TLS接続(ティエルエスせつぞく)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説
TLS接続(ティエルエスせつぞく)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。
読み方
日本語表記
トランスポート層セキュリティ接続 (トランスポートソウセキュリティーセツゾク)
英語表記
TLS connection (ティエルエス コネクション)
用語解説
TLS接続とは、インターネット上でのデータ通信を安全に行うためのプロトコルであり、主にウェブサイトの閲覧や電子メールの送受信など、機密性の高い情報をやり取りする際に用いられる。これは、通信内容の盗聴や改ざん、なりすましを防ぎ、ユーザーが安心してサービスを利用できるようにするために不可欠な技術だ。ウェブサイトのURLが「http」ではなく「https」で始まる場合、そのサイトとの通信はTLSによって保護されていることを意味する。TLSは以前「SSL(Secure Sockets Layer)」という名称だったが、現在はその後継として「TLS(Transport Layer Security)」という名称が正式に採用されている。しかし、今でもSSLという言葉が使われることも多く、両者は実質的に同じ技術を指す場合が多い。
TLS接続が提供する主要な機能は、暗号化、データの完全性保証、そして認証の三つだ。 まず「暗号化」は、通信されるデータを第三者に読み取られないようにする機能だ。たとえば、オンラインショッピングでクレジットカード情報を入力した場合、その情報がネットワーク上を流れる際に、意味不明な文字列に変換される。これにより、もし悪意のある第三者が通信を傍受したとしても、その内容を解読することは極めて困難になる。 次に「データの完全性保証」は、通信中にデータが改ざんされていないことを確認する機能だ。送信されたデータが目的地に到達するまでに、内容が意図せず変更されたり、悪意を持って改ざんされたりすることがないかをチェックする。もし改ざんが検出された場合、TLSは通信を中断し、安全ではない状態であることを伝える。 最後に「認証」は、通信相手が本物であることを確認する機能だ。特にウェブサイトとの通信では、アクセスしているサーバーが正規のものであることをクライアント側が確認するために重要だ。この認証は、「デジタル証明書」と呼ばれる電子的な身分証明書と、それを発行する「認証局(CA: Certificate Authority)」という信頼された第三者機関によって行われる。サーバーは自身のデジタル証明書をクライアントに提示し、クライアントはその証明書が信頼できる認証局によって発行されたものであることを確認することで、サーバーの正当性を検証する。
これらの機能を実現するために、TLS接続は「TLSハンドシェイク」と呼ばれる一連の複雑な手順を踏む。これは、クライアントとサーバーが安全な通信を開始する前に、お互いに様々な情報を交換し、通信方法を取り決めるプロセスだ。具体的には、まずクライアントがサーバーに対して通信を開始する意図を伝え、利用可能な暗号化方式のリストなどを送る。次に、サーバーはそのリストの中から適切な暗号化方式を選択し、自身のデジタル証明書をクライアントに送り返す。クライアントは受け取ったデジタル証明書が信頼できるものかを確認し、問題なければ、安全な通信に使う「共通鍵」と呼ばれる暗号鍵を生成し、その鍵をサーバーの公開鍵で暗号化してサーバーに送信する。サーバーは自身の秘密鍵でそれを復号し、共通鍵を入手する。こうして、クライアントとサーバーは同じ共通鍵を共有することになる。この共通鍵は、その後のデータの暗号化と復号に利用される。この方式は、公開鍵暗号方式と共通鍵暗号方式を組み合わせたもので、公開鍵暗号方式を使って安全に共通鍵を交換し、その後の大量のデータ通信には高速な共通鍵暗号方式を用いるという効率的な仕組みだ。
TLSハンドシェイクが完了し、共通鍵が安全に共有された後は、その共通鍵を用いて実際のアプリケーションデータ(ウェブページのコンテンツや入力フォームのデータなど)が暗号化されて送受信される。この一連のプロセスは非常に高速に行われるため、ユーザーはTLS接続が行われていることを意識することなく、安全な通信を利用できる。
TLSプロトコルは継続的に進化しており、より高いセキュリティレベルを提供するために新しいバージョンが開発されている。現在主流となっているのはTLS 1.2だが、最新のTLS 1.3はさらにセキュリティが強化され、ハンドシェイクの高速化も図られている。古いTLSバージョンには既知の脆弱性が存在する可能性があり、そのため利用するアプリケーションやサーバーは常に最新の、あるいは推奨されるTLSバージョンを使用することが重要となる。ウェブブラウザでサイトを閲覧する際、アドレスバーに表示される鍵マークや「https」の表示は、そのウェブサイトとの通信がTLSによって保護されていることを示しており、ユーザーが安心して利用できるウェブサイトであることの一つの指標となっている。TLS接続は、現代のインターネットにおいて、情報セキュリティの基盤を支える最も重要な技術の一つと言える。