Webエンジニア向けプログラミング解説動画をYouTubeで配信中!
▶ チャンネル登録はこちら

【ITニュース解説】👩‍🔧 How to Check License Compatibility

2025年09月14日に「Dev.to」が公開したITニュース「👩‍🔧 How to Check License Compatibility」について初心者にもわかりやすく解説しています。

作成日: 更新日:

ITニュース概要

オープンソースプロジェクトで利用するライブラリのライセンス互換性チェックは重要だ。Apache SkyWalking Eyesを使えば、プロジェクトのライセンスと依存ライブラリの互換性をGitHub Actionsで自動確認できる。ライセンス問題を早期発見し、法的なリスクを回避する。

ITニュース解説

ソフトウェア開発の現場では、自分の手で書いたコードだけでなく、他の開発者が作った便利な機能やライブラリを「依存関係」としてプロジェクトに取り入れて利用するのが一般的である。これらの依存関係は「オープンソース」として公開されていることが多く、それぞれに利用条件、つまり「ライセンス」が定められている。プロジェクト全体のライセンスと、個々の依存関係のライセンスが互いに矛盾せず、適切に利用できるかを確認することが、法的なトラブルを避ける上で非常に重要となる。これを「ライセンス互換性」のチェックと呼ぶ。

ライセンス互換性の判断は複雑な場合があるが、Apache Software Foundation(ASF)は多くのオープンソースライセンスについて互換性の指針を提供している。ASFの分類では、ライセンスは大きく二つのカテゴリに分けられる。一つは「Category A」と呼ばれるライセンス群で、これらは一般的に互いに互換性があり、ASFのプロジェクトとも問題なく組み合わせられる。MITライセンスやApacheライセンスがこれに該当する。もう一つは「Category B」と呼ばれるライセンス群で、Category Aよりは少し制約があるものの、互いに互換性があり、特定の条件下ではASFのプロジェクトとも互換性を持つ。この「特定の条件」とは、依存関係が「バイナリコード」としてプロジェクトに含まれる場合を指すことが多い。バイナリコードとは、人間が理解できるソースコードがコンピューターが実行できる形式に変換されたもののことで、Rubyライセンスのように、外部ライブラリとして提供される際にバイナリとして利用されることが多いライセンスがこれに該当する。これらのカテゴリに属さないライセンスについては、個別に互換性を確認する必要がある。

このような複雑なライセンス互換性のチェックを、手作業で行うのは非常に手間がかかり、ミスも発生しやすい。そこで、「Apache SkyWalking Eyes」というツールが登場する。このツールは、プロジェクトの依存関係を自動的に解析し、それぞれのライセンスがプロジェクト自身のライセンスと互換性があるかをチェックしてくれる。これにより、開発者はライセンスに関する潜在的な問題を早期に発見し、対処することが可能になる。

Apache SkyWalking Eyesを利用するには、主に二つの設定ファイルを用意する必要がある。一つはプロジェクトのライセンス情報を定義する.licenserc.yamlファイルである。このファイルには、プロジェクト自身のライセンスをSPDX IDという国際的な識別子で指定する。例えば、spdx-id: MITと記述すれば、プロジェクトがMITライセンスであることを示す。SPDX IDは、Open Source Initiativeによって管理されており、特定のライセンスを簡潔かつ明確に識別するために用いられる。さらに、このファイルでは、どのファイルを見て依存関係のライセンスをチェックするかを指定する。例えば、RubyプロジェクトであればGemfile.lock、JavaのMavenプロジェクトであればpom.xml、JavaScriptのnpmプロジェクトであればpackage.jsonなど、使用しているプログラミング言語やパッケージ管理ツールに応じたファイルを指定する。

もう一つの設定ファイルは、ライセンスチェックの自動化を行うための.github/workflows/license-eye.ymlファイルである。これはGitHub Actionsという、GitHub上でコードの変更があった際に特定の処理を自動的に実行する機能の設定ファイルである。このファイルによって、例えばコードがGitHubにプッシュされた時や、他の開発者が新しい機能を追加するためのプルリクエストを作成した時に、自動的にApache SkyWalking Eyesが起動し、ライセンス互換性チェックを実行するように設定できる。このワークフローの設定では、apache/skywalking-eyes/dependency@mainというアクションを使って、ライセンスチェックツールを実行する。この際、.licenserc.yamlファイルを読み込むように指定する他、flags: --weak-compatibleというオプションを付加することがある。このオプションは、Rubyの依存関係のように、多くの場合バイナリコードとしてプロジェクトに含める場合に、Category BのライセンスがCategory Aのライセンスと互換性があるとみなすための設定である。これにより、一般的な利用形態に合わせて柔軟な互換性チェックが可能となる。

これらの設定が完了し、ライセンスチェックが自動実行されると、その結果はGitHubのワークフロー実行履歴として確認できる。もし互換性のないライセンスが見つかった場合、ワークフローは失敗し、開発者に問題が通知される。例えば、ライセンスが全く宣言されていない依存関係が発見された場合も、同様にエラーとして報告されるため、プロジェクトの潜在的なリスクを排除できる。また、もし依存関係のライセンスが将来的に変更され、それがプロジェクトと互換性のないものになった場合でも、この自動チェックによって早期に問題が検知され、対応策を講じることが可能になる。プロジェクトがライセンス上の問題を抱えていないことを示すために、GitHubのREADME.mdファイルに「ライセンス互換性チェック済み」を示すバッジを追加することも推奨されている。これにより、プロジェクトの透明性と信頼性が向上し、他の開発者やユーザーが安心してプロジェクトを利用できる環境が提供される。

このように、ライセンス互換性チェックは、現代のオープンソースソフトウェア開発において非常に重要なプロセスである。Apache SkyWalking EyesのようなツールとGitHub Actionsを組み合わせることで、この複雑な作業を効率的かつ自動的に行い、プロジェクトの法的なリスクを低減し、健全性と信頼性を高めることができる。これは、開発者が安心してコードを書き、ユーザーが安全にソフトウェアを利用するための基盤となる。

文字数: 1989文字

関連コンテンツ

関連IT用語