【ITニュース解説】Sveltos vs Terraform: Friends, Not Rivals, in the Cloud-Native World
2025年09月06日に「Dev.to」が公開したITニュース「Sveltos vs Terraform: Friends, Not Rivals, in the Cloud-Native World」について初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。
ITニュース概要
Terraformはクラウド基盤の構築・管理ツール。SveltosはKubernetesクラスタ全体の構成管理を自動化する。Terraformがクラスタを構築し、Sveltosはアドオンやポリシーを適用、維持する。TerraformとSveltosは、それぞれ異なるレイヤーを管理し、連携することでクラウドネイティブ環境を効率的に運用できる。
ITニュース解説
TerraformとSveltosは、クラウドネイティブ環境において異なる役割を担うツールである。Terraformは、クラウドインフラストラクチャの構築と管理に特化しており、SveltosはKubernetesクラスタの構成管理を自動化する。両者は競合するのではなく、相互補完的な関係にある。
Terraformは、HashiCorpが開発したインフラストラクチャプロビジョニングツールであり、宣言的なアプローチでインフラを管理する。ユーザーはHashiCorp Configuration Language (HCL) でリソースを定義し、Terraformがその定義に基づいてリソースを作成・変更する。Terraformの主な用途は、Kubernetesクラスタの作成 (EKS, GKE, AKSなど)、仮想マシン、ネットワーク、データベース、IAMロールなどのプロビジョニング、そしてマルチクラウド環境の一元管理である。Terraformは、ワークロードを実行するための基盤となるインフラを構築する役割を担う。
Sveltosは、Kubernetesネイティブなコントローラであり、複数のクラスタにわたるアドオンや構成の管理を自動化する。Prometheus、Istio、ポリシーエンジンなどのアドオンを、新しいクラスタに自動的にデプロイし、管理する。Sveltosの主要な機能には、Helmチャート、YAMLマニフェスト、GitOpsで管理されたリソースのクラスタへのデプロイ、宣言された状態との継続的な整合性の維持、ラベルやクラスタイベントを使用した動的なクラスタのターゲティング、マルチテナントとRBACを考慮したアドオンの配布などが含まれる。Sveltosは、Terraformによって構築されたクラスタを、ユーザーが望む状態に維持する役割を担う。
SveltosとTerraformは、一見すると類似点がある。どちらも宣言的なアプローチを採用しており、ユーザーが望む状態を記述し、ツールがそれを実現する。また、両方とも複数のクラスタや環境にわたって動作でき、自動化に適している。Terraformはプロバイダーを通じて、SveltosはテンプレートやKubernetesネイティブな統合を通じて拡張可能である。
しかし、両者の間には重要な違いがある。Sveltosは、Kubernetesのアドオン、マニフェスト、Helmチャート、ポリシーの管理に焦点を当てているのに対し、Terraformは、クラウドインフラストラクチャ (VM、ネットワーク、IAM、クラスタ) の管理に焦点を当てている。SveltosはKubernetes内でコントローラとして実行され、継続的に状態を調整するが、TerraformはCLIベースで、applyコマンドを実行したときに動作する。SveltosはKubernetes API (etcd) を信頼できる情報源として使用するが、Terraformは状態ファイル (ローカルまたはリモートバックエンド) を必要とする。SveltosはArgo CDやFluxなどのGitOpsツールとネイティブに統合できるが、Terraformは外部ツール (Atlantis、Argoプラグイン) を必要とする。SveltosはKubernetesにおけるアプリケーション/構成のライフサイクルを管理し、Terraformはクラウド全体のインフラストラクチャのライフサイクルを管理する。Sveltosはクラスタのラベル、リソースの変更、イベントに自動的に反応するが、Terraformは手動でトリガーする必要がある (CI/CDパイプラインまたはCLI)。
SveltosとTerraformは、互いに連携して動作することで、より効果的なワークフローを実現できる。例えば、新しい環境をセットアップする場合、Terraformを使用して新しいEKSクラスタをプロビジョニングし、ネットワーク、IAMロール、ストレージを構成する。その後、Sveltosを使用して、PrometheusとGrafana (モニタリング用)、Kyverno (ポリシー適用用)、Fluent Bit (ロギング用) などのアドオンを自動的にインストールし、最新の状態に保つことができる。
TerraformとSveltosは、クラウドネイティブスタックの異なるレイヤーに対応している。Terraformはインフラストラクチャの基盤を構築し、SveltosはKubernetesクラスタが常に適切に構成され、一貫性を保ち、安全であることを保証する。Terraformを使用している場合、Sveltosで置き換える必要はなく、SveltosをマルチクラスタKubernetes環境における自然な次のステップとして考えることができる。両者を組み合わせることで、クラスタの実行場所とその実行方法の両方を管理できるようになる。