【ITニュース解説】The Backwards Way to $10K MRR: Build SEO First, Product Second
2025年09月11日に「Dev.to」が公開したITニュース「The Backwards Way to $10K MRR: Build SEO First, Product Second」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
製品開発はアイデア先行だと失敗リスクが高い。まずSEOで市場のキーワード需要を検証し、トラフィックを得てから製品を作る「Backwards Way」を推奨する。簡易サイトで集客し、ニーズが確認できたものだけを最小限の機能で製品化すれば、データに基づき低リスクで開発できる。
ITニュース解説
多くの開発者は、新しいアイデアが浮かぶとすぐに製品のコードを書き始める。これは自然な流れに見えるが、実は非常にリスクが高い開発方法である。数ヶ月かけて製品を開発したものの、誰も必要としていない問題の解決策だったり、顧客が代金を支払わないものだったりする可能性が少なくない。実際、スタートアップ企業の約90%が失敗し、その最大の理由が「市場にニーズがなかった」ことだという。これは、何千時間もの労力と多額の費用が無駄になることを意味する。
しかし、製品のコードを一行も書く前に、そのアイデアに対する実際の需要があるかどうかを検証できる、より予測可能でリスクの低い方法が存在する。これは、大量の検索が行われているキーワードを見つけ、そのキーワードで検索エンジンの上位に表示されるようなコンテンツを作成し、実際にトラフィック(ウェブサイトへの訪問者)が集まることで需要が確認されてから初めて製品を開発するというアプローチである。この「逆張り」のアプローチは、従来の「アイデアを思いつく→製品を作る→公開する→マーケティングする→ユーザーが来ることを願う」という流れとは異なり、「キーワードを調査する→SEOコンテンツを作る→トラフィックを集める→需要を検証する→製品を作る」というデータに基づいた製品開発を可能にする。これにより、人々がすでに探しているものを開発できるため、当て推量や期待に頼ることなく、成功の確率を高めることができる。
このSEOファースト戦略は、いくつかのステップで構成されている。まず、「キーワードハント」から始める。これは、様々なニッチな分野で、以下の条件を満たすキーワードを10個見つける作業である。月間10,000回から100,000回もの検索ボリュームがあり、キーワード難易度(検索上位表示の難しさ)が30未満と比較的低く、そして商業的意図、つまり人々が解決策に対して料金を支払う意思があるキーワードを選ぶ。例えば、「invoice generator free(無料の請求書作成ツール)」や「pdf to excel converter(PDFからExcelへの変換ツール)」、「qr code api pricing(QRコードAPIの価格)」、「color palette generator(カラーパレット生成ツール)」といったキーワードが挙げられる。
次に、「散弾銃アプローチ」と呼ばれる方法で、見つけたキーワードのアイデアに分散投資する。具体的には、キーワードをそのまま含むようなドメイン名(例:invoicegeneratorfree.com)を一つあたり10ドルから15ドル程度で登録する。その後、それらのドメインに対して、すべて同じテンプレートを使ったシンプルなランディングページを作成する。ランディングページには、ツールの説明、機能リスト、そしてまだ製品が存在しなくても価格設定を記載し、メールアドレスの登録フォームやフィードバックウィジェット(UserJotなど)を設置する。さらに、各サイトで3〜5本のSEOコンテンツ記事(例:「無料で請求書を作成する方法」など)を作成し、基本的なリンク構築(ディレクトリ登録や関連ニッチでのゲスト投稿など)を行う。これら10サイトすべてに対する総作業時間は、各サイトあたり2〜3時間程度、総費用は約200ドルと非常に低い。
その後は「待機と観察」のフェーズに入る。2〜3ヶ月間、サイトのパフォーマンスを観察すると、いくつかのパターンが見えてくる。例えば、2〜3サイトは検索結果の1〜2ページ目にランクインし始め、3〜4サイトは3〜5ページ目に位置して将来性が期待でき、残りの3〜4サイトは全くランクインしないといった具合だ。ここで重要なのは、上位にランクインし始めた「勝ち組」のサイトにさらにコンテンツを追加して力を入れ、全くランクインしなかった「負け組」のサイトは諦めることである。
