【ITニュース解説】Next.js Roadmap: Beginner to Advanced

2025年09月04日に「Dev.to」が公開したITニュース「Next.js Roadmap: Beginner to Advanced」について初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

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ITニュース概要

Webアプリ開発フレームワークNext.jsの学習ロードマップを紹介。基本設定からルーティング、データ取得、認証、デプロイ、応用機能まで、初心者が段階的にスキルを習得するための道筋を解説。Reactの基礎知識が前提となる。(115文字)

出典: Next.js Roadmap: Beginner to Advanced | Dev.to公開日:

ITニュース解説

Next.jsは、人気のJavaScriptライブラリであるReactを基盤とした、高機能なWebアプリケーションを効率的に開発するためのフレームワークである。このフレームワークを習得することは、現代的なWeb開発のスキルを身につける上で非常に有益だ。ここでは、初心者がNext.jsを学び始め、最終的に高度な機能を使いこなせるようになるまでの一連の学習ステップを解説する。

まず、Next.jsの学習を始める前に、いくつかの前提知識が必要となる。Webページの構造を定義するHTML、見た目を整えるCSS、そしてWebページに動的な機能を追加するJavaScript、特にES6以降の新しい構文についての理解は必須である。さらに、Next.jsはReactのフレームワークであるため、コンポーネント、props、state、hooksといったReactの基本的な概念をしっかりと押さえておく必要がある。これらの基礎がなければ、Next.jsの強力な機能を十分に理解し、活用することは難しい。

基礎知識の準備ができたら、実際にNext.jsプロジェクトを開始する。npx create-next-appというコマンド一つで、開発に必要なファイルが揃ったプロジェクトの雛形を簡単に作成できる。生成されたファイル構造、特にWebページの元となるファイルが格納されるpagesディレクトリ、画像などの静的ファイルを置くpublicディレクトリ、スタイルシートを管理するstylesディレクトリの役割を理解することが最初のステップとなる。pagesディレクトリ内にファイルを作成すると、そのファイル名が自動的にURLのパスとなり、Webページとしてアクセスできるようになる。この直感的なルーティング(ページ遷移の仕組み)はNext.jsの大きな特徴の一つである。ページ間の移動には、専用のLinkコンポーネントを使用する。

Next.jsを理解する上で最も重要な概念が、レンダリング戦略である。これはWebページをどのように生成し、ユーザーに表示するかという手法のことで、Next.jsは複数の選択肢を提供している。主なものに、静的生成(SSG)、サーバーサイドレンダリング(SSR)、クライアントサイドレンダリング(CSR)がある。SSGは、開発の最終段階(ビルド時)に事前にHTMLファイルを生成しておく方式で、ブログ記事や製品紹介ページなど、内容の更新頻度が低いページに適しており、非常に高速な表示が可能だ。SSRは、ユーザーからリクエストがあるたびにサーバー側でHTMLを生成する方式で、常に最新の情報を表示する必要があるダッシュボードやECサイトの商品一覧ページなどで利用される。CSRは、従来のReactアプリケーションと同様に、ブラウザ側でJavaScriptを実行してページを構築する方法である。これらに加え、SSGの利点を活かしつつ、一定時間ごとにページを再生成して内容を更新できるインクリメンタル静的再生成(ISR)という手法もある。これらの特性を理解し、ページの要件に応じて最適なレンダリング戦略を選択する能力は、Next.jsを使いこなす上で欠かせない。

基本的なルーティングに慣れたら、より複雑なURL構造に対応する方法を学ぶ。例えば、ブログの個別記事ページのように、URLの一部が動的に変わるページを作成するためには「動的ルート」という仕組みを利用する。さらに、ドキュメントサイトのように階層が深くなるURLに対応する「キャッチオールルート」や、プログラムコードの中から特定のページへ遷移させる方法も習得する。Next.js 13以降では、Middlewareという機能を使って、リクエストに対する共通処理を挟み込むなど、より高度なルーティング制御も可能になっている。

Webアプリケーションの見た目を整えるスタイリングには、いくつかの方法がある。コンポーネントごとにスタイルが独立するCSS Modules、ユーティリティクラスを組み合わせて素早くデザインできるTailwind CSS、JavaScriptコード内でCSSを記述するStyled-componentsなどのCSS-in-JSライブラリなど、プロジェクトの特性や好みに合わせて選択できる。

次に重要なのが、外部からデータを取得してページに表示するデータフェッチングである。SSGではgetStaticProps、SSRではgetServerSidePropsという専用の関数を使い、ページの生成時に必要なデータを取得する。また、pages/apiディレクトリ内にファイルを作成することで、アプリケーション自体にAPIエンドポイントを簡単に実装できる。これにより、フロントエンドとバックエンドを一つのプロジェクト内で完結させることも可能だ。ユーザーの操作に応じてブラウザ側でデータを取得する場合には、SWRやReact Queryといったライブラリを使うと、データのキャッシュ管理などが効率的に行える。

多くのWebアプリケーションには、ログイン機能などの認証・認可が不可欠である。NextAuth.jsやClerkといったライブラリを利用することで、複雑な認証機能を比較的容易に実装できる。特定のページへのアクセスをログインユーザーのみに制限したり、セッション情報を安全に管理したりする方法を学ぶことも重要だ。

開発したアプリケーションの品質を保証するためには、テストが欠かせない。Jestを用いた個々の関数の動作を確認するユニットテスト、React Testing Libraryを使ったコンポーネント単位のテスト、そしてCypressやPlaywrightによるユーザーの一連の操作をシミュレートするE2E(End-to-End)テストなど、各層に応じたテスト手法を習得することが求められる。

アプリケーションが完成したら、それを公開するデプロイ作業が必要になる。Next.jsの開発元であるVercelが提供するプラットフォームは、Next.jsプロジェクトのデプロイに最適化されており、簡単な手順で公開できる。この過程で、開発環境と本番環境で設定を切り替えるための環境変数の使い方や、next/imageコンポーネントによる画像最適化、Lighthouseなどのツールを使ったパフォーマンス改善方法についても学ぶ。

これらの基本から応用までを習得した先には、さらに高度な機能が待っている。Next.js 13で導入されたApp Routerは、appディレクトリを基本とした新しいルーティングとレンダリングの仕組みであり、より柔軟なレイアウト構築やサーバーコンポーネントといった新技術を活用できる。その他、多言語対応を実現する国際化(i18n)や、アプリケーション全体に共通する設定を行うための_app.js_document.jsのカスタマイズなど、習得すべきトピックは多岐にわたる。この一連のステップを着実に進めることが、Next.jsを自在に操るエンジニアへの道となる。

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