躍的に向上させる。
VMFSデータストアには、仮想マシンの構成ファイル(.vmx)、仮想ディスクファイル(.vmdk)、スナップショットファイル(.vmsn, .vmdk delta)、ログファイルなどが格納される。これらのファイルは、通常のファイルシステムとは異なり、仮想マシンのI/Oパターンや、複数のホストからの同時アクセスを考慮して最適化されている。具体的には、仮想ディスクファイルは非常に大きな単一ファイルとして扱われ、その内部構造は仮想マシンにとって効率的なアクセスが可能なように設計されている。
クラスタファイルシステムとしてのVMFSは、複数のESXiホストが同じ仮想ディスクファイルに同時に書き込みを行わないよう、共有ストレージ上でロック機構を採用している。初期のVMFSバージョンではSCSI予約(SCSI-2 PR)という物理的なロック機構を使用していたが、VMFS5およびVMFS6ではより洗練されたAtomic Test and Set(ATS)プリミティブなどのソフトウェアベースのロック機構を導入し、きめ細やかなロック管理とパフォーマンスの向上を実現している。これにより、多数の仮想マシンが同時に動作する大規模環境でも、効率的かつ安定したファイル操作が可能になっている。
VMFSはブロックレベルの共有ストレージ(FC SAN、iSCSI SAN、ローカルディスクなど)向けに設計されており、これらのストレージを論理的に分割したLUN(Logical Unit Number)上にデータストアとして構築される。VMFSデータストアは、複数のLUNを結合して論理的に拡張することも可能であり、ストレージ容量の柔軟な管理をサポートする。また、シンプロビジョニング機能にも対応しており、仮想ディスクが実際に使用した容量分だけストレージを消費することで、ストレージリソースの効率的な利用を促進する。
VMFSのバージョンは、その進化とともに機能が追加・改善されてきた。VMFS3は古いバージョンで、最大2TBのファイルサイズ制限や旧式のロック機構を持つ。VMFS5はVMFS3の後継として登場し、最大64TBのファイルサイズとLUNに対応し、ファイルシステムブロックサイズを統一することで、より効率的なストレージ利用とパフォーマンス向上を実現した。さらに、VMware vSphere 6.5以降で導入されたVMFS6は、より洗練されたストレージ管理機能を提供する。特に、4KBブロックサイズと512Bブロックサイズの混在サポート、自動UNMAP(ストレージの再利用機能)、より効率的なロック機構など、最新のストレージ技術や仮想環境の要件に対応している。これらの新機能は、フラッシュストレージの利用促進や、大規模な仮想化環境におけるストレージ管理の簡素化に貢献している。
このように、VMFSはVMware vSphere環境において、仮想マシンのデータ管理、高性能なI/O処理、そして高度な仮想化機能の基盤となる不可欠な要素である。システムエンジニアとして仮想化基盤を設計・構築・運用する際には、VMFSの特性、機能、そしてバージョンによる違いを深く理解することが求められる。