h抜き(エイチヌキ)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説
h抜き(エイチヌキ)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。
読み方
日本語表記
エイチ抜き (エイチヌキ)
英語表記
H-less (エイチレス)
用語解説
h抜きとは、主にWebアプリケーション開発において、セッションIDをURLに埋め込む処理を指す言葉である。
セッションとは、Webサイトにアクセスしたユーザーを識別し、そのユーザーがサイト内でどのような操作を行ったかを一時的に記録する仕組みのことだ。ショッピングサイトで商品をカートに入れたり、ログイン状態を維持したりするのに使われている。通常、セッションIDはCookieという仕組みを使ってクライアント(ブラウザ)に保存され、サーバーとのやり取りで自動的に送受信される。
しかし、Cookieが利用できない環境や、Cookieの使用をユーザーが制限している場合がある。例えば、Cookieを無効にしているブラウザや、一部のモバイル端末などが該当する。このような状況でもセッションを維持するために、セッションIDをURLに埋め込むという手法が用いられる。これが「h抜き」と呼ばれる所以だ。
「h抜き」の「h」は、HTTPリクエストヘッダに含まれるCookieヘッダを指す。Cookieヘッダを使わずに、URLにセッションIDを埋め込むことから、「Cookieヘッダを抜く」という意味で「h抜き」という言葉が生まれた。正確には、HTTPリクエストヘッダからCookieヘッダを「抜く」というよりは、「使わない」というニュアンスに近い。
具体的な仕組みとしては、WebサーバーがHTMLを生成する際に、URLにセッションIDを付加する。例えば、リンク先のURLが example.com/page1.html だった場合、example.com/page1.html?sessionid=12345 のように、クエリパラメータとしてセッションID (12345) を追加する。ユーザーがこのリンクをクリックすると、ブラウザはセッションID付きのURLをサーバーに送信し、サーバーはセッションIDに基づいてユーザーを識別する。
h抜きは、Cookieが利用できない環境でもセッションを維持できるというメリットがある一方で、セキュリティ上のリスクも伴う。
まず、URLにセッションIDが露出するため、URLが漏洩した場合、第三者にセッションIDを悪用される可能性がある。例えば、URLが記載されたメールを誤送信したり、WebサイトのアクセスログにURLが記録されたりするケースが考えられる。
次に、ブラウザのキャッシュにセッションID付きのURLが記録される可能性がある。キャッシュに残ったURLを他のユーザーが見てしまうと、そのユーザーが誤ってセッションを乗っ取ってしまう危険性がある。
さらに、リファラを通じてセッションIDが漏洩する可能性もある。リファラとは、リンク元ページのURLをWebサーバーに伝える仕組みのことだ。セッションID付きのURLから別のサイトへリンクした場合、リンク先のサイトにセッションIDが伝わってしまう可能性がある。
これらのリスクを軽減するため、h抜きを行う際には、以下の対策を講じることが重要となる。
- セッションIDの暗号化: セッションID自体を暗号化することで、万が一セッションIDが漏洩した場合でも、悪用されるリスクを低減できる。
- セッションIDの有効期限を短く設定: セッションIDの有効期限を短く設定することで、セッションIDが漏洩した場合の被害を最小限に抑えることができる。
- HTTPSの利用: HTTPSを利用することで、URLを含む全ての通信が暗号化され、盗聴のリスクを低減できる。
- URLの露出を避ける: 極力、セッションID付きのURLを生成しないように、Cookieが利用可能な環境ではCookieを使用し、Cookieが利用できない場合にのみh抜きを使用する。
- POSTメソッドの活用: GETメソッドでセッションIDを渡すのではなく、POSTメソッドを使用することで、URLにセッションIDが露出するのを防ぐことができる場合がある。ただし、POSTメソッドを使用した場合でも、リファラを通じてセッションIDが漏洩する可能性は残る。
h抜きは、Webアプリケーション開発において、セッション管理の代替手段として有効な選択肢となる場合がある。しかし、セキュリティ上のリスクを十分に理解し、適切な対策を講じることが不可欠だ。近年では、より安全なセッション管理方法が推奨される傾向にあり、h抜きは可能な限り避けるべき手法とされている。Cookieが利用できない環境への対応も、他の方法で実現できる場合があるため、h抜き以外の方法を検討することを推奨する。例えば、LocalStorageやSessionStorageといったWeb Storage APIを利用したり、サーバーサイドでセッション情報を管理し、クライアントにはトークンを渡すといった方法がある。これらの方法も、セキュリティ上の考慮事項は存在するが、一般的にh抜きよりも安全性が高いとされている。