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RDS(アールディーエス)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

RDS(アールディーエス)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

作成日: 更新日:

読み方

日本語表記

リレーショナルデータベースサービス (リレーショナルデータベースサービス)

英語表記

Relational Database Service (リレーショナルデータベースサービス)

用語解説

RDSとは、Amazon Relational Database Serviceの略称であり、Amazon Web Services (AWS) が提供するクラウドベースのリレーショナルデータベースサービスである。システムエンジニアを目指す初心者にとって、データベースの運用管理は複雑で手間のかかる作業だが、RDSはその複雑さを大幅に軽減し、データベースのプロビジョニング、パッチ適用、バックアップ、リカバリ、スケーリングといった運用タスクを自動化することで、開発者がアプリケーション開発に集中できる環境を提供する。

従来のデータベース運用では、まず物理サーバーや仮想サーバーを用意し、OSのインストール、データベースソフトウェアのインストールと設定、ストレージの確保、ネットワーク設定など、多くの初期構築作業が必要だった。さらに、運用開始後も、データベースのバックアップと復旧計画の策定、定期的なパッチ適用、パフォーマンス監視とチューニング、障害発生時の対応、データの増加に応じたストレージやサーバーのリソース拡張など、多岐にわたる管理業務が恒常的に発生する。これらの作業は専門的な知識と経験を必要とし、システム運用の大きな負担となる。RDSは、これらの煩雑なタスクをAWSが代行する「フルマネージドサービス」として提供され、利用者は数回のクリックでデータベースインスタンスを起動し、すぐにアプリケーションから利用できる状態になる。

詳細に入ると、RDSの最大の特徴は、データベースのライフサイクル管理のほとんどをAWSが引き受けるフルマネージドサービスである点だ。これにより、データベースの基盤となるインフラストラクチャ(サーバー、ストレージ、ネットワークなど)の調達や設定、OSやデータベースソフトウェアのインストールとパッチ適用、バックアップの自動取得と保存、ポイントインタイムリカバリ(特定時点への復旧)の実現、データベースの監視、そして必要に応じたリソースのスケーリングといった、通常運用で発生する多くの手間が不要になる。利用者はデータベースの管理ではなく、データベーススキーマの設計やSQLの最適化といった、よりアプリケーションに近い領域に注力できる。

RDSがサポートするデータベースエンジンは多岐にわたる。具体的には、AWSが独自開発した高性能なデータベースであるAmazon Aurora(MySQL互換およびPostgreSQL互換)、オープンソース系のPostgreSQL、MySQL、MariaDB、そして商用データベースのOracle DatabaseやSQL Serverといった主要なリレーショナルデータベースに対応している。これにより、既存のアプリケーションで利用しているデータベースの種類に合わせて、最適なRDSインスタンスを選択することが可能だ。

高可用性の実現もRDSの重要な機能の一つである。Multi-AZデプロイメントと呼ばれる機能を利用することで、データベースインスタンスを複数のアベイラビリティーゾーン(AZ)に冗長構成で配置できる。これは、プライマリのデータベースインスタンスのデータを、別のAZに配置されたスタンバイインスタンスに同期的にレプリケートする仕組みだ。プライマリインスタンスに障害が発生した場合、または計画メンテナンスが必要な場合でも、RDSは自動的にスタンバイインスタンスにフェイルオーバーし、アプリケーションからの接続先を切り替えることで、データベースのダウンタイムを最小限に抑える。これにより、非常に高い可用性が求められるシステムでも安心して利用できる。

スケーラビリティにおいてもRDSは優れている。アプリケーションの負荷が増大し、データベースの性能が不足した際には、DBインスタンスのタイプ(CPUやメモリの性能)をより上位のモデルに変更する「垂直スケーリング」や、ストレージ容量を拡張する「ストレージスケーリング」を簡単に行うことができる。特に読み取り処理が多いワークロードの場合、リードレプリカと呼ばれる機能を活用することで、プライマリデータベースの負荷を分散させ、複数のリードレプリカ(読み取り専用の複製インスタンス)に対して読み取りクエリをオフロードする「水平スケーリング」が可能になる。これにより、データベースの読み取り性能を大幅に向上させることができる。

セキュリティ面も充実している。RDSインスタンスはAmazon Virtual Private Cloud (VPC) 内に配置され、ネットワークレベルでの隔離が保証される。また、セキュリティグループを用いて、特定のIPアドレスやポートからのアクセスのみを許可する設定が可能だ。保存されているデータはAWS Key Management Service (KMS) を利用して暗号化できるため、万が一データが漏洩した場合でも内容が保護される。データベースインスタンスへの接続にはSSL/TLSを使用することで、転送中のデータも暗号化され、安全な通信が保証される。さらに、AWS Identity and Access Management (IAM) と連携し、データベースへのアクセス権限を細かく制御することもできる。

コスト面では、RDSは従量課金制を採用しており、実際に利用したインスタンスタイプ、ストレージ容量、I/O(Input/Output)操作、データ転送量に応じて料金が発生する。初期投資が不要で、必要な時に必要なだけリソースを柔軟に利用できるため、コスト効率に優れていると言える。これにより、開発段階の小規模なプロジェクトから、大規模な本番環境まで、幅広い用途で経済的にデータベースを利用することが可能だ。

このように、RDSはデータベースの構築から運用、保守に至るまで、システムエンジニアが直面する多くの課題を解決する強力なサービスである。データベースの専門知識がそれほどなくても、高可用性、スケーラビリティ、セキュリティを兼ね備えた堅牢なデータベース環境を迅速に構築・運用できる点が、最大の魅力である。

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