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【ITニュース解説】物理キーボード搭載スマホ「Blackberry」を魔改造してRaspberry Pi CM5を詰め込んだ携帯Linuxマシンに作り替えるプロジェクト「HackberryPi_CM5」

2025年09月12日に「GIGAZINE」が公開したITニュース「物理キーボード搭載スマホ「Blackberry」を魔改造してRaspberry Pi CM5を詰め込んだ携帯Linuxマシンに作り替えるプロジェクト「HackberryPi_CM5」」について初心者にもわかりやすく解説しています。

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ITニュース概要

古いBlackberryの物理キーボードを活用し、小型PCであるRaspberry Pi CM5を搭載。独自ボディで持ち運べるLinuxマシンを作るプロジェクト「HackberryPi_CM5」がGitHubで公開された。

ITニュース解説

「HackberryPi_CM5」は、かつて一世を風靡した物理キーボード搭載スマートフォン「Blackberry」の特長的なキーボード部分を再利用し、最新の超小型コンピューター「Raspberry Pi Compute Module 5 (CM5)」を組み合わせることで、全く新しい携帯型Linuxマシンを作り出すという、非常に意欲的なプロジェクトだ。これは、単に古いデバイスを改造するだけでなく、ハードウェアとソフトウェアの両面から深い知識と技術が求められる、システムエンジニアを目指す初心者にとって多くの学びがあるテーマを含んでいる。

まず、プロジェクトのベースとなるBlackberryについて解説しよう。Blackberryは、2000年代から2010年代にかけて特にビジネスパーソンに愛用されたスマートフォンだ。その最大の特長は、精密に設計された物理キーボードにある。タッチスクリーンが主流となる現代においても、確実な打鍵感と高速な文字入力を求めるユーザーから根強い支持を得ていた。このプロジェクトでは、その優れたキーボードを古いスマートフォンから取り出し、新しいデバイスの入力装置として活用する。これは、既存の優れた部品を現在の技術と融合させる「流用」の好例であり、エコフレンドリーな側面も持ち合わせている。

次に、この携帯型マシンの「脳」となるRaspberry Pi Compute Module 5、通称CM5について説明する。Raspberry Pi(ラズベリーパイ)は、クレジットカードほどの小さな基板にCPU、メモリ、各種インターフェースが搭載された超小型コンピューターで、教育用ツールとして開発された経緯がある。安価でありながら十分な処理能力を持つため、プログラミング学習からスマートホームデバイスの制御、さらにはロボットの頭脳としてまで、幅広いDIYプロジェクトで利用されている。CM5は、このRaspberry Piのファミリーの一つだが、特に組み込みシステムへの利用を強く意識して設計されたモジュールだ。一般的なRaspberry Piボードが持つUSBポートやHDMIポートといった汎用的なインターフェースは直接備わっておらず、より小型で特定の用途に特化した形で提供される。高性能なプロセッサを搭載しつつ、サイズが小さいため、Blackberryのキーボードと一体化させる携帯型デバイスのように、スペースが限られた環境での利用に適している。

そして、この携帯型マシンが動くための「OS(オペレーティングシステム)」はLinuxだ。Linuxは、WindowsやmacOSといった一般的なOSと並び、世界中で広く使われているオペレーティングシステムの一つだが、その特性から特にサーバーや組み込みシステム、スーパーコンピューターといった分野で絶大な存在感を発揮している。オープンソースソフトウェアとして開発されているため、そのソースコードは誰でも自由に閲覧、改変、配布が可能だ。これにより、非常に多くの開発者コミュニティによって支えられ、多様なハードウェアに対応し、高度なカスタマイズが可能となっている。システムエンジニアにとって、Linuxの知識はサーバー管理やインフラ構築、そして組み込みシステム開発において必須とも言えるスキルであり、このプロジェクトを通じてその基礎を実践的に学ぶことは、将来のキャリア形成において非常に価値のある経験となるだろう。

「HackberryPi_CM5」プロジェクトでは、BlackberryのキーボードとCM5を組み合わせるために、既存の筐体を使うのではなく「独自設計のボディ」を作成する。これは、CM5やディスプレイ、バッテリーといった新しい部品群を効率的に収め、かつBlackberryのキーボードと機能的に一体化させるために必要となる工程だ。3Dプリンターなどの技術を活用して、カスタムメイドの外装部品が設計・製造されることが多く、これはハードウェア設計の基礎やメカニカルな思考力を養う上でも重要な側面を持つ。古い製品から使える部品だけを取り出し、新しい発想で生まれ変わらせる行為は、まさに「魔改造」と呼ぶにふさわしい、創造性と技術的な挑戦に満ちている。

このプロジェクトがGitHubで公開されている点も注目に値する。GitHubは、ソフトウェア開発におけるソースコードの管理や共有を目的としたWebサービスだ。世界中の開発者が自分のコードを公開したり、他人のコードを参考にしたり、共同でプロジェクトを進めたりする場所として広く利用されている。オープンソースソフトウェアの世界において、GitHubは中心的な役割を担っており、「HackberryPi_CM5」もここに公開されることで、その設計図やプログラムが誰でも自由に閲覧でき、さらに改善提案や機能追加といった形でプロジェクトに貢献することも可能になる。これは、技術を共有し、協力してより良いものを作り上げていく「オープンソースの精神」そのものを示している。

システムエンジニアを目指す初心者にとって、「HackberryPi_CM5」のようなプロジェクトは、理論的な知識だけでなく、実践的なスキルを身につけるための絶好の機会を提供する。具体的には、ハードウェアとソフトウェアがどのように連携して一つのシステムを構築するのかを肌で感じることができる。CM5にLinuxをインストールし、Blackberryのキーボードを認識させるためのデバイスドライバを開発し、ディスプレイとの連携を図る過程は、組み込みシステム開発やデバイスドライバの基礎、そしてLinuxシステムの深い理解につながる。また、プロジェクトで生じる様々な技術的課題を解決していく過程で、問題解決能力や論理的思考力も大きく向上するだろう。既存の技術を新しいアイデアで生まれ変わらせる創造性、技術的な課題を解決していく探求心、そしてその成果をコミュニティに公開して共有するオープンソースの精神は、未来のシステムエンジニアにとって非常に重要なスキルとマインドセットとなる。

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