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【ITニュース解説】LP Automation Tools Compared: VFat, Krystal, and MaxFi

2026年09月12日に「Dev.to」が公開したITニュース「LP Automation Tools Compared: VFat, Krystal, and MaxFi」について初心者にもわかりやすく解説しています。

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ITニュース概要

VFat、Krystal、MaxFiは集中流動性自動管理ツールだ。VFat・Krystalはスワップで手数料が発生し、価格下落時に資本を保護する。MaxFiはゼロスワップで手数料を抑えるが、価格が一方的に下落し続けると全損リスクがあるため、市場予測と計画的な利用が求められる。

ITニュース解説

分散型金融(DeFi)の分野では、ユーザーが自身の暗号資産を預け入れ、取引の流動性を提供する「流動性提供(LP)」が一般的な収益獲得手段となっている。中でも「集中流動性(Concentrated Liquidity)」という形式は、特定の価格帯に流動性を集中させることで、より効率的に手数料収入を得られるが、その価格帯から資産の価格が外れてしまうと、手数料収入が停止したり、預けた資産の価値が変動して損失(インパーマネントロス)が発生したりするリスクが高まる。インパーマネントロスとは、価格が変動することで、最初に預けた時点よりも資産価値が減少する可能性を指す一時的な損失であり、価格が元の水準に戻れば解消されることもある。

このような集中流動性ポジションを効率的に管理し、常に最適な価格帯(「レンジ」と呼ぶ)に保つために、「LP自動化ツール」が開発されている。現在注目されている代表的なツールは、VFat、Krystal、そしてMaxFiの三つだ。これらは全て、ユーザーのLPレンジを「インザマネー」、つまり収益を上げやすい状態に維持することを目指しているが、そのリバランス(再調整)の方法が大きく異なり、この違いが市場の変動時にユーザーの利益を左右する決定的な要因となる。

VFatは、イールドアグリゲーターとして機能し、集中流動性ポジションの管理も行う。独自のSickleコントラクトを使用し、ユーザー自身が資産を管理する「自己管理型」である。リバランスごとに少額のプラットフォーム手数料とスワップコストが発生する。Krystalは、マルチチェーンに対応した流動性ファーミングエージェントで、多くの分散型取引所(DEX)をサポートし、AIを活用した監視機能を持つ。様々なアクションごとに手数料が発生し、LP収益に対する自動複利や自動収穫にも費用がかかる。MaxFiは比較的新しいツールで、Robinhood Chain、Base、Arbitrumといったチェーンで利用でき、トークン化された米国株も対象とする。このツールは特に「ゼロスワップ」という独自のリバランスロジックを採用しているのが特徴だ。LP収益に対してのみ15%のパフォーマンスフィーがかかり、リバランス遅延時間をユーザーが設定できるなど、柔軟な設定が可能である。

これらのツールの最も重要な違いは、レンジから価格が外れた際のリバランス方法にある。VFatとKrystalは「クラシックなスワップベースのリバランス」を用いる。これは、ポジションがレンジを外れると、保有するトークンの一部を売却し、別のトークンを買い戻すことで、新しいレンジ内にポジションを戻す方式だ。このスワップは、価格が極端に変動した直後に行われることが多く、三つのコストが発生する。一つはDEXのスワップ手数料(0.01~1%)、二つ目は取引時の「スリッページ」(価格変動によって希望価格と実際の約定価格にずれが生じること、0.5~5%)、三つ目は「MEV/サンドイッチ攻撃」(悪意のある第三者がユーザーの取引の前後に追加取引を挿入し、利益を搾取する行為、0.2~1%)のリスクだ。さらに、このスワップによってインパーマネントロスが確定してしまうため、もし価格がすぐに反転しても、一度確定した損失は戻らない。

一方、MaxFiが採用する「ゼロスワップリバランス」は根本的に異なるアプローチをとる。ポジションがレンジを外れても、トークンのスワップは一切行わない。代わりに、ユーザーが既に保有しているトークンのみを使って、現在の価格に接するようにレンジ自体を再配置する。これにより、スワップ手数料、スリッページ、MEVのリスクが完全に排除される。また、インパーマネントロスも即座に確定せず、価格が元のレンジに戻れば、分散型取引所(AMM)が自動的にポジションを再調整してくれるため、損失が回復する可能性がある。この仕組みは、価格が一時的に変動して元に戻る「ミーンリバート(平均回帰)」型の市場では非常に強力な利点となる。価格が急騰または急落した後、レンジが再設定され、価格が戻る過程で手数料を稼ぎ続けることができるからだ。

