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PCI Express 4.0(ピーシーアイエクスプレスフォージゼロ)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

PCI Express 4.0(ピーシーアイエクスプレスフォージゼロ)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

作成日: 更新日:

読み方

日本語表記

ピーシーアイエクスプレス フォースポイントゼイロ (ピーシーアイエクスプレス フォースポイント ゼロ)

英語表記

PCI Express 4.0 (ピーシーアイエクスプレスフォージゼロ)

用語解説

PCI Express 4.0(ピーシーアイ エクスプレス よんてんゼロ)は、コンピューター内部の主要なインターフェース規格であるPCI Expressの第4世代にあたるバージョンである。主にCPUと各種周辺機器、例えばグラフィックスカード、NVMe SSD、ネットワークカードなどを接続するための高速なデータ通信路を提供する役割を担う。この規格の最大の特長は、前世代のPCI Express 3.0と比較して、データ転送速度が2倍に向上した点にある。これにより、より多くのデータを高速にやり取りできるようになり、現代の高性能なコンピューターシステムにおいて不可欠な要素となっている。

PCI Expressは、Serial ATAやUSBなどと同様に、データをビット単位で順番に送受信するシリアル転送方式を採用したインターフェースである。複数の通信路を束ねて使用する「レーン」という概念があり、例えば「x1」「x4」「x8」「x16」といった表記は、それぞれ1レーン、4レーン、8レーン、16レーンを使って通信することを意味する。レーンの数が多いほど、一度に転送できるデータ量が増え、より高い帯域幅(データ転送速度の上限)を実現できる。

PCI Express 4.0では、1レーンあたりのデータ転送速度がPCI Express 3.0の8ギガトランスファー/秒(GT/s)から16 GT/sへと倍増した。ここで言う「GT/s」は、1秒間に転送できる信号の回数を表すもので、実際のデータ量とは異なる。実際のデータ転送速度を計算するには、データの誤り訂正などを行うためのエンコーディング方式を考慮する必要がある。PCI Express 3.0および4.0では「128b/130bエンコーディング」という方式が採用されており、これは130ビットの信号の中に128ビットのデータが含まれていることを意味する。

このエンコーディングを考慮すると、PCI Express 3.0の1レーンあたりの実効転送速度は約0.985ギガバイト/秒(GB/s)であったのに対し、PCI Express 4.0では約1.97 GB/s、およそ2 GB/sとなる。最も一般的な拡張スロットであるx16スロットの場合、PCI Express 3.0では最大約15.75 GB/sの帯域幅であったのに対し、PCI Express 4.0では約31.5 GB/sと、こちらも倍増している。

この帯域幅の飛躍的な向上は、特に以下の分野で大きなメリットをもたらす。

第一に、グラフィックスカード(GPU)の性能向上である。近年、ゲームやプロフェッショナル用途におけるグラフィックスの表現力は増大の一途を辿っており、GPUとCPU間、あるいはGPUのVRAMとシステムメモリ間で交換されるデータ量も爆発的に増加している。PCI Express 4.0の広大な帯域幅は、高解像度でのゲームプレイや、AI学習、3Dモデリングといった重い処理を行う際に、GPUがデータ不足で性能を発揮できないボトルネックを解消し、よりスムーズで高速な処理を可能にする。

第二に、NVMe SSDの高速化である。NVM Express(NVMe)プロトコルを利用したSSDは、従来のSATA接続のSSDと比較して格段に高速なデータ転送を実現するが、その性能を最大限に引き出すためには、十分なPCI Expressの帯域幅が必要となる。PCI Express 4.0に対応したNVMe SSDは、シーケンシャルリード/ライト速度が最大で7000MB/sを超える製品も登場しており、これはPCI Express 3.0世代のSSDの限界であった3500MB/s程度を大きく上回る。これにより、OSの起動時間短縮、大容量ファイルのコピー時間短縮、ゲームのロード時間短縮など、システム全体の応答性が劇的に向上する。

第三に、高速ネットワークインターフェースカード(NIC)やその他の高性能拡張カードへの対応である。例えば、10ギガビットイーサネット(10GbE)やそれ以上の速度を持つネットワークカード、FPGAやAIアクセラレータなどの専門的な計算カードも、大量のデータを扱うため、PCI Express 4.0の広帯域が不可欠となる。

PCI Express 4.0は、下位互換性も保持している。これは、PCI Express 4.0対応の拡張カードをPCI Express 3.0のスロットに挿しても、PCI Express 3.0の速度で動作するという意味である。また、PCI Express 3.0のカードをPCI Express 4.0のスロットに挿した場合も、PCI Express 3.0の速度で問題なく動作する。ただし、PCI Express 4.0の最大の性能を引き出すためには、CPU、マザーボードのチップセット、そして拡張カードの全てがPCI Express 4.0に対応している必要がある。

PCI Express 4.0は、2017年に最終仕様が策定され、その後、AMDのRyzen 3000シリーズCPUとX570チップセットを皮切りに、Intelの最新CPUやチップセットでもサポートが進み、現在では高性能PCの標準的なインターフェースとして広く普及している。さらに高性能を求める次世代規格としてPCI Express 5.0も登場しつつあるが、PCI Express 4.0は依然として多くのユーザーにとって十分な性能を提供し、高性能コンピューティングを支える重要な技術の一つである。

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