【ITニュース解説】Resolving Amazon RDS Performance Bottlenecks: A Real-World Cloud Engineer’s Journey to Optimized Database Efficiency
2025年09月11日に「Dev.to」が公開したITニュース「Resolving Amazon RDS Performance Bottlenecks: A Real-World Cloud Engineer’s Journey to Optimized Database Efficiency」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
Amazon RDSでアプリの応答が遅延する問題が発生。監視の結果、I/Oボトルネックと遅いクエリが原因と判明した。そこで、クエリを最適化し、GP3ストレージへ変更したところ、性能が大幅に改善し、安定稼働を実現した。
ITニュース解説
Amazon RDSは、クラウド上で簡単にデータベースを構築・運用できる便利なサービスだ。多くの企業がこのサービスを利用して、ウェブサイトやアプリケーションのデータを管理している。しかし、便利なサービスであっても、使い方や設計を誤ると、思わぬパフォーマンスの問題に直面することがある。今回のケースでは、Amazon RDS上で稼働するMySQLデータベースが、突然の性能低下に見舞われた具体的な事例とその解決までの道のりを解説する。
ある日、本番環境で運用中のアプリケーションが、急に動作が遅くなり、時折エラーやタイムアウトが発生するようになった。特に、ユーザーアクセスが集中する時間帯、いわゆるピーク時にはその問題が顕著になり、顧客からの苦情も発生し、ビジネスに大きな影響を与えていた。このアプリケーションは、Amazon RDSのMySQLインスタンスをデータベースとして利用しており、原因はこのデータベースにある可能性が高まった。
問題解決のためには、まず何が起きているのかを正確に把握する必要がある。最初の観察では、アプリケーションの応答時間が著しく増加し、特に高トラフィック時により悪化していることが確認された。これにより、顧客のサービス利用体験が低下し、潜在的な収益損失にもつながっていた。
次に、具体的なデータを集める段階に入った。AWSが提供する監視ツールである「CloudWatch」を使って、RDSインスタンスのCPU使用率、メモリ使用量、そしてディスクの活動状況を確認した。結果として、CPUとメモリの使用率は問題ない範囲内であったが、ディスクの読み書きにかかる時間(ディスクI/Oレイテンシー)が異常に高くなっていることが判明した。ディスクI/Oとは、データベースがデータを保存しているディスクからデータを読み込んだり、新しいデータを書き込んだりする動作のことだ。このレイテンシーが高いということは、ディスクへのアクセスが非常に遅くなっていることを意味する。
さらに詳細な監視のために、「Amazon RDS Enhanced Monitoring(拡張モニタリング)」を有効にした。これは、データベースが稼働しているサーバー(OSレベル)のさらに詳細な情報を収集できるツールである。これにより、通常よりも高い「I/O待機時間」が発生していることが明らかになった。これは、CPUがディスクからのデータ到着を待っている時間が長くなっている状態を指す。また、データベースの「スロークエリログ」も有効にして分析したところ、いくつかの特定のクエリが普段よりもはるかに長い時間をかけて実行されていることが判明した。特に、大量のデータを結合したり、テーブル全体をスキャンしたりするクエリが遅くなっていた。
これらの情報から、根本的な原因が特定された。最も主要なボトルネックは「I/O」であった。つまり、CPUやメモリではなく、データベースがデータを読み書きするディスクの性能が不足しているということだ。今回利用していたRDSインスタンスのストレージは「gp2」というタイプで、これは一般的な用途向けのSSDストレージである。gp2ストレージは、ある程度の性能(IOPS、Input/Output Operations Per Second)を持つが、ピーク時のワークロードに対しては、その性能が十分ではなかったのだ。IOPSとは、1秒間にディスクが処理できる読み書きの回数を示す指標で、この数値が低いとデータ処理が追いつかなくなる。さらに、遅いクエリが特定されたことも重要だ。これらの最適化されていないクエリは、必要以上に多くのデータをディスクから読み込むため、I/Oの負荷をさらに増大させていた。このデータベースのワークロードは、多くのユーザーが同時にデータを読み書きする「OLTP(Online Transaction Processing)」型であり、I/O性能が非常に重要になる特性を持っていた。
原因が特定された後、解決策を検討した。まず、業界内で同様の問題に直面した他のエンジニアの事例や推奨される解決策を調査した。よくある解決策としては、クエリの最適化、より高性能なストレージへのアップグレード(例:gp3やio1)、データベースインスタンス自体のスペックアップ、そして読み込み処理を分散するためのリードレプリカの導入などがある。
これらの選択肢の中から、今回のケースに最適なものを選定した。まず、最も問題となっていたクエリの見直しと最適化を行った。データベースに「インデックス」を追加し、複雑な結合処理を見直すことで、データベースがデータを探す手間を減らし、読み込むデータ量を削減できると考えた。インデックスとは、本の索引のようなもので、データを探す速度を劇的に向上させるための仕組みだ。次に、ストレージのアップグレードを検討した。gp2よりも高いIOPSを安定して提供できる「gp3」ストレージへの移行は、コストパフォーマンスに優れており、I/Oボトルネックを解消する有力な候補となった。インスタンスのスペックアップも選択肢だが、まずはより根本的なI/Oとクエリの問題解決を優先し、不必要なコスト増を避ける判断をした。リードレプリカは読み込み処理の分散には有効だが、今回のワークロードは書き込み処理も多く、それが直接的な解決策にはならないと判断された。
そして、選定した解決策を実行に移した。まず、分析で見つかった遅いクエリに対して、適切なインデックスを追加し、クエリの書き方を改善(リファクタリング)した。これにより、データベースがテーブル全体をスキャンする回数が減り、クエリの実行速度が向上した。次に、RDSインスタンスのストレージタイプをgp2からgp3にアップグレードした。このアップグレードにより、データベースはより高いベースラインIOPSと、負荷がかかった際により安定した性能を得られるようになった。これらの変更を適用した後も、Enhanced MonitoringやAWSの「Performance Insights」といったツールを使って、継続的にデータベースのパフォーマンスを監視した。
その結果、データベースの性能は劇的に改善された。ディスクのI/Oレイテンシーは大幅に減少し、アプリケーションの応答時間も通常の状態に戻った。ピークトラフィック時でもシステムは安定して動作し、顧客からの苦情も解消された。
今回の経験から得られた重要な教訓はいくつかある。第一に、データベースのパフォーマンスを定期的に監視することの重要性だ。ボトルネックの兆候を早期に捉えることで、問題が深刻化する前に対応できる。第二に、クエリの最適化がいかに重要かということだ。たとえ小さな改善であっても、データベース全体の性能に大きな影響を与えることがある。そして第三に、ワークロードの特性に合わせて適切なストレージタイプとサイズを選択することの重要性だ。クラウド環境では、必要に応じてインフラを柔軟に調整できるため、アプリケーションの成長や負荷の変化に合わせて、適切な選択を行う必要がある。この一連の経験は、システムエンジニアとして、データベースの性能を理解し、AWSの監視ツールを最大限に活用し、アプリケーションの要求に応じてインフラを調整する準備をしておくことの重要性を強く示している。