しかし、このゼロスワップリバランスには、誰もが語らない「テールリスク」が存在する。ミーンリバート市場では理想的だが、価格が一方的に下落し続けるような市場(持続的な下降トレンド)では、その強みが弱点に転じる。スワップベースのツール(VFatやKrystal)であれば、価格の下落に応じてETHなどの変動資産をUSDCなどのステーブルコインにスワップすることで、資本の一部を保護できる。多少の損失は発生するものの、資産の下落をヘッジする効果がある。しかし、MaxFiのようなゼロスワップツールの場合、価格がレンジを通り過ぎて下落し続けても、スワップが行われないため、ポジションは100%ETHのままとなる。レンジは新しい低い価格に再設定されるだけで、ユーザーは価値が下がり続けるトークンに乗り続けることになる。例えば50%の価格下落があった場合、スワップベースのツールでは途中で資産が部分的に安定資産に変換されるが、MaxFiでは全額が下落の影響を受ける。さらに、価格がレンジを下回ったままになると、ポジションが100%ETHとなり、手数料を一切稼げない「デッドタイム」が発生する。手数料を再び稼ぎ始めるのは、価格が反転してレンジ内に戻った時だけだ。

機能面では、VFatとMaxFiは個々のポジションごとに設定を行う必要がある。一方、Krystalは「Vault」という仕組みがあり、複数のLP戦略やポジションを一つのスマートコントラクトで一括管理し、自動化できる。これは多くのポジションを運用する際に大きな利点となる。既存のポジションへの資金追加については、KrystalとVFatは可能だが、MaxFiは新しいポジションを開く必要がある。UIの面では、VFatは集中流動性管理に特化しているため、インターフェースがシンプルで分かりやすい。KrystalはサポートするチェーンやDEXが非常に多いため、UIは多機能で情報量が多い。MaxFiはその中間で、特定のプールに焦点を当てたクリーンなレイアウトを持つ。

手数料構造もリバランス方法によって大きく異なる。VFatとKrystalは、リバランス、自動複利、自動収穫といった各アクションごとに手数料が発生する。これに加えてスワップ手数料やスリッページなどの市場コストがかかるため、頻繁なリバランスはコストがかさむ。MaxFiは、リバランス自体に手数料がかからず、スワップも発生しないため、スリッページやMEVのリスクもゼロだ。その代わり、LP収益に対して15%のパフォーマンスフィーを徴収するのみである。この構造的な違いにより、MaxFiはコスト面で有利になる可能性がある。例えば、1万ドルのETH/USDCポジションで価格が50%変動し、3回のリバランスが発生するシナリオを考えると、VFatやKrystalではリバランス手数料、スワップ手数料、DEXプール手数料、スリッページ、MEVリスクなどを含め、通常時には125ドルから395ドル程度の費用が発生し得る。これに対し、MaxFiでは構造的な費用はゼロで、発生するのは最終的なLP収益に対する15%のパフォーマンスフィーのみとなる。

これらの特性を踏まえると、ツールの選び方は市場の期待、ポートフォリオ規模、そしてオンラインでポジションを監視できる時間によって変わる。価格が一定の範囲内で推移したり、一時的な変動からすぐに回復する「レンジ相場」や「ミーンリバート市場」を予測するなら、MaxFiがコスト効率の面で最も優れている。スワップコストやインパーマネントロスの確定リスクなしに手数料を稼ぎ続けられるからだ。一方、価格が一方的に上昇するトレンドでは、VFatやKrystalが段階的に利益を確定できる。下降トレンドでは、VFatやKrystalはETHをUSDCに変換することで、資本保護の面で優位性がある。MaxFiは下降トレンドに非常に弱く、ポジションが100%ETHのまま下落の全ての影響を受けるため、外部でのストップロス(損切り)計画が必須となる。

また、MaxFiを利用する際には、ポジション自体に自動的な損切り機能がないことを認識しておく必要がある。もし価格が設定した水準まで下落したらポジションを自動的に閉じる、といった機能は提供されていないため、ユーザー自身が外部のツールや取引所と連携してストップロスを設定するか、手動でポジションを閉じる準備をしておくべきだ。リバランス遅延設定を適切に活用することで、短期的な価格変動による無駄なリバランスを避け、安定した運用を目指すことができる。

結論として、VFatは比較的安価なリバランス手数料だが、スワップコストとインパーマネントロス確定の代償を伴う。Krystalは多機能でマルチチェーン対応が進んでおり、多くのポジションを一括管理したい場合に適しているが、手数料体系は複雑だ。MaxFiはリバランス時の構造的コストがゼロで、ミーンリバート市場で非常に高いパフォーマンスを発揮する可能性があるが、一方的な下降トレンドに対するリスク管理はユーザー自身に委ねられている。自身の投資戦略、市場予測、リスク許容度に応じて、最適なLP自動化ツールを選択することが重要である。

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