【ITニュース解説】But, Why is Serverless? When should you use it?
2025年09月14日に「Dev.to」が公開したITニュース「But, Why is Serverless? When should you use it?」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
Serverlessは、開発者がサーバー管理から解放され、コードに集中できる仕組みだ。AWS Lambdaが始まりで、必要な時にコードを実行し、自動でスケーリングされるためコストも抑えられる。しかし、起動に時間がかかる「コールドスタート」やインフラ制御の制約もある。イベント駆動やトラフィック変動が大きいサービスに適すが、常時稼働や低遅延が必須のシステムには不向きだ。
ITニュース解説
Serverless(サーバーレス)という言葉を聞くと、まるでサーバーが全く存在しないかのように誤解しがちだが、もちろん、実際にはサーバーは常にどこかに存在し、稼働している。Serverlessとは、開発者がサーバーの管理という煩わしい作業から解放され、アプリケーションのコード開発により集中できるようにする、クラウドコンピューティングの一つの形態を指す言葉だ。この技術がなぜ生まれ、どのような経緯で普及し、どのような場面で活用すべきなのか、その全体像を説明する。
Serverlessの概念を理解するには、その歴史を紐解くのが最も分かりやすい。物語は2006年、クラウド革命の幕開けから始まる。この頃、Amazon Web Services(AWS)のような企業は、Elastic Compute Cloud(EC2)やSimple Storage Service(S3)といったサービスを通じて、仮想マシン(VM)をクラウド上で提供し始めた。これはInfrastructure as a Service(IaaS)と呼ばれ、企業が自前で高価な物理サーバーを購入し、維持する代わりに、必要な時に必要なだけ仮想的な計算リソースやストレージを借りられる画期的なサービスだった。これにより、ITインフラのコストは大幅に削減され、効率も向上したが、それでもなお、開発者は借りた仮想マシンのOSをセットアップし、ミドルウェアをインストールし、セキュリティパッチを適用するといった、サーバー自体の管理作業から逃れることはできなかった。
そこで次のステップとして登場したのが、Platform as a Service(PaaS)だ。これは、開発者がアプリケーションを動かすためのプラットフォーム全体をクラウドプロバイダーが提供するモデルで、サーバーのOSやミドルウェアの管理を開発者からさらに遠ざけた。2008年にはGoogle App Engine(GAE)が、そして2009年にはHerokuといったPaaSプラットフォームが登場し、開発者はインフラの複雑さに煩わされることなく、コードを書いてデプロイするだけでアプリケーションを公開できるようになった。これは当時としては非常に画期的なアプローチであり、多くの開発者に支持された。
しかし、真のゲームチェンジャーは2014年に現れた。AWSが発表したAWS Lambdaだ。これは「Function as a Service(FaaS)」という新しいカテゴリを確立し、Serverless computingの夜明けを告げた。Lambdaの登場により、開発者はもはや仮想マシン全体やアプリケーション実行のためのプラットフォームを意識する必要がなくなった。やるべきことは、イベントによってトリガーされる個々の短いコード(関数)を記述し、クラウドにアップロードすることだけだ。サーバーのプロビジョニング、実行、スケーリング、さらには基盤となるインフラの維持管理は、すべてクラウドプロバイダーの責任となった。
AWS Lambdaの成功を受けて、Microsoft Azure Functions、Google Cloud Functions、Cloudflare Workersといった同様のサービスが次々と登場した。これらのサービスは、Serverlessのコストをさらに削減し、その利便性を向上させた。Serverlessは、信頼性が高く、運用上の負担を劇的に減らし、そして何よりも多くの場合で非常に安価だったため、瞬く間に開発者の間で広く採用されるようになった。
Serverlessが提供するメリットは多岐にわたる。最も大きな利点の一つは、運用オーバーヘッドの削減だ。サーバーのパッチ適用、OSのアップデート、セキュリティ設定、キャパシティプランニングといった面倒な作業はすべてクラウドプロバイダーに任せられるため、開発者はアプリケーションのビジネスロジックに集中できる。次に、自動スケーリングの恩恵も大きい。Serverless関数は、トラフィックの増減に合わせて自動的にスケールアップ・ダウンするため、急なアクセス増にも対応できるし、アクセスがない時には費用が発生しない。これにより、リソースの無駄が減り、コスト効率が向上する。そして、従量課金モデルであるため、実際にコードが実行された時間や消費されたリソースに対してのみ料金が発生する。アイドル状態のサーバーに費用を払う必要がないため、特にアクセスが不定期なアプリケーションでは大幅なコスト削減につながる。
しかし、どのような技術にも利点と欠点があるように、Serverlessにもいくつかのトレードオフが存在する。その主なものの一つが「コールドスタート」の問題だ。Serverless関数は、リソースを節約するために、しばらく使われていないと停止状態になることがある。その状態で関数が呼び出されると、起動プロセスがゼロから始まるため、実行までにわずかながら時間がかかる。この遅延は、リアルタイム性(レイテンシ)が非常に重要なアプリケーション、例えばオンラインゲームや金融取引プラットフォームなどでは許容できない場合がある。
また、Serverlessプラットフォームはクラウドプロバイダーによって管理されているため、インフラに対する開発者の制御が制限される点もデメリットとして挙げられる。特定のOSやミドルウェアのバージョン、ネットワーク設定などにこだわりがある場合、Serverlessは柔軟性に欠ける可能性がある。コスト予測の難しさやベンダーロックインも懸念事項だ。Serverlessの料金は従量課金であるため、予期せぬトラフィック増加があった場合、費用が予想外に膨らむ可能性がある。また、特定のクラウドプロバイダーのServerless機能に深く依存すると、他のプロバイダーへの移行が困難になる「ベンダーロックイン」のリスクも存在する。
では、どのような場合にServerlessを活用すべきなのだろうか。Serverlessは、サービスが散発的に実行される場合に特に強力なツールとなる。例えば、ファイルがクラウドストレージにアップロードされたときに自動的に処理を実行する、データベースの変更をトリガーとして他の処理を行うといったイベント駆動型のタスクには最適だ。APIやマイクロサービスで、トラフィックの変動が激しい場合にも有効だ。急なアクセス増にも自動で対応し、アクセスが少ない時にはコストを抑えることができる。また、新しいアイデアを素早く検証したいプロトタイプ開発、最低限の機能で市場投入を目指すMVP(Minimum Viable Product)の開発、あるいは実験的な機能の実装にも非常に適している。初期のインフラコストとリスクを最小限に抑えつつ、迅速に開発を進められるからだ。
一方で、Serverlessの利用を避けるべきケースも存在する。一つは、長時間にわたって実行される、あるいは計算資源を大量に消費するタスクだ。Serverless関数には通常、最大実行時間、メモリ、CPUといったリソースに制限が設けられているため、これらの制限を超えるようなタスクには不向きである。常に高いアクセスがあり、関数が継続的に大量に呼び出されるような安定した高トラフィックのアプリケーションの場合も、Serverlessの従量課金モデルがかえって従来のサーバー運用モデルよりも高コストになる可能性がある。そして、前述したコールドスタートの問題があるため、極めて低いレイテンシ(応答速度)が要求されるアプリケーションには、Serverlessは適さない場合が多い。
結論として、Serverlessは開発者の負担を軽減し、柔軟でコスト効率の高いアプリケーション開発を可能にする強力な技術だ。しかし、その利点を最大限に引き出し、潜在的なデメリットを回避するためには、アプリケーションの特性や要件を十分に理解し、Serverlessが最も適したソリューションであるかを慎重に判断する必要がある。技術の選択は、常に目的と状況に合致しているかが重要となる。