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【ITニュース解説】Securely save your credentials with biometric (react-native-keychain)

2025年09月14日に「Reddit /r/programming」が公開したITニュース「Securely save your credentials with biometric (react-native-keychain)」について初心者にもわかりやすく解説しています。

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ITニュース概要

IDやパスワードなどの認証情報を、生体認証(指紋や顔認証)を使って安全に保存する方法を紹介。React Nativeアプリでキーチェーン機能を活用し、セキュリティを高める実践的な内容だ。

ITニュース解説

システムエンジニアを目指す上で、ユーザーの情報をいかに安全に管理するかは非常に重要なテーマの一つである。ここで取り上げるニュースは、「生体認証を使って認証情報を安全に保存する(react-native-keychain)」という内容であり、これは現代のアプリケーション開発において避けては通れないセキュリティの基礎を理解する上で格好の題材となる。

まず、「認証情報(credentials)」とは何かを明確にする。これは、ウェブサイトやアプリケーションにログインするために必要なユーザー名やパスワード、あるいはAPIへのアクセス権を持つ特別な鍵(APIキー)などを指す。多くの人が日々、様々なサービスでこれらの認証情報を使い、自身のデジタルアイデンティティを証明している。

しかし、これらの認証情報を扱う際には常にセキュリティの脅威が伴う。もし認証情報が安全でない場所に保存されたり、不正なアクセスを受けたりすれば、個人情報が漏洩したり、アカウントが乗っ取られたりする危険性がある。例えば、スマートフォンのアプリがユーザーのパスワードをそのままテキストファイルとして保存していた場合、そのファイルが何らかの方法で外部に読み取られてしまえば、簡単に情報が盗まれてしまうだろう。このような事態を防ぐため、開発者は認証情報を極めて厳重に保護する責任を負っている。

そこで登場するのが「生体認証(biometric)」という技術と、それを支える安全な保存メカニズムである。生体認証とは、指紋認証や顔認証のように、ユーザー自身の身体的な特徴を使って本人確認を行う技術を指す。これはパスワードのように覚える必要がなく、かつ他人がなりすますのが非常に困難であるため、利便性と安全性の両面で優れた認証方法として急速に普及している。

そして、この生体認証と密接に連携し、認証情報を安全に保存する仕組みとして、多くのオペレーティングシステム(OS)が提供しているのが「キーチェーン(Keychain)」や「キーストア(Keystore)」といった機能である。これらは、OSが管理する特別な安全な領域であり、アプリケーションがそこに保存したデータは高度に暗号化され、OSのセキュリティポリシーに基づいて厳重に保護される。これにより、たとえ他のアプリケーションが不正にデータにアクセスしようとしても、その内容は解読できないか、そもそもアクセス自体が拒否されるようになっている。

しかし、異なるOS(例えばiOSとAndroid)でアプリを開発する場合、それぞれのOSが提供するキーチェーンやキーストアの機能を直接利用しようとすると、OSごとに異なるプログラミング方法を学ぶ必要が生じ、開発は複雑になる。ここで「React Native」というフレームワークの出番となる。React Nativeは、JavaScriptという言語を使って、iOSとAndroidの両方で動作するネイティブアプリケーションを一度に開発できる非常に便利なツールである。これにより、開発者はそれぞれのOSの細かい違いを意識せずに、共通のコードベースでアプリを構築できる。

そして、今回のニュースの中心である「react-native-keychain」は、まさにこのReact Nativeアプリから、OSが提供する安全な認証情報保存機能(iOSのキーチェーンやAndroidのキーストア)を簡単に利用するためのライブラリである。このライブラリを使うことで、React Native開発者は複雑なOSネイティブのセキュリティ実装の詳細を知らなくても、数行のコードを書くだけで、ユーザー名やパスワードといった認証情報を高度に保護された領域に保存できるようになる。

具体的な利用イメージは次のようになる。ユーザーがアプリに初めてログインする際、ユーザー名とパスワードを入力する。アプリはこれらの情報を直接内部のファイルに保存するのではなく、react-native-keychainライブラリを通じてOSのキーチェーンまたはキーストアに安全に保存するよう要求する。このとき、多くの場合はユーザーに「次回のログインから生体認証を使いますか?」といった同意を求めるダイアログが表示される。ユーザーが同意すれば、パスワードは暗号化された状態でOSの管理する安全な領域に格納される。

そして次回、ユーザーがアプリを開いたとき、パスワードを再入力する必要はない。アプリはreact-native-keychainを通じてキーチェーンに保存された認証情報へのアクセスを試みる。この際、OSはユーザーに対して指紋認証や顔認証を要求する。ユーザーが本人であることを生体認証で証明できれば、キーチェーンから暗号化された認証情報が安全に読み出され、アプリがそれを使って自動的にログイン処理を行うのだ。この一連の流れにより、ユーザーはパスワードを覚える手間から解放され、同時にそのパスワードが非常に安全な環境下で管理されるというメリットを享受できる。

この仕組みの肝は、アプリケーション自身が直接パスワードの平文(暗号化されていない状態)を保持しない点にある。パスワードは常に暗号化された状態でOSのセキュリティ領域に存在し、アプリはそこに「アクセスする権利」を要求するに過ぎない。そして、そのアクセス権の許可が生体認証によって厳密に制御されているため、万が一スマートフォンが紛失したり盗まれたりしても、持ち主以外の人間がアプリ内の認証情報にアクセスすることは極めて困難となる。

システムエンジニアとして、このようなセキュリティメカニズムの理解は不可欠である。ただ単に機能を実現するだけでなく、その機能がユーザーのプライバシーと安全性をどのように守るのか、そしてどのような技術的な基盤の上で成り立っているのかを深く理解することが、信頼性の高い、そして安全なアプリケーションを開発するための第一歩となる。react-native-keychainのようなライブラリは、開発者が高度なセキュリティ機能を比較的容易に実装できるように支援するが、その背後にあるセキュリティ原理を学ぶことが、真のエンジニアリングスキルを身につける上で重要である。

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