Webエンジニア向けプログラミング解説動画をYouTubeで配信中!
▶ チャンネル登録はこちら

USBケーブル(ユーエスビーケーブル)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

USBケーブル(ユーエスビーケーブル)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

作成日: 更新日:

読み方

日本語表記

ユーエスビーケーブル (ユーエスビーケーブル)

英語表記

USB cable (ユーエスビーケーブル)

用語解説

USBケーブルは、Universal Serial Busの頭文字を冠するその名の通り、パソコンをはじめとするデジタル機器と周辺機器を接続するための汎用的なインターフェース規格に準拠したケーブルである。データ転送と電力供給という二つの主要な機能を一本のケーブルで実現し、現代のデジタル環境において不可欠な存在となっている。1990年代半ばに登場したUSB規格は、それまで乱立していたRS-232C(シリアルポート)、パラレルポート、PS/2ポートといった様々な接続インターフェースを統合し、ユーザーの利便性を飛躍的に向上させることを目的として開発された。プラグアンドプレイ(接続するだけで利用可能になる機能)とホットプラグ(電源が入ったままで抜き差しできる機能)に対応し、デバイスの接続を容易にした点も、その普及を後押しした大きな要因である。プリンター、キーボード、マウス、外付けストレージ、スマートフォン、デジタルカメラなど、身の回りにあるほとんどのデジタルデバイスがUSBポートを備え、USBケーブルを通じてコンピューターと通信している。

USBケーブルは、その登場以来、技術の進化とともに多くのバージョンアップとコネクタ形状の多様化を経てきた。初期のUSB 1.xは、最大1.5Mbps(Low Speed)または12Mbps(Full Speed)という比較的低速な転送速度だったが、マウスやキーボードといった入力デバイスには十分な性能であった。その後、2000年に登場したUSB 2.0(Hi-Speed)では、最大480Mbpsへと大幅に高速化され、外付けハードディスクやデジタルカメラなどの高速データ転送を必要とするデバイスにも対応できるようになった。さらに、2008年以降に登場したUSB 3.xシリーズ(SuperSpeed、SuperSpeed+)では、最大5Gbps(USB 3.0/3.1 Gen1)、最大10Gbps(USB 3.1 Gen2)、最大20Gbps(USB 3.2 Gen2x2)と、段階的に転送速度が向上し、大容量データの高速バックアップや高精細な映像編集など、より高度な用途にも対応している。最新のUSB 4(USB4 Gen 3x2)はThunderbolt 3をベースに開発され、最大40Gbpsという驚異的な転送速度を実現し、さらに最近発表されたUSB4 Version 2.0では最大80Gbpsを達成している。これらのバージョンは、下位互換性を持つため、例えばUSB 3.0対応のケーブルをUSB 2.0ポートに接続することは可能だが、転送速度はUSB 2.0の仕様に制限される。

USBケーブルには、用途や機器に応じて様々なコネクタ形状が存在する。最も一般的なのは、ホスト側(パソコンなど)に接続される長方形の「Type-A」コネクタである。デバイス側では、プリンターや外付けHDDによく見られる四角形の「Type-B」コネクタや、かつてスマートフォンや小型デバイスで広く普及した台形の「Micro-B」コネクタなどがある。特に「Micro-B」はAndroidスマートフォンの標準充電ポートとして一時代を築いた。そして、現代において最も注目されているのが「Type-C」コネクタである。これは上下左右対称でリバーシブルな形状をしており、接続時に向きを気にしなくてよいため、非常に利便性が高い。Type-Cは、データ転送、電力供給、映像出力といった多様な機能を一本のケーブルで実現できる汎用性の高さが特徴である。多くの最新のスマートフォン、ノートパソコン、タブレット、モニターなどで採用され、USB PD(Power Delivery)と組み合わせることで、ノートパソコンのような消費電力の大きいデバイスへの高出力給電も可能になっている。

USBケーブルの内部は、電力供給用の導体とデータ転送用の導体で構成されている。基本的には、電源供給用のVBUSとGNDの2本の線に加え、データ転送用のD+とD-の差動ペア線で構成されるが、USB 3.x以降の高速転送規格では、さらに追加のデータ転送用差動ペア線が複数本内蔵されている。これらの導体は、外部からの電磁ノイズやケーブル内部での信号干渉を防ぎ、安定した通信を保証するために、シールド材で丁寧に覆われている。高速なデータ転送が要求されるケーブルほど、高品質なシールドが不可欠となる。また、USBケーブルには推奨される最大ケーブル長が存在し、例えばUSB 2.0では5メートル、USB 3.xでは3メートルが目安とされている。これは、ケーブルが長くなるほど信号の減衰が大きくなり、転送速度の低下や通信の不安定さを引き起こす可能性があるためである。長距離接続が必要な場合は、信号を増幅する機能を持つリピーターケーブルや、電源供給能力の高いセルフパワー型USBハブの使用が推奨される。

電力供給機能に関して、USB規格は初期からデバイスへの給電をサポートしてきた。USB 2.0では最大5V/500mA(2.5W)、USB 3.0では最大5V/900mA(4.5W)が標準的な給電能力であった。しかし、スマートフォンの急速充電やノートパソコンへの給電といったより高い電力要求に対応するため、「USB Power Delivery(USB PD)」という規格が登場した。USB PDはUSB Type-Cコネクタと組み合わせて利用され、最大240W(20V/12A)という非常に高い電力供給を可能にする。これにより、スマートフォンだけでなく、これまで専用のACアダプターが必要だったノートパソコンや大型モニターなども、USB Type-Cケーブル一本で充電・給電できるようになり、利便性が大きく向上した。USB PD対応のケーブルには「E-Marker(電子マーカー)チップ」が内蔵されている場合が多く、このチップがケーブルの対応バージョン、最大電流・電圧、ケーブル長などの情報をホストデバイスに伝えることで、適切な電力供給や機能ネゴシエーションを可能にしている。

USB Type-Cコネクタのもう一つの重要な機能として「Alternate Mode(Alt Mode)」がある。これはUSB本来のデータ転送とは異なる種類の信号をUSB Type-Cケーブル上で伝送する機能である。例えば、DisplayPort Alternate ModeやHDMI Alternate Modeを利用することで、一本のUSB Type-Cケーブルで映像出力、データ転送、電力供給を同時に行うことが可能になり、特にモバイルデバイスと外部モニターとの接続において、ケーブル配線を大幅に簡素化できるようになった。システムエンジニアを目指す初心者にとっては、これらのUSBケーブルの多様な機能と規格を理解し、適切なケーブルを選択できる能力が重要である。デバイスを接続する際には、まず接続先のポートとデバイスのコネクタ形状が一致しているかを確認し、次にデータ転送速度や電力供給能力が要求仕様を満たしているか、ケーブルのバージョンや対応するUSB PDのワット数を確認することが不可欠である。特に、高速データ転送や高出力給電が必要な場面では、安価なだけのケーブルではなく、信頼できるメーカーの製品で、必要な機能を確実にサポートする品質のケーブルを選ぶことが、安定したシステム運用に繋がる。

関連コンテンツ