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【ITニュース解説】The best budgeting apps for 2026

2026年02月12日に「Engadget」が公開したITニュース「The best budgeting apps for 2026」について初心者にもわかりやすく解説しています。

作成日: 更新日:

ITニュース概要

Mintのサービス終了を受け、筆者は最適な家計簿アプリを探索。口座連携、予算管理、支出追跡などの機能を重視し、UIや料金も評価した。多くのアプリで金融データ連携にPlaidが利用されるが、過去にデータ収集での訴訟事例も。自分に合ったアプリ選びの参考に。

出典: The best budgeting apps for 2026 | Engadget公開日:

ITニュース解説

ニュース記事では、かつて人気を博した予算管理アプリMintが2024年3月にサービスを終了し、多くのユーザーが新たな代替アプリを探すことになった状況から始まる。これは、ITサービスが永遠に続くわけではなく、いつかサービス提供が終了し、ユーザーが代替手段を見つける必要に迫られるという現実を具体的に示している。Mintの親会社であるIntuitは、ユーザーを別の金融アプリCredit Karmaへ移行させようとしたが、記事筆者はそれがMintの適切な代替とはならないと判断し、自ら最適な予算管理アプリを探す旅に出る。この探求のプロセスを通じて、様々なアプリの機能や評価基準、そしてその背後にある技術的な仕組みが解説されている。

予算管理アプリの主要な機能は、ユーザーが持つ複数の金融機関の口座情報を一箇所に集約し、支出、収入、資産、負債などを包括的に管理できるようにすることだ。具体的には、銀行口座、クレジットカード、投資口座などの情報を連携させ、取引履歴を自動的に取り込んで分類し、支出の内訳を分析したり、月ごとの予算を設定して使いすぎを防止したりする。また、純資産の推移や信用スコアの管理機能を提供するアプリも存在する。システムエンジニアを目指す皆さんにとって、このようなデータの収集、一元管理、分析機能は、データベースの設計、APIを通じた外部システム連携、そしてユーザーインターフェース(UI)やユーザーエクスペリエンス(UX)の設計を考える上で重要なテーマとなるだろう。

記事筆者がアプリを評価する際に重視したのは、まず「すべての口座データを一箇所にインポートできること」である。これにより、ユーザーは自分の金融状況を網羅的に把握できる。次に、「予算管理ツールが提供されていること」と「支出、純資産、信用スコアを追跡できること」が挙げられる。これらの機能を実現するには、安全かつ効率的なデータ連携メカニズム、直感的で使いやすいUI、そして信頼性の高いデータ処理システムが必要となる。多くのアプリはiOS、Android、そしてウェブ版で提供されており、様々なプラットフォームでの利用が期待される。記事筆者は、徹底的なテストのために、保有するすべての口座を各アプリに登録した際、何度も二段階認証を求められる状況に直面したと述べている。これは、セキュリティを確保するための重要なプロセスであり、システム開発においては、強固なセキュリティとユーザーの利便性をいかに両立させるかという課題が常に存在する。

「PocketGuard」というアプリの例からは、無料版と有料版のビジネスモデルがユーザー体験にどのように影響を与えるかが示唆される。かつては無料の予算トラッカーとして評価されていたPocketGuardだが、現在は無料期間が7日間に限定され、その後は有料プランへの加入が必要となる。このビジネスモデルの変更は、アプリの価値提案を大きく変えたと指摘されている。また、アプリのUIについても、「磨きが足りない」「アカウントタブが整理されていない」といった点が指摘されており、視覚的な分かりやすさや操作性(UX)が、アプリの評価に直結する重要な要素であることがわかる。ウェブ版がモバイルアプリを単に拡大しただけのように感じられ、大きな画面スペースを有効活用できていないという指摘は、各プラットフォームの特性に合わせたデザインと機能の実装が重要であることを示している。

これらの予算管理アプリが、様々な金融機関からどのようにデータを取得しているのかという疑問に対する答えが、「Plaid(プレイド)」という技術だ。Plaidは2013年に創業したフィンテック企業で、現在では銀行と第三者アプリを安全に接続するための業界標準ネットワークとして機能している。アメリカ、カナダ、ヨーロッパの12,000以上の金融機関と連携し、8,000以上の第三者アプリやサービスがPlaidを利用している。

Plaidの仕組みは、ユーザーが予算管理アプリ内で「口座を追加する」機能を選択すると、Plaidが提供するインターフェースが表示され、そこで自分の利用している銀行を選択し、インターネットバンキングのログイン情報を入力する。二段階認証が設定されている場合は、追加でワンタイムパスコードの入力も求められる。Plaidは、この入力された情報を利用して銀行と安全に通信し、口座残高、取引履歴、口座種別、ルーティング番号や口座番号といった金融データを第三者アプリに「通過させる」役割を担っている。これは、API(Application Programming Interface)を通じて、異なるシステム間でデータが安全にやり取りされる典型的な例である。システムエンジニアを目指す皆さんには、このような「ミドルウェア」や「プラットフォーム」の概念、そしてAPI連携が現代のITサービスにおいていかに重要な技術であるかを理解してほしい。

Plaidは、データの安全性を確保するために暗号化技術を利用しているとされ、顧客データを他の企業に販売したり貸与したりしない方針を掲げている。しかし、記事では2022年にPlaidがクラスアクション訴訟で5800万ドルの和解金を支払うことになった事例にも触れている。この訴訟は、「必要以上の金融データを収集した」という疑惑に基づくもので、和解の一環としてPlaidは一部の事業慣行を変更することを余儀なくされた。この事例は、技術的な安全策だけでなく、データプライバシーに関する倫理的・法的な側面がいかに重要であるかを教えてくれる。ユーザーデータの扱い方、収集する情報の範囲、そしてその利用目的について、企業は常に透明性を持ち、責任を果たす必要がある。これは、システムエンジニアがシステムの設計や開発を行う際に常に念頭に置くべき、非常に重要な点だ。

最後に、Mintがサービスを終了した理由についてだが、親会社のIntuitは具体的な理由を公表していない。しかし、Mintの数百万人のユーザーをCredit Karmaに誘導しようとした背景には、企業戦略上の判断があったと推測される。Intuitは他