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【ITニュース解説】主要「BaaS」9つを比較 失敗しない選び方のポイントは?

2025年09月17日に「TechTargetジャパン」が公開したITニュース「主要「BaaS」9つを比較 失敗しない選び方のポイントは?」について初心者にもわかりやすく解説しています。

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ITニュース概要

企業の災害対策(DR)戦略を左右するBaaS(Backup as a Service)選びの重要性を解説する。主要9つのBaaSサービスを比較し、自社の要件に合った最適なサービスを選定するための7つの評価基準とポイントを紹介する。

ITニュース解説

システムエンジニアを目指す皆さんにとって、企業が扱うデータの重要性とその保護は、学習を進める上で避けて通れないテーマの一つだ。現代社会では、ビジネスのあらゆる活動がデジタルデータに支えられており、これらのデータを失うことは企業の存続にも関わる重大な問題となる。ここで注目したいのが「BaaS(バックアップ・アズ・ア・サービス)」と呼ばれるサービスである。

BaaSとは、データのバックアップをサービスとして提供する形態を指す。従来のバックアップは、企業が自社でハードウェアやソフトウェアを購入し、担当者が手作業で設定や運用を行うのが一般的だった。しかし、BaaSを利用すれば、これらのバックアップインフラを自社で持つ必要がなく、専門のベンダーがクラウドを通じてバックアップ環境を提供してくれる。企業はインターネット経由でサービスにアクセスし、必要なデータをバックアップするだけなので、運用にかかる手間やコストを大幅に削減できるのだ。

BaaSが重要視される背景には、データの爆発的な増加と、サイバー攻撃、特にランサムウェアのような悪質な脅威の深刻化がある。企業が扱うデータ量は日々増え続けており、すべてのデータを自社で安全にバックアップし続けるのは非常に困難になっている。また、もしシステムがサイバー攻撃を受けたり、自然災害やヒューマンエラーによってデータが失われたりした場合、事業が停止し、顧客からの信頼を失い、甚大な損害が発生する可能性がある。このような事態に備え、データを確実に保護し、万が一の際には迅速に復旧できる仕組みが不可欠となる。BaaSは、災害対策(DR: Disaster Recovery)や事業継続計画(BCP: Business Continuity Plan)を実現するための強力な手段となる。つまり、もしもの時に事業を止めないための生命線なのだ。

市場には様々なBaaSが存在し、それぞれが異なる特徴や強みを持っている。大手クラウドプロバイダーが提供するサービスもあれば、バックアップ専門のベンダーが提供するサービスもある。これらのサービスは、データの保管場所としてクラウドストレージを利用し、データの暗号化、重複排除、圧縮といった技術を駆使して、安全かつ効率的なバックアップを実現する。しかし、多くの選択肢がある中で、自社のビジネスモデルやシステム環境に最適なBaaSを選ぶことは、企業のデータ保護戦略の成否を分ける非常に重要な決断となる。

では、最適なBaaSを選ぶためには、どのような点に着目すれば良いのだろうか。主要な評価基準は以下の七つが挙げられる。

一つ目は「既存環境との互換性」だ。企業が現在利用しているシステム環境、例えばオンプレミス(自社運用)のサーバーや、Amazon Web Services(AWS)、Microsoft Azure、Google Cloud Platformといったパブリッククラウド、あるいはVMwareのような仮想化環境など、多岐にわたる。選ぶBaaSが、これらの多様な環境に問題なく対応し、バックアップと復元が行えるかは非常に重要だ。特定の環境にしか対応していないサービスでは、バックアップ対象外のシステムが生まれてしまい、全体のデータ保護が不完全になる恐れがある。

二つ目は「バックアップ対象の広さ」である。企業が保護すべきデータは、OS全体、アプリケーション、データベース、ファイルサーバー、さらにはSaaS(Software as a Service)で利用しているアプリケーションのデータなど、様々だ。選定するBaaSが、これらの幅広いデータ種別に対応しているかを確認する必要がある。特に、特定のデータベースや業務アプリケーションに特化したバックアップ機能が求められる場合もあるため、きめ細かな対応能力があるかどうかが重要になる。

三つ目は「リカバリ(復元)の速さと粒度」だ。バックアップは、万が一の時にデータを元の状態に戻す「リカバリ」が目的である。システム障害が発生した際に、どれだけ早くデータを復元し、事業を再開できるかを示す指標をRTO(目標復旧時間)といい、どの時点のデータまで復旧できるかを示す指標をRPO(目標復旧時点)という。選ぶBaaSは、企業のRTOとRPOの要件を満たすリカバリ性能を持っている必要がある。また、サーバー全体を復元するだけでなく、特定のファイルやアプリケーション、データベースの一部だけをピンポイントで復元できる「粒度」の細かさも、日々の運用においては非常に役立つ機能となる。

四つ目は「セキュリティ機能」の充実度だ。バックアップデータは企業の機密情報そのものであり、そのセキュリティは極めて重要だ。データが転送中や保管中に暗号化されているか、不正なアクセスを防ぐための認証・認可の仕組みが備わっているか、多要素認証に対応しているかなどを確認する必要がある。また、ランサムウェアのような攻撃からバックアップデータを保護するために、一度書き込んだデータを変更・削除できないようにする「イミュータブルストレージ」や、バックアップデータの世代管理機能など、より高度なセキュリティ対策が提供されているかどうかも重要な選定ポイントとなる。

五つ目は「コスト」だ。BaaSの料金体系は、バックアップするデータ容量、転送量、利用する機能、ストレージの種類などによって異なる。初期費用、月額費用、そしてデータ復旧時の費用など、トータルでかかるコスト(TCO: Total Cost of Ownership)を把握し、自社の予算に合致するかを検討する必要がある。単に料金が安いだけでなく、将来的なデータ増加を見越したスケーラビリティと、それに伴うコスト変動も考慮に入れるべきだ。

六つ目は「管理・運用性」である。BaaSは運用負荷の軽減が大きなメリットだが、その管理コンソールが直感的で使いやすいか、バックアップ状況の監視機能やレポート機能が充実しているかなどは、日々の運用効率に直結する。複雑な操作が必要だったり、現状把握がしにくかったりするサービスでは、かえって運用担当者の負担が増えてしまう可能性がある。自動化機能やAPI連携の有無なども、運用の効率化を考える上で重要な要素となる。

七つ目は「サポート体制」だ。ITシステムにトラブルはつきものであり、特にバックアップや復元といったクリティカルな局面では、ベンダーからの迅速かつ的確なサポートが不可欠となる。24時間365日のサポートが提供されているか、日本語によるサポートが受けられるか、サポートの品質や対応スピードはどうかなど、事前に確認しておくことが望ましい。万が一の事態に備え、信頼できるサポート体制を持つBaaSを選ぶことが、企業の安心につながる。

これらの評価基準を総合的に比較検討することで、自社のニーズに最も合致したBaaSを見つけることができる。BaaSの導入は、単なるデータの保存ではなく、企業のデータ保護戦略全体を強化し、事業継続性を高めるための重要な投資である。システムエンジニアを目指す皆さんにとって、これらの知識は、将来のキャリアにおいて必ず役立つはずだ。

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