【ITニュース解説】3 MCP servers I actually use daily (and how to set them up)
2026年10月08日に「Dev.to」が公開したITニュース「3 MCP servers I actually use daily (and how to set them up)」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
AIアシスタントClaude Desktopで使う3つのMCPサーバーを紹介。Filesystemでコード読み込み、GitHubでPRや課題確認、PostgreSQLでDB操作が可能に。AIがファイル・リポジトリ・DBへ直接アクセスし、開発者の作業を効率化する具体的な利用法や設定方法を解説する。
ITニュース解説
AI技術の進化は目覚ましく、システムエンジニアの業務におけるAI活用は重要な課題だ。今回紹介するMCP(Model Context Protocol)サーバーは、AI、具体的にはClaudeのような大規模言語モデルが、より深く、広範な情報にアクセスし、私たちの作業をサポートするための画期的な仕組みである。
MCPサーバーとは、AIと外部の情報源とをつなぐ「橋渡し役」のようなソフトウェア機能だ。AIは通常、学習データに基づいて応答するが、最新のプロジェクトファイルや社内データベース、GitHubのリポジトリといった外部のリアルタイムな情報には直接アクセスできない。MCPサーバーはこの隔たりを埋め、AIに特定情報源へのアクセス許可と、情報取得・操作能力を与える。これにより、AIは単なるチャットボットではなく、より実用的なアシスタントへ変貌する。この記事で紹介されるのは、Claude Desktopという、AIをローカル環境で動かすシステムと連携するMCPサーバーの事例だ。
まず一つ目は「Filesystem」サーバーである。これはAIが開発者のローカルコンピューター上にあるファイルシステム、つまりプロジェクトのコードファイルやドキュメントなどを直接読み込めるようにする機能を提供する。普段、開発者がAIにコードの解説を求めたり、特定のモジュールの動作原理を説明させたい場合、これまではコードをコピー&ペーストしてAIに与える必要があった。しかしFilesystemサーバーがあれば、AIは指定されたディレクトリ内のファイルを直接参照できるため、この手間が一切不要になる。「認証モジュールを読んで、トークン検証がどのように機能するか説明してほしい」といった指示をAIに与えるだけで、AIは関連するコードを自ら読み解き、的確な解説を返してくれる。これにより、開発作業の効率が格段に向上する。ただし、設定によってはAIがローカルディスク全体を読み取れる可能性もあるため、アクセス範囲は最小限に限定するなど、パスの指定には注意が必要だ。
二つ目は「GitHub」サーバーだ。現代のソフトウェア開発において、GitHubはコード管理と共同作業のプラットフォームとして不可欠な存在である。このGitHubサーバーは、AIがGitHub上のIssue(課題)、Pull Request(変更提案)、そしてリポジトリ全体の内容を直接参照できるようにする。これにより、AIはコードレビューの強力なアシスタントとして機能する。「直近の3つのPull Requestで何が変更されたか確認し、要約してほしい」といった具体的な指示を与えるだけで、AIはGitHubにアクセスし、関連する変更点を分析し、その要約を提示してくれる。開発者はAIからの迅速なフィードバックや洞察を得ることで、より高品質なコードを効率的に開発できるようになる。過去のIssueの経緯をAIに調査させたり、特定の機能がどのPull Requestで実装されたかを調べさせたりすることも可能になり、プロジェクトの全体像を把握する上でも役立つ。
三つ目は「PostgreSQL」サーバーである。これはAIが直接データベースにアクセスし、必要なデータを取得したり、特定のクエリを実行したりすることを可能にする。開発者がアプリケーションのユーザー動向を分析したり、特定の条件に合致するデータを抽出したい場合、これまではデータベースクライアントツールを起動し、SQLクエリを手動で記述して実行する必要があった。しかしPostgreSQLサーバーを導入すれば、AIとの会話の流れの中で「今週サインアップしたユーザーで、まだログインしていないユーザーを表示してほしい」といった自然言語での要求に対し、AIが適切なSQLクエリを生成・実行し、その結果を直接返してくれるのだ。これにより、データ分析のワークフローが大幅に簡素化され、開発者はより迅速にデータに基づいた意思決定を行えるようになる。データベース構造に詳しくないメンバーでも、AIを通じてデータにアクセスしやすくなるメリットもある。
これらのMCPサーバーを導入する手順は非常にシンプルだ。まず、mcp-hubというコマンドラインツールを使って、必要なサーバーをインストールする。例えばFilesystemサーバーならmcp-hub install @modelcontextprotocol/server-filesystemといったコマンドを実行するだけだ。インストールが完了したら、Claude Desktopの設定ファイルであるclaude_desktop_config.jsonに、そのサーバーが利用可能であることを追記する。最後にClaude Desktopを再起動すれば、AIが新しい機能を使えるようになる。この一連の作業は、それぞれのサーバーにつきわずか数分で完了するとされており、手軽にAIの能力を拡張できる。
これらのMCPサーバーは、AIを単なる情報検索やテキスト生成ツールではなく、日常的な開発業務に深く統合された「共同作業者」へと進化させる。コード理解、レビュー、データ分析といった、システムエンジニアが直面する多くのタスクにおいて、AIが直接情報を参照し、分析、実行する能力を持つことで、生産性は飛躍的に向上する。AIがより多くの文脈(Context)を理解し、その場で適切な情報にアクセスできるようになることは、今後のシステム開発のあり方を大きく変える可能性を秘めている。システムエンジニアを目指す皆さんにとって、このような技術はAIと共に働く未来を体験し、その可能性を引き出す重要な一歩となるだろう。