【PHP8.x】xmlwriter_flush関数の使い方

xmlwriter_flush関数の使い方について、初心者にもわかりやすく解説します。

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基本的な使い方

『xmlwriter_flush関数は、XMLWriterの内部バッファに現在保持されている内容を出力先に書き出す(フラッシュする)処理を実行する関数です。XMLWriterを使用してXMLドキュメントを生成する際、xmlwriter_start_elementxmlwriter_textといった関数で追加された内容は、すぐに出力されるのではなく、一時的に内部のバッファに蓄積されます。この関数は、そのバッファに溜まったデータを、xmlwriter_open_uriで指定したファイルや、xmlwriter_open_memoryで確保されたメモリ領域へ実際に書き込みます。特に、非常に大きなXMLファイルを生成する場面でこの関数は重要です。処理の途中で定期的にxmlwriter_flushを呼び出すことにより、バッファを解放し、メモリ使用量を低く抑えることができます。これにより、メモリ不足によるエラーを防ぎ、安定した処理が可能になります。この関数は、フラッシュ後に内部バッファを空にするかどうかを指定するオプションの引数を持ち、デフォルトではバッファは空になります。処理が成功した場合、書き込まれたデータのバイト数を返し、エラーが発生した場合はfalseを返します。この関数は、手続き型スタイルだけでなく、オブジェクト指向スタイルのXMLWriter::flushメソッドとしても利用可能です。

構文(syntax)

1<?php
2
3$writer = xmlwriter_open_memory();
4
5xmlwriter_start_element($writer, 'root');
6xmlwriter_text($writer, 'some data');
7xmlwriter_end_element($writer);
8
9// バッファの内容を文字列として取得し、バッファをクリアします。
10$output = xmlwriter_flush($writer);
11
12?>

引数(parameters)

XMLWriter $writer, bool $empty = true

  • XMLWriter $writer: 操作対象となるXMLWriterオブジェクトを指定します。
  • bool $empty = true: trueを指定すると、フラッシュ後にXMLWriterオブジェクトを空にします。falseを指定すると、XMLWriterオブジェクトはフラッシュ後も保持されます。

戻り値(return)

string|int

xmlwriter_flush 関数は、XMLWriter オブジェクトに書き込まれた XML データを文字列として返します。ただし、バッファリングが有効で、かつ XML データの書き込みが正常に完了しなかった場合は、整数値が返されることもあります。

