【ITニュース解説】AWS Storage Gateway: Cached Volumes or Stored Volumes ?
2025年09月26日に「Dev.to」が公開したITニュース「AWS Storage Gateway: Cached Volumes or Stored Volumes ?」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
AWS Storage Gatewayの「Cached Volumes」は、全データをクラウドに保存し、頻繁に使うデータのみをオンプレミスでキャッシュする方式だ。これにより、オンプレミスストレージを削減しつつ、必要なデータへの高速アクセスを実現できる。全データをローカルに置く「Stored Volumes」に対し、コスト効率と最新データへの低遅延アクセスを両立する際に有効だ。
ITニュース解説
企業がITインフラを構築する際、オンプレミス環境とクラウド環境のデータをどう連携させるかは常に重要な課題となる。AWS Storage Gatewayは、オンプレミスで稼働するアプリケーションが、AWSのクラウドストレージ(Amazon S3など)をあたかもローカルストレージであるかのように利用できるようにするサービスである。これにより、オンプレミスとクラウド間でデータを効率的に、かつ安全に転送・保存・同期することが可能になる。
ある企業は、自社の分析業務において、常に最新のデータサブセットに頻繁にアクセスする必要があるという課題を抱えている。一方、過去の古いデータは滅多に使われない。彼らの要望は、データ全体をオンプレミスに保存することなく、最新のデータに対しては低遅延でアクセスできる解決策を見つけることであった。このような状況では、オンプレミスストレージの容量を増やし続けることはコスト面でも管理面でも非効率的となる。
AWS Storage Gatewayの中でも、「Volume Gateway」は、オンプレミスアプリケーションがiSCSIインターフェースを介して、ブロックストレージとしてクラウドストレージを利用できるようにする機能である。このVolume Gatewayには、「Stored Volumes」と「Cached Volumes」という二つのモードが存在し、それぞれ異なるアプローチでデータ管理を実現する。
まず「Stored Volumes」モードについて説明する。このモードでは、データセット全体をオンプレミスのストレージに保存する。オンプレミスストレージは、アプリケーションから直接、低遅延でアクセスされる。そして、オンプレミスに保存されたデータは、Amazon S3にEBSスナップショットとして非同期でバックアップされる仕組みだ。この方式は、すべてのデータに対して常に低遅延なアクセスが求められる場合に最適な選択肢となる。例えば、高いパフォーマンスが求められるデータベース全体をローカルに保持しつつ、災害対策としてクラウドにバックアップを取りたい場合などが該当する。しかし、このモードでは、データ量が増加するにつれてオンプレミス側のストレージ容量も増やし続ける必要があり、それなりのコストと管理の手間がかかる点がデメリットとなる。
次に「Cached Volumes」モードを見てみよう。このモードでは、データセット全体をAmazon S3に保存する。オンプレミスには、頻繁にアクセスされるデータ、いわゆる「ホットデータ」のごく一部だけがキャッシュとして保存される。アプリケーションは、このローカルキャッシュにアクセスすることで、ホットデータに対して低遅延なアクセスを実現する。キャッシュされていない古いデータや、あまり使われないデータへのアクセスが発生した場合は、その都度S3からデータを取得することになる。この方式の最大のメリットは、オンプレミスストレージの容量を最小限に抑えつつ、アプリケーションが必要とするデータには高速にアクセスできる点である。S3が持つ高い耐久性とスケーラビリティをストレージ基盤として利用できるため、オンプレミスでのストレージ管理の負担を大幅に軽減できる。
先の企業の課題に立ち返ると、彼らは古いデータをオンプレミスに置く必要がなく、最新のデータサブセットにのみ低遅延でアクセスできれば良いと考えていた。この要件に対して、「Stored Volumes」モードを選択すると、使わない古いデータも含めて全データをオンプレミスに保存することになり、ストレージコストと管理の非効率性が生じる。つまり、彼らの求める「全データをローカルに保存しない」という条件に矛盾する。
一方、「Cached Volumes」モードは、まさにこの企業の要件に合致する。全データはS3に保存されるため、オンプレミスストレージの容量を抑えられる。頻繁にアクセスする最新のデータだけをオンプレミスでキャッシュすることで、低遅延なアクセスも保証される。これにより、コストを削減しつつ、分析業務に必要なパフォーマンスを維持できるのである。
「Cached Volumes」の具体的な仕様としては、一つのボリュームのサイズは1GiBから32TiBまで(GiB単位)、一つのゲートウェイにつき最大32ボリュームまで設定でき、ゲートウェイあたりの総容量は最大1PiB(1024TiB)である。これらのボリュームには、オンプレミスのサーバーがiSCSIデバイスとして接続することでアクセスする。
結論として、データへのアクセスパターンとコスト効率を考慮すると、今回のシナリオにおいては「Volume Gateway」の「Cached Volumes」モードが最適な選択肢となる。データ全体をクラウドに置き、頻繁に使うデータのみをオンプレミスでキャッシュするという戦略は、ストレージコストを最適化しつつ、必要なパフォーマンスを確保する上で非常に有効なアプローチである。
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