【ITニュース解説】WebSocket vs Web Push vs Server-Sent Events: When to Use What?
2025年09月12日に「Dev.to」が公開したITニュース「WebSocket vs Web Push vs Server-Sent Events: When to Use What?」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
WebSocket、Web Push、SSEは、サーバーとクライアント間の通信方式。WebSocketはリアルタイムな双方向通信、Web Pushはアプリが閉じていても通知可能、SSEはサーバーからの一方的な情報配信に使う。それぞれの特徴を理解し、用途に応じて使い分けることが重要だ。
ITニュース解説
現代のWebアプリケーションでは、私たちが日々利用する多くのサービスがリアルタイムでの情報更新を求めている。たとえば、友達とメッセージをやり取りするチャットアプリや、オンラインで他のプレイヤーと対戦するゲーム、あるいは株価のリアルタイム変動やニュース速報を受け取るサービスなど、常に「今」の情報が重要となる場面は多い。従来のWebサイトが採用してきた「リクエスト-レスポンス」という一度きりのやり取りだけでは、このようなリアルタイムなニーズに応えることは難しい。そこで、サーバーとクライアント(Webブラウザなど)が継続的に情報を交換できる特別な仕組みが必要となる。この解説では、そうしたリアルタイム通信を実現するための主要な三つの技術、WebSocket、Web Push、そしてServer-Sent Events (SSE) について、それぞれの特徴と、どのような状況でどれを選ぶべきかをシステムエンジニアを目指す初心者にも分かりやすく説明する。
まず、WebSocketから見ていこう。WebSocketは、サーバーとクライアントの間で「全二重(フルデュプレックス)」と呼ばれる双方向の通信を可能にする技術だ。これは、電話での会話に例えることができる。お互いが同時に話したり聞いたりできるのと同じように、WebSocketではサーバーとクライアントが同時にデータを送受信できるため、非常に低い遅延でリアルタイムなやり取りを実現する。 WebSocketが使われる代表的な例は、リアルタイムチャットアプリケーションやオンラインのマルチプレイヤーゲームだ。チャットでは、自分がメッセージを送ると同時に相手からのメッセージを受け取る必要があり、ゲームでは自分の操作がすぐに他のプレイヤーに反映され、他のプレイヤーの動きも即座に自分の画面に表示される必要がある。このような、常に大量のデータが双方向にやり取りされるアプリケーションにおいて、WebSocketはその真価を発揮する。 WebSocketの仕組みは、一度接続が確立されると、その接続(TCP接続)を維持し続けることにある。これにより、サーバーとクライアントはいつでもデータを送り合うことができる状態を保つ。しかし、この「接続を維持し続ける」という特性は、たくさんのユーザーが同時に利用する場合にサーバー側のリソースを多く消費する可能性があるため、大規模なシステムを構築する際にはその管理とスケーリング(拡張)がより複雑になるという側面も持つ。また、利用するアプリケーションがブラウザのタブやスマートフォンアプリで開いている間にのみ機能するという点も理解しておく必要がある。
次に、Web Pushについて説明する。Web Pushは、ユーザーがWebアプリケーションを開いていなくても、サーバーからクライアントへ「プッシュ通知」を送るための技術だ。これは、スマートフォンの通知機能に非常によく似ている。たとえば、ニュースアプリを閉じていても、重要な速報が届くことがあるだろう。Web Pushは、WebサイトやWebアプリケーションでも同様の機能を実現する。 Web Pushの最大の利点は、ユーザーがブラウザのタブを閉じたり、インターネットに接続していない間でも、後から通知が届けられる点にある。これは、ユーザーに新しい情報の到着を知らせたり、再度サービスを利用してもらうための「リエンゲージメント」に非常に有効だ。例えば、通販サイトの新商品入荷通知、航空会社からのフライト遅延情報、SNSの友達からのメッセージ通知などがWeb Pushの典型的な利用例だ。 Web Pushの仕組みは、WebSocketのように永続的な接続を維持するのではなく、オペレーティングシステム(OS)が提供するプッシュ通知サービスを介して通知が送られる。このため、サーバー側のリソース消費は比較的低い。ただし、通知を送るにはユーザーからの明示的な許可が必要であり、またセキュリティ上の理由からHTTPS(暗号化された通信)が必須となる。さらに、ブラウザのバックグラウンドで通知を受け取るための「サービスワーカー」という特別な仕組みを用いる必要があるため、実装にはある程度の知識が必要となる。
最後に、Server-Sent Events (SSE) について見ていこう。SSEは、サーバーからクライアントへ一方的にデータを「ストリーミング」するための技術だ。WebSocketが双方向の電話だとすれば、SSEはラジオ放送のようなものに例えられる。サーバーは情報を継続的に発信し続け、クライアントはそれを受信し続ける。クライアントからサーバーへデータを送る機能は持たないため、あくまで情報の一方的な配信に特化している。 SSEが特に役立つのは、ライブニュースフィード、株価のリアルタイム更新、スポーツの試合経過速報、イベントのログ表示など、サーバーから継続的に新しい情報が生成され、それをクライアントにリアルタイムで表示したい場合だ。これらのケースでは、クライアント側からサーバーに何かを返す必要はほとんどなく、ひたすら新しい情報を受け取り続けるだけで十分なことが多い。 SSEの仕組みは、WebSocketと同様に永続的な接続(HTTP接続)を維持するが、WebSocketよりもシンプルなAPI(EventSource API)を使用するため、実装が比較的容易だ。これは、WebSocketの複雑さに比べて、より手軽にリアルタイムの一方向通信を実現したい場合に魅力的な選択肢となる。ただし、WebSocketと同様に、Webブラウザのタブが開いて接続されている間にのみ機能し、ブラウザを閉じたりインターネット接続が切れたりすると、データの受信は停止する。
まとめると、これら三つの技術はそれぞれ異なる特徴と得意分野を持っている。 WebSocketは、チャットやオンラインゲームのように、サーバーとクライアントの間で低遅延かつ双方向に頻繁なデータのやり取りが必要な場合に最適だ。大量のリアルタイムな対話が求められる状況で選ぶべき技術と言える。 Web Pushは、アプリケーションが閉じていてもユーザーに重要な情報を届けたい場合に選ぶ。通知を通じてユーザーとのつながりを維持し、再利用を促すための強力なツールとなる。バッテリー消費が少なく、OSレベルで統合された通知機能が必要な場合に適している。 SSEは、サーバーからクライアントへ一方的に継続的なデータストリームを送信したい場合に適している。例えば、ライブのデータフィードやニュースの更新など、クライアント側からの返信が不要で、リアルタイムで情報を表示し続けるシンプルな要件の場合に、WebSocketよりも簡単な実装で利用できる。 これらの技術を適切に選択することで、ユーザーに快適で最新の情報を提供するWebアプリケーションを構築できる。それぞれの特性を理解し、開発するアプリケーションの要件に最も合致する技術を選ぶことが、成功への鍵となるだろう。