【ITニュース解説】Exploring JavaScript's Document Object Model (DOM).

2025年09月10日に「Dev.to」が公開したITニュース「Exploring JavaScript's Document Object Model (DOM).」について初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

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ITニュース概要

JavaScriptのDOMは、HTML文書をプログラムから操作するための仕組み。ブラウザが作るこの構造を通じ、IDやクラス名を手がかりにHTML要素を選択し、Webページを動的に変更できる。Web開発の基礎技術だ。

ITニュース解説

Webページがユーザーの操作に応じて内容を変えたり、アニメーションしたりする動的な振る舞いを見せるのは、JavaScriptが深く関わっているからである。そのJavaScriptがWebページと対話するための中心的な仕組みが、DOM(Document Object Model)と呼ばれるものである。DOMとは、ブラウザがHTML文書を読み込んだ際に、メモリ上に作成するデータ構造のことである。HTMLタグ、属性、テキストといった全ての要素が、親子関係を持つツリーのような形で表現される。このメモリ上のツリー構造があるおかげで、JavaScriptは文書の構造を理解し、特定の要素にアクセスできる。つまり、DOMはHTML文書そのものではなく、ブラウザが解釈してプログラムから操作できるようにした、HTMLのメモリ上の表現と考えることができる。

このDOMというデータ構造を実際に操作するための道具として、ブラウザはDOM API(Application Programming Interface)を提供している。DOMがメモリ上の静的な構造であるのに対し、DOM APIはJavaScriptのようなプログラミング言語からその構造にアクセスし、変更を加えるための命令セットである。例えば、特定のボタンを探し出したり、テキストを書き換えたり、新しい画像を追加したりといった操作は、すべてこのDOM APIを通じて行われる。DOM APIは、windowdocumentといったグローバルなオブジェクトや、HTMLの各要素オブジェクトから利用することができ、Web開発における基本的なツールセットとなる。

動的なWebページを作成するための第一歩は、操作したいHTML要素をDOMツリーの中から正確に特定し、選択することである。そのためのメソッドはいくつか存在する。最も基本的で古くから使われているのが、id属性を指定して要素を取得するdocument.getElementById()メソッドである。HTMLのルール上、id属性は一つのページ内で一意でなければならないため、このメソッドは常に単一の要素を返すか、該当するidが存在しない場合はnullを返す。特定のヘッダーや主要なコンテナなど、ページ内で一つしか存在しない要素を確実に選択する場合に非常に有効である。

次に、同じ種類やグループの要素をまとめて取得したい場合には、class属性を利用するdocument.getElementsByClassName()メソッドが用いられる。このメソッドは、指定されたクラス名を持つ全ての要素をHTMLCollectionという配列に似た形式で返す。このHTMLCollectionの大きな特徴は「ライブコレクション」である点だ。これは、JavaScriptで後から同じクラス名を持つ新しい要素を追加した場合、HTMLCollectionの内容が自動的に更新されることを意味する。ただし、このコレクションは完全な配列ではないため、forEachのような便利な配列メソッドを直接使用することはできない。そのような場合はArray.from()を使って本物の配列に変換する必要がある。

フォーム要素の操作では、name属性を使って要素を取得するdocument.getElementsByName()が役立つ。特に、複数の選択肢から一つを選ぶラジオボタンのように、同じname属性でグループ化された要素群を一度に取得する際に便利である。このメソッドはNodeListという形式で要素のコレクションを返す。idとは異なり、name属性はページ内で重複して使用されることが一般的であるため、戻り値は常にコレクションとなる。

そして、現在最も強力で柔軟な選択方法とされるのが、CSSセレクタを引数として要素を取得するdocument.querySelector()メソッドである。CSSでスタイルを適用する際に使うセレクタ(例: #main-title, .card, input[type="submit"])をそのまま使用できるため、非常に直感的で多様な要素選択が可能である。ID、クラス、タグ名、属性など、複雑な条件を組み合わせて要素を特定できる。ただし、重要な点として、querySelector()は指定したセレクタに一致する最初の要素「一つだけ」を返す。もし該当する要素が複数存在しても、最初に見つかったものしか返さない。もし一致する全ての要素が必要な場合は、document.querySelectorAll()という別のメソッドを使用する。

これらの要素選択の技術は、JavaScriptを用いたWeb開発の根幹をなすものである。目的の要素を正確にDOMから取得することができて初めて、テキスト内容の変更、スタイルの動的な適用、ユーザーのクリックイベントへの応答といった、より高度な操作へと進むことができる。ここで解説したDOMの基本概念と要素選択の方法を理解することは、JavaScriptを直接扱う場合だけでなく、ReactやVueといったモダンなフレームワークの内部的な動作を理解する上でも不可欠な知識となる。この基礎を固めることが、インタラクティブなWebアプリケーションを構築するための確かな一歩となるだろう。