そして、最も重要なステップとして、「ランクインしたものだけを構築する」という段階に進む。あるサイトが検索結果の1ページ目に到達し、月間1,000人以上の訪問者を集めるようになったら、そのキーワードに対する最もシンプルなバージョンの製品(MVP: Minimum Viable Product)を構築する。例えば、請求書ジェネレーターのサイトが主要キーワードで6位にランクインし、月間3,000人の訪問者を集めていれば、たった週末の間に基本的な請求書ジェネレーターを作成し、決済システムを導入することで、月間2〜3,000ドルの収益を生み出すことが可能になる。このMVPは、人々が検索していたたった一つのコア機能さえあれば十分であり、それ以上は必要ない。
製品をローンチし、実際に料金を支払う顧客が現れたら、彼らのフィードバックに基づいて製品のロードマップを決定する。UserJotのようなツールを活用し、サイトにフィードバックウィジェットを追加することで、顧客がどのような機能を必要としているかを直接知ることができる。SEOによって集まったトラフィックは、すでに解決策を求めている人々であり、彼らは最高の研究パネルとなる。彼らの要望に基づいて開発を進めることで、仮説に基づいた開発ではなく、実際の需要に基づいた製品改善が可能になる。
このアプローチが機能する理由はいくつかある。第一に、需要が検証されていることだ。毎月何万もの人々が検索しているということは、そこに確かな需要があることを意味する。第二に、リスクが低いこと。失敗しても、1つの実験にかかる費用は20〜30ドル程度であり、たった一つの成功が100の失敗を補って余りある。第三に、フィードバックが早いこと。2〜3ヶ月以内には、どのアイデアに可能性があるかをGoogleが教えてくれるため、無駄な開発を避けられる。第四に、配布が組み込まれていること。SEOからのトラフィックは無料で、時間が経つにつれて増加する。他の企業が広告費を払う中で、顧客は自然にあなたの製品を見つけてくれるのだ。第五に、収益化の道筋が明確であること。特定のツールを検索する人々は、その解決策を利用し、必要であれば料金を支払う意図を持っている。
この方法を実践することで、シンプルなPDFツールで月間5,000〜15,000ドル、APIサービスで月間10,000〜30,000ドルといった収益を上げることも可能となる。さらに素晴らしいのは、多くの製品が一度構築されると、ほとんど自動で運用できる点である。
もちろん、このアプローチに対して「情熱のあるものを作りたい」「低品質な製品ができるのではないか」「SEOは時間がかかりすぎる」といった反論もあるだろう。しかし、情熱のあるプロジェクトは、この方法で得た収益を資金源にして、サイドプロジェクトとして開発すればよい。製品の品質についても、ユーザーからのフィードバックに耳を傾け、それに基づいて改善していけば、多くの成功したSaaS製品がそうであったように、シンプルなツールからでも素晴らしい製品へと成長させることが可能だ。また、SEOによる検証は確かに時間がかかるように思えるかもしれないが、間違った製品を6ヶ月かけて開発するよりも、3ヶ月で需要を検証する方がはるかに効率的である。
この実装の具体的な計画としては、最初の1ヶ月目でキーワード調査、ドメイン購入、ランディングページ構築、コンテンツ作成を開始する。2ヶ月目には初期コンテンツを完成させ、基本的なリンク構築と分析ツールの設定を行う。3〜4ヶ月目にはランキングを監視し、成果の出ているサイトに注力し、製品の構築を開始する。そして5〜6ヶ月目には製品をローンチし、決済処理とユーザーフィードバックツールを導入し、成功した製品をさらにスケールアップさせていく。
製品を構築し始めたら、せっかく集まったトラフィックを無駄にしてはならない。検索を通じてあなたの解決策を探している人々は、まさに金のような存在だ。彼らがサイトを離れる前に、彼らのフィードバックを捉えることが重要となる。UserJotのようなツールは、ランディングページにシンプルなウィジェットを追加するだけで、SEOからの訪問者が必要としているものを正確に教えてくれる。これにより、どの機能を開発すべきかを検証し、公開ロードマップで進捗を示し、変更ログ通知でユーザーのエンゲージメントを維持できる。
結局のところ、SEOファースト、製品セカンドという「逆張り」の製品開発アプローチは、リスクの均衡を完全に逆転させる。当て推量で開発し成功を願うのではなく、まずトラフィックで需要を検証する。これは決して派手な方法ではないかもしれないが、確実に機能する。週末に10個のキーワードの調査から始めることで、6ヶ月後には1つか2つの収益性の高いマイクロSaaS製品が安定した月間経常収益を生み出している可能性もあるのだ。