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【ITニュース解説】CISOの41%にパブリック生成AIプラットフォーム/ツールへの懸念──プルーフポイントが調査

2025年09月12日に「CodeZine」が公開したITニュース「CISOの41%にパブリック生成AIプラットフォーム/ツールへの懸念──プルーフポイントが調査」について初心者にもわかりやすく解説しています。

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ITニュース概要

プルーフポイントの調査で、情報セキュリティ責任者(CISO)の41%が、一般公開されている生成AIツールの利用に懸念を抱いていることがわかった。セキュリティの最前線に立つCISOが、変化する脅威環境への対応状況を示すレポートが発表された。

ITニュース解説

このニュース記事は、サイバーセキュリティの現状と未来、特に企業のセキュリティ責任者がどのような課題に直面しているかを示す重要な調査結果について報じている。日本プルーフポイントというサイバーセキュリティ企業が、世界16か国の情報セキュリティ最高責任者(CISO)1600名を対象に行った「2025 Voice of the CISO (CISO意識調査レポート)」の日本語版が発表されたことが中心的な内容だ。

まず、CISOとはChief Information Security Officerの略で、企業や組織の情報セキュリティ全体を統括する最高責任者のことである。彼らの役割は、情報漏洩やサイバー攻撃から会社を守ることであり、日々、進化するサイバー脅威と戦い、適切なセキュリティ戦略を立て、実行するという重責を担っている。システムエンジニアを目指す皆さんにとって、企業のITシステムやデータを守る最前線にいるのがCISOだと考えると良いだろう。

今回の調査で特に注目すべきは、CISOの41%が「パブリック生成AIプラットフォーム/ツール」に対して懸念を抱いている点だ。パブリック生成AIツールとは、ChatGPTやGoogle Bard(現Gemini)のように、インターネットを通じて誰でも利用できるAIサービスのことである。AI技術は目覚ましい進歩を遂げ、様々な分野で活用が進んでいるが、その一方でセキュリティ上の新たなリスクも生み出していることをCISOたちは強く認識している。

CISOがこれらのAIツールに懸念を抱く主な理由はいくつか考えられる。一つは、機密情報の漏洩リスクだ。従業員が業務でこれらのAIツールを使用する際、誤って企業の機密情報や個人情報、開発中のプロジェクト情報などを入力してしまう可能性がある。一度AIツールに入力されたデータがどのように扱われるか、外部に流出するリスクはないかといった点が不透明なため、CISOたちは大きな不安を感じている。また、入力されたデータがAIの学習データとして使われることで、意図せず他者に情報が提供されてしまう可能性も懸念材料となる。 もう一つは、生成AIが悪意のある目的で利用されるリスクである。例えば、フィッシング詐欺メールの作成がより巧妙化・効率化されたり、偽情報の拡散、さらにはマルウェア(悪意のあるソフトウェア)のコード生成など、サイバー攻撃の手法が高度化する可能性をCISOたちは危惧している。これらの悪用は、既存のセキュリティ対策では検知しにくい新たな脅威となる可能性があるため、CISOは対応に頭を悩ませているのだ。

この調査は、生成AIへの懸念だけでなく、CISOが直面する他の主要な課題も明らかにしている。ランサムウェア攻撃は依然として企業の最大の脅威の一つであり、システムやデータを暗号化し、その解除と引き換えに身代金を要求する手口は、多くの企業で被害をもたらし続けている。サプライチェーン攻撃も深刻な問題だ。これは、自社だけでなく、取引先や協力企業のセキュリティの脆弱性を突いて攻撃を仕掛ける手法であり、自社だけが強固なセキュリティを持っていても完全に安全とは限らないことを示している。また、最も古典的でありながら未だに多くの企業で被害が発生している脅威がフィッシング詐欺だ。これは、偽のメールやウェブサイトを使ってユーザーを騙し、IDやパスワードなどの機密情報を盗み出す手口であり、従業員に対する継続的なセキュリティ教育の重要性が改めて浮き彫りになる。

CISOたちはこれらの多様な脅威に対し、どのように対応しようとしているのだろうか。レポートによると、彼らの優先事項としては、セキュリティへの投資の継続や拡大、従業員へのセキュリティ意識向上トレーニングの強化、そしてリスク管理体制の強化が挙げられる。特に、セキュリティ人材の不足は多くの企業で共通の課題となっており、これに対応するためには、システムの自動化や外部の専門家との連携も重要な戦略となっている。

システムエンジニアを目指す皆さんにとって、このニュースは将来のキャリアを考える上で非常に重要な示唆を与えている。AI技術が社会に普及するにつれて、そのセキュリティリスクへの対応は避けて通れない課題となる。単に最新のシステムを開発するだけでなく、そのシステムが安全であるか、情報漏洩のリスクはないか、悪用されないかといったセキュリティの視点を持つことが、これからのシステムエンジニアには不可欠となるだろう。AI技術を安全に利用するためのガイドライン策定や、AI自身を悪用から守るための技術開発など、セキュリティとAIの両方に精通した人材の需要は今後ますます高まることが予想される。

また、CISOが直面するランサムウェア対策、サプライチェーンセキュリティ、フィッシング対策といった分野は、すべてシステムエンジニアの技術力が求められる領域だ。セキュリティ診断ツールの導入、ネットワークセキュリティの構築、エンドポイントセキュリティの強化、そして何よりも従業員のセキュリティ意識を高めるためのシステムや教育プログラムの構築など、多岐にわたるセキュリティ対策は、システムエンジニアの活躍の場となる。

今回の調査結果は、企業がデジタル化を進める上で、セキュリティがいかに重要な経営課題であるかを明確に示している。CISOたちは、技術的な脅威だけでなく、人的なミスや組織的な脆弱性にも対応しながら、複雑な脅威環境の中で企業を守るために日々奮闘している。システムエンジニアを目指す皆さんは、単に最新技術を追いかけるだけでなく、その技術がもたらすリスクを理解し、安全なシステムを設計・構築・運用する能力を身につけることが、これからのIT社会で成功するための鍵となるだろう。セキュリティの知識とスキルは、どのようなIT分野に進むにしても、強力な武器となるはずである。

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