サンプルコード

PHP xmlwriter_flushでXMLをフラッシュする

1<?php
2
3/**
4 * xmlwriter_flush 関数の使用方法を示すサンプルコード。
5 *
6 * xmlwriter_flush は、XMLWriter のバッファの内容をフラッシュし、
7 * それを文字列として返す(メモリモードの場合)。
8 * 第2引数 $empty が true の場合、フラッシュ後にバッファはクリアされます。
9 */
10function generateXmlWithFlush(): void
11{
12    // 1. XMLWriter インスタンスをメモリモードで作成
13    //    xmlwriter_open_memory() は、XML をメモリバッファに書き込むためのライターを作成します。
14    $writer = xmlwriter_open_memory();
15
16    // 2. 出力されるXMLを整形するための設定(任意だが推奨される)
17    //    xmlwriter_set_indent(true) でインデントを有効にします。
18    xmlwriter_set_indent($writer, true);
19    //    xmlwriter_set_indent_string() でインデントに使用する文字列を設定します。
20    xmlwriter_set_indent_string($writer, '  '); // スペース2つでインデント
21
22    // 3. XMLドキュメントの開始
23    //    xmlwriter_start_document(バージョン, エンコーディング)
24    xmlwriter_start_document($writer, '1.0', 'UTF-8');
25
26    // 4. ルート要素の開始
27    xmlwriter_start_element($writer, 'data');
28
29    // 5. 最初の子要素を追加
30    xmlwriter_start_element($writer, 'item');
31    xmlwriter_write_attribute($writer, 'id', '1');
32    xmlwriter_write_element($writer, 'name', '最初のアイテム');
33    xmlwriter_end_element($writer); // 'item'要素を閉じる
34
35    // 6. ここで xmlwriter_flush を使用して、現在のバッファ内容を取得し、クリアします。
36    //    第2引数 $empty が true なので、バッファ内容は返された後、クリアされます。
37    echo "--- 最初のフラッシュで取得されたXML (バッファはクリアされます) ---\n";
38    $firstFlushContent = xmlwriter_flush($writer, true);
39    echo $firstFlushContent;
40    echo "---------------------------------------------------\n\n";
41
42    // 7. バッファがクリアされたので、さらに要素を追加
43    //    これらの要素は、前のフラッシュで取得した内容には含まれていません。
44    xmlwriter_start_element($writer, 'item');
45    xmlwriter_write_attribute($writer, 'id', '2');
46    xmlwriter_write_element($writer, 'name', '二番目のアイテム');
47    xmlwriter_end_element($writer); // 'item'要素を閉じる
48
49    // 8. ルート要素とドキュメントを閉じる
50    xmlwriter_end_element($writer); // 'data'要素を閉じる
51    xmlwriter_end_document($writer);
52
53    // 9. 最終的な内容をフラッシュして取得(再度バッファをクリア)
54    //    第2引数 $empty が true なので、この時点までの残りのバッファ内容が返されます。
55    echo "--- 2回目のフラッシュで取得されたXML (残りの内容、バッファはクリアされます) ---\n";
56    $secondFlushContent = xmlwriter_flush($writer, true);
57    echo $secondFlushContent;
58    echo "---------------------------------------------------\n";
59
60    // 注意:
61    // xmlwriter_flush は、特に大きなXMLを生成する際に、部分的に出力してメモリを節約したり、
62    // 進行状況を表示したりするのに役立ちます。
63    // 完全なXMLドキュメントを一度に取得する場合は、
64    // すべての要素を閉じ終えた後で xmlwriter_output_memory($writer, true) を使うことも一般的です。
65}
66
67// 関数を実行して、XML生成とフラッシュの動作を確認
68generateXmlWithFlush();

PHPのxmlwriter_flush関数は、XMLWriter拡張機能で使用され、現在バッファに格納されているXMLデータを処理するために利用されます。この関数は、xmlwriter_open_memory()で作成されたメモリモードのXMLWriterインスタンスの場合、バッファの内容を文字列として取得し、xmlwriter_open_uri()で作成されたファイルモードのインスタンスの場合、バッファの内容をファイルに書き込みます。

第一引数$writerには、操作対象となるXMLWriterインスタンスを指定します。第二引数$emptyはオプションで、デフォルトはtrueです。trueを指定すると、フラッシュ後にXMLWriterの内部バッファがクリアされます。falseを指定すると、バッファの内容はクリアされずに保持されます。

戻り値は、メモリモードではフラッシュされたXMLデータがstringとして返され、ファイルモードでは書き込まれたバイト数がintとして返されます。

サンプルコードでは、メモリモードでXMLを生成する途中にxmlwriter_flushを呼び出し、trueを渡すことで、そこまでのXML内容を取得しつつバッファをクリアしています。これにより、例えば非常に大きなXMLドキュメントを生成する際に、一度にすべての内容をメモリに保持せず、部分的に処理したり、途中の進捗を確認したりすることが可能になります。フラッシュ後にバッファがクリアされるため、続けてXMLを追加しても、以前フラッシュした内容には影響しません。すべてのXML要素を書き終えた後に最終的な内容を取得したい場合は、xmlwriter_output_memory()関数を使用することも一般的です。

xmlwriter_flush関数は、XMLWriterの内部バッファに書き込まれたXML内容を文字列として取得し、同時にバッファをクリアする機能を持っています。特に、xmlwriter_open_memoryでメモリモードを使用している場合、途中で部分的なXMLを取得して処理を進めたい際に役立ちます。第2引数 $emptytrue(デフォルト)の場合、フラッシュ後にバッファがクリアされるため、意図しない重複を防ぎ、新しいXMLを続けて書き込めます。大きなXMLデータを生成する際にメモリ消費を抑えたい場合や、進行状況を逐次表示したい場合に有効です。すべてのXML要素を書き終えてから一度に最終結果を得たい場合は、xmlwriter_output_memory関数も利用できますが、flushは途中の出力とバッファクリアに特化している点を理解して使い分けましょう。

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