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【ITニュース解説】Apple Watch Ultra 3: A closer look at its satellite communications tools

2025年09月19日に「Engadget」が公開したITニュース「Apple Watch Ultra 3: A closer look at its satellite communications tools」について初心者にもわかりやすく解説しています。

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ITニュース概要

Apple Watch Ultra 3は衛星通信に対応し、電波が届かない場所でも緊急SOSやメッセージ、位置情報共有ができる。S10チップ搭載、大画面化、バッテリーは最大42時間持続するなど、全体的に性能が向上した。

ITニュース解説

Apple Watch Ultra 3は、最新のスマートウォッチとして注目を集める新モデルだ。このデバイスの最も画期的な進化の一つは、衛星通信機能の搭載である。これは、一部の特殊なモデルを除けば、Apple Watch Ultra 3が主流スマートウォッチとして2番目にこの機能をサポートする製品となることを意味する。

従来のスマートフォンやスマートウォッチは、地上に設置された携帯電話基地局からの電波を利用して通信を行う。しかし、山間部や海上、災害時など、基地局の電波が届かない場所や、通信インフラが寸断されてしまう状況では、これらのデバイスは通信手段を失い、孤立してしまうリスクがあった。Apple Watch Ultra 3に搭載された衛星通信機能は、宇宙空間にある人工衛星と直接通信することで、電波が届かない「圏外」という概念を打ち破る画期的な技術だ。このような「圏外」の状況下でも、地球を周回する衛星を介して通信を行うことで、ユーザーの安全を確保し、利便性を大きく向上させるものだ。

この衛星通信機能は、大きく分けて二つの用途で利用できる。一つは緊急事態に備える「緊急SOS」、もう一つは非緊急時における「メッセージ送信」と「位置情報共有」である。

緊急SOS機能は、ユーザーが危険な状況に陥り、助けが必要な際に、現地の緊急サービスに連絡を取るためのものだ。通常、緊急時はまず現地の緊急電話番号にダイヤルすることが推奨されるが、もし電波が届かないなどの理由でそれが不可能な場合、Apple Watch Ultra 3は自動的に衛星通信インターフェースへと切り替わる。この機能を利用する際、ユーザーは屋外に出て、空がはっきりと見える場所でデバイスを操作する必要がある。これは、衛星との直接的な通信経路を確保するためだ。

衛星通信が確立されると、デバイスの画面には「空がはっきりと見える場所を探してください」といった指示が表示され、ユーザーは腕を適切な方向に動かして衛星との接続を試みる。接続が成功すると、数回のタップで状況を説明する多肢選択式の質問に答えることになる。例えば、「道に迷ったか閉じ込められたか」「単独か複数か」「怪我の有無」「地形の特徴」といった情報だ。これらの情報は救助隊が状況を迅速に把握し、適切な対応を取る上で非常に重要となる。また、事前に設定しておいた緊急連絡先にも、このSOS情報が自動で通知される機能も備わっている。通信にかかる時間は従来の携帯電話回線よりも長く、状況によっては数分を要することもあるが、危険な状況下で唯一の通信手段となる可能性もあるため、その価値は計り知れない。Apple Watch Ultra 3では、緊急SOS機能はすべてのモデルで利用できる。

一方、メッセージ送信と位置情報共有機能は、緊急ではないが地上通信網が利用できない状況で役立つ。例えば、人里離れたキャンプ場に到着したことを家族に伝えたり、登山中に仲間と位置情報を共有したりする際などに活用できる。この機能を利用するには、有料の携帯電話プランが必要となる。ユーザーはApple Watch Ultra 3の「探す」アプリを通じて、事前に登録した連絡先に最大15分間隔で自分の位置情報を送信したり、「メッセージ」アプリを使って過去30日以内にやり取りした相手にテキストメッセージを送信したりできる。衛星経由で送られたメッセージには「sent via Satellite」という表示が付加され、受信者にも限定的な通信状況であることが伝わるようになっている。Apple Watch Ultra 3を購入すると、緊急SOS、メッセージ、位置情報共有の衛星サービスが2年間無料で提供される点は、導入のハードルを下げるだろう。

この衛星通信機能は、ライバルであるPixel Watch 4でも採用されている。Pixel Watch 4も衛星SOSを2年間無料で提供するが、これはLTEモデルのみで、米国本土でのみ利用可能という制限がある。GoogleのシステムはSkylo社の狭帯域非地上波ネットワーク(NB-NTN)を利用し、Apple Watch Ultra 3と同様に触覚フィードバックや音声キューで接続プロセスを案内する。Pixel Watch 4には「check replies」ボタンがあり、緊急サービスからの返信を確認するために再接続を促す機能もある。Apple Watch Ultra 3の衛星通信機能は、発売時点で米国、英国、日本、スイス、オーストラリアを含む18カ国で利用可能だが、メッセージ機能はメキシコ、カナダ、米国に限定されている。

衛星通信機能以外にも、Apple Watch Ultra 3は様々な面で進化を遂げている。ディスプレイは、デバイスの物理的なサイズはそのままに、ベゼル(画面の縁)が24%薄くなったことで、わずかに大型化し、より広い表示領域を実現した。LTPO 3パネルの採用により、常時表示モードでのリフレッシュレートが向上し、広視野角のOLEDによって斜めからでも見やすくなっている。

搭載されるS10チップは処理性能を向上させ、デバイス全体の応答性と効率を高める。バッテリー駆動時間も最大42時間に延びており、長時間の活動にも対応できる耐久性を備える。これは、特にアウトドア活動を好むユーザーにとって大きなメリットだ。また、Series 11と同様に5G通信をサポートし、高血圧通知や睡眠スコアといった健康管理機能も強化されている。watchOS 26のアップデートにより、Workout BuddyやLiquid Glassなどの新機能も追加され、ユーザー体験がさらに向上する。

Apple Watch Ultra 3は、単なる時間表示や通知のためのデバイスを超え、ユーザーの安全と健康、そして日常生活の質を高めるための多機能なパートナーへと進化している。特に衛星通信機能は、通信インフラが整わない場所での活動や、万が一の緊急事態において、ユーザーに安心と信頼を提供する重要な技術革新と言えるだろう。

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