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HTTPヘッダ(エイチティーティーピーヘッダー)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

HTTPヘッダ(エイチティーティーピーヘッダー)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

作成日: 更新日:

読み方

日本語表記

HTTPヘッダ (エッチティーティーピーヘッダー)

英語表記

HTTP headers (エッチティーティーピー ヘッダーズ)

用語解説

HTTPヘッダは、Web上で情報をやり取りする際の基本となるプロトコルであるHTTP(Hypertext Transfer Protocol)において、通信の内容や挙動を制御するためのメタデータ群である。WebブラウザからWebサーバーへのリクエストや、WebサーバーからWebブラウザへのレスポンスは、単にデータ本体(例えばHTMLファイルや画像)を送受信しているわけではない。これらのデータ本体は「HTTPボディ」と呼ばれ、その送受信に際して、データがどのように扱われるべきか、どのような形式であるか、誰から誰へ送られているのかといった「付加情報」が必要となる。この付加情報こそがHTTPヘッダであり、HTTP通信における非常に重要な役割を担っている。

HTTPメッセージは、大きく分けて「スタートライン」「ヘッダ」「空行」「ボディ」という構造で構成される。HTTPヘッダは、このうちスタートラインの直後に位置し、続く空行によってボディと区切られる。つまり、メッセージのボディ部に実際のコンテンツ(ウェブページの内容や画像データなど)が含まれる一方で、HTTPヘッダはそのコンテンツを正しく処理するために必要なあらゆる情報を伝達する役割を担う。

HTTPヘッダは「フィールド名: フィールド値」という形式で記述され、複数のヘッダフィールドが連続して並ぶことで構成される。例えば、「Content-Type: text/html」というヘッダは、コンテンツのタイプがHTML形式であることを示している。フィールド名は大文字と小文字を区別しないのが一般的だが、慣例として各単語の先頭を大文字にする「ハイフン区切り」の形式がよく用いられる。

具体的なHTTPヘッダの役割は、それがリクエストメッセージに含まれるか、レスポンスメッセージに含まれるかによって異なる。

HTTPリクエストヘッダには、クライアントがサーバーに対して要求する内容や、クライアント自身の情報が含まれる。代表的なものとしては、以下のようなフィールドがある。 Host: どのサーバーにリクエストを送信しているかを指定する。仮想ホスティング環境では必須となる。 User-Agent: リクエストを送信しているクライアント(ブラウザの種類やバージョン、OSなど)の情報を提供する。 Accept: クライアントが受け入れ可能なメディアタイプ(HTML, JSON, XMLなど)をサーバーに伝える。 Accept-Language: クライアントが優先する言語をサーバーに伝える。 Cookie: クライアントが以前にサーバーから受け取ったCookie情報をサーバーに送り返す。これによりセッション管理などが行われる。 Authorization: 認証情報(ユーザー名とパスワードのハッシュ値など)をサーバーに送信する。 Content-Type: リクエストボディが存在する場合、そのデータのメディアタイプ(例: application/x-www-form-urlencodedapplication/json)を指定する。 Content-Length: リクエストボディのバイト数を指定する。

一方、HTTPレスポンスヘッダには、サーバーがクライアントに返す情報や、コンテンツの処理方法に関する指示が含まれる。代表的なフィールドは以下の通りである。 Server: レスポンスを生成したWebサーバーのソフトウェア情報を提供する。 Content-Type: レスポンスボディのデータのメディアタイプを指定する。例えば、text/htmlimage/jpeg などである。 Content-Length: レスポンスボディのバイト数を指定する。 Set-Cookie: サーバーがクライアントに対してCookie情報を設定するよう指示する。この情報が次回のリクエストでCookieヘッダとして送り返される。 Cache-Control: クライアントや中間プロキシサーバーに対し、レスポンスをキャッシュする方法や有効期限に関する指示を与える。これによりページの読み込み速度向上に寄与する。 Expires: レスポポンスがいつ失効するかを示す。Cache-Controlと組み合わせてキャッシュの制御に使われる。 Location: リダイレクト(転送)を指示する場合に、転送先のURLを指定する。ステータスコード3xx系のレスポンスとともに使われる。 WWW-Authenticate: クライアントに認証情報を要求する場合に、認証スキーム(Basic認証など)と領域(realm)を指定する。 Vary: キャッシュの際に、リクエストヘッダのどの部分によってキャッシュを区別すべきかを指定する。例えばVary: Accept-Encodingとすることで、圧縮形式が異なるレスポンスを区別してキャッシュする。

これらのヘッダフィールドは、HTTP/1.1の仕様で定義されたものが多いが、現代のWebアプリケーションでは、これらの標準ヘッダに加えて、より特定の目的を持つカスタムヘッダが利用されることもある。例えば、CORS (Cross-Origin Resource Sharing) を制御するためのAccess-Control-Allow-Originのようなヘッダは、セキュリティポリシーの適用に不可欠である。

HTTPヘッダは、Web通信の根幹をなす要素であり、Webアプリケーションの設計、開発、デバッグ、セキュリティ対策、パフォーマンス最適化のあらゆる局面でその知識が求められる。例えば、JavaScriptでAPIを呼び出す際に適切なContent-Typeヘッダを設定しなければデータが正しく処理されないことがあり、またサーバー側で適切なCache-Controlヘッダを設定しなければ、ユーザーが古いコンテンツを閲覧し続ける可能性がある。セキュリティ面では、Strict-Transport-Securityヘッダによって常にHTTPS接続を強制したり、X-Frame-Optionsヘッダによってクリックジャッキング攻撃を防いだりすることが可能となる。

HTTP/2やHTTP/3といった新しいバージョンのHTTPでは、通信の効率化が図られ、ヘッダの送信方法もバイナリ形式に変換されるなど内部的な変更が加えられているが、HTTPヘッダが持つ「メタデータを送る」という概念とその内容は、HTTPのバージョンアップを経ても変わらず、Web通信の挙動を決定づける重要な情報源であり続けている。システムエンジニアを目指す上で、HTTPヘッダの理解は、単にWebサイトを構築するだけでなく、その裏側で何が起こっているのかを深く理解し、より堅牢で高性能なシステムを設計・実装するために不可欠な基礎知識と言える。

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