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【ITニュース解説】Proxmox Test Reference Values

2025年09月24日に「Dev.to」が公開したITニュース「Proxmox Test Reference Values」について初心者にもわかりやすく解説しています。

作成日: 更新日:

ITニュース概要

ProxmoxにおけるHDD, SSD, NVMeストレージの性能を比較した。IOPSや帯域幅、応答速度といった指標がストレージ種別で大幅に異なり、選定の重要な参考になる。Cephクラスタの性能も解説。

出典: Proxmox Test Reference Values | Dev.to公開日:

ITニュース解説

Proxmoxは、サーバー上で複数の仮想マシン(Virtual Machine、VM)やコンテナを効率的に動かすための基盤となるソフトウェアだ。仮想マシンとは、物理的な一台のサーバーの中に、あたかも複数の独立したコンピューターがあるかのように見せる技術である。これにより、異なるOSを動かしたり、複数のアプリケーションを分離して運用したりできる。このProxmox環境で仮想マシンを快適に動作させるには、データを保存するストレージの性能が非常に重要となる。ニュース記事で示されているのは、Proxmoxが内部で利用するストレージシステムであるCeph(セフ)における、ストレージデバイス(Object Storage Device、OSD)の性能を比較したデータだ。

ストレージデバイスは大きく分けて3種類が比較されている。一つ目は「HDD(Hard Disk Drive)」で、これはデータを記録する円盤が回転する昔ながらのストレージだ。大容量で安価だが、物理的な駆動があるため速度は遅い。二つ目は「SSD SATA(Solid State Drive SATA)」で、半導体メモリにデータを記録する。HDDよりはるかに高速だが、データ転送の接続方式にSATA規格を使うため、その速度が上限となる。ここで示されているのは「エンタープライズ」向けで、データセンターなどで使われる高い耐久性と信頼性を持つタイプを指す。三つ目は「NVMe Datacenter(Non-Volatile Memory Express Datacenter)」で、これもSSDの一種だが、PCI Express(PCIe)という高速な接続方式を利用するため、SSD SATAよりもさらに桁違いに高速だ。特に「データセンター」向けは、高い性能と耐久性が求められるプロフェッショナルな環境での利用を想定している。

これらのストレージの性能は、いくつかの指標で測られる。まず「IOPS(Input/Output Operations Per Second)」は、1秒間にどれだけの数の読み書き操作ができるかを示す値だ。特に小さなデータをランダムに読み書きする場合の速度を示すことが多い。HDDは物理的なヘッドの移動が必要なため、IOPSは100〜300と非常に低い。SSD SATAは半導体なので物理的な動きがなく、5万〜10万IOPSとHDDを大きく上回る。NVMeはさらに高速な接続方式のため、50万〜100万IOPSと、SSD SATAのさらに数倍から10倍の性能を発揮する。

次に「Bandwidth(帯域幅)」は、1秒間にどれだけのデータ量を転送できるかを示す値だ。これは大きなデータを連続して読み書きする(シーケンシャルアクセス)場合の速度を示すことが多い。HDDでは、特に小さなデータをランダムに読み書きする際には、わずか2 MB/s程度と非常に遅い。SSD SATAは400〜550 MB/sと、HDDより格段に速くなる。NVMeに至っては2.5〜3.5 GB/sと、SSD SATAのさらに5倍以上の驚異的な速度を誇る。

「Avg Latency(平均レイテンシ)」は、データへの読み書き要求を出してから、実際に処理が完了するまでの平均時間だ。この時間が短いほど、ストレージの応答が速いことを意味する。HDDは5〜10ミリ秒(ms)と比較的長い。SSD SATAは50〜200マイクロ秒(µs)と、ミリ秒の1000分の1であるマイクロ秒単位になり、HDDよりも圧倒的に速い。NVMeはさらに短く、1〜10マイクロ秒(µs)という非常に高速な応答時間を実現する。

「p99 Latency(99パーセンタイルレイテンシ)」は、全リクエストのうち99%がこの時間内に完了するという値だ。平均レイテンシだけでは見逃されがちな、ごく一部の遅いリクエストを除いた、ほとんどのリクエストの応答速度を示すため、より現実的な性能の目安となる。HDDでは20〜50ミリ秒と、平均よりも遅くなる傾向がある。SSD SATAでは1〜5ミリ秒と良好だが、NVMeは50マイクロ秒以下と、非常に安定して高速な応答を期待できる。

「Max Latency(最大レイテンシ)」は、最も時間がかかったリクエストの応答時間だ。これは、ストレージに一時的な大きな負荷がかかった場合など、最悪の応答速度を示すもので、システムの安定性を評価する上で重要となる。HDDでは100ミリ秒を超えることもあり、非常に遅延する可能性がある。SSD SATAでは10〜50ミリ秒、NVMeでは100マイクロ秒以下と、HDDよりも格段に安定している。

「Stabilitas BW(帯域幅の安定性)」は、データ転送速度がどれだけ一定に保たれるかを示す。速度が安定しているほど、予測可能な性能が得られる。HDDは「Sangat fluktuatif(非常に変動しやすい)」とあり、性能が不安定だ。SSD SATAは「±10–20%」の変動があるが、HDDよりは安定している。NVMeは「<±10%」と、非常に高い安定性を持つ。

最後に「CPU Usage(CPU使用率)」は、ストレージの動作がCPUに与える負荷を示す。HDDの場合、「Kecil (IO wait tinggi)」とあるのは、CPU自体の使用率は低いように見えるが、実際にはストレージの処理が遅いため、CPUがストレージからの応答を待っている時間(I/O wait)が非常に長い状態を示している。つまり、CPUは仕事をしたくてもストレージがボトルネックになっていて何もできない、という状況だ。SSD SATAでは「Sedang(中程度)」、NVMeでは「Tinggi (sys/io)」とあり、これはNVMeが非常に高速なため、CPUがストレージから送られてくる大量のデータを処理するために忙しく動いている状態を示している。ストレージが速すぎて、今度はCPUがボトルネックになり得る状況と言える。

記事の後半では、「RADOS Bench test(Ceph RADOSベンチマークテスト)」の結果が示されている。RADOSはProxmoxが利用できる分散ストレージシステムCephの基盤部分で、複数のストレージデバイスを連携させて一つの大きなストレージとして利用する技術だ。このテストでは、「Cluster HDD(HDDクラスタ)」と「Cluster SSD/NVMe(SSD/NVMeクラスタ)」という、複数のHDDまたはSSD/NVMeを組み合わせた環境での性能が比較されている。

HDDクラスタの帯域幅は80〜200 MB/s、平均IOPSは4MBオブジェクトで20〜50 IOPSと、単一のHDDよりは多少向上しているものの、SSD/NVMeクラスタには遠く及ばない。SSD/NVMeクラスタでは、帯域幅が500 MB/sから2 GB/s以上、平均IOPSは4MBオブジェクトで100〜500 IOPSと、圧倒的に高い性能を示している。

レイテンシに関しても、HDDクラスタの平均レイテンシは0.3〜1.0秒、最大レイテンシは3秒未満で「まだ妥当」とされているが、これは仮想化環境でアプリケーションを動かすには非常に遅い応答時間だ。一方、SSD/NVMeクラスタの平均レイテンシは0.01〜0.05秒、最大レイテンシは0.1秒未満と、HDDクラスタとは比較にならないほど高速で安定している。帯域幅の安定性も、HDDクラスタは「Fluktuasi wajar(変動は妥当)」とされるが、SSD/NVMeクラスタは「より安定しており、標準偏差が10%未満」と、非常に優れていることがわかる。

これらのデータから、システムエンジニアがProxmoxのような仮想化環境で高性能かつ安定したシステムを構築するには、HDDではなくSSD、特にNVMeのような高速なストレージを選択することの重要性が明らかになる。ストレージの選択は、仮想マシンの起動速度、アプリケーションの応答速度、データベースの処理速度など、システムのあらゆる側面に大きな影響を与えるため、用途や予算に応じて最適なストレージを選ぶことが、安定したシステム運用の鍵となる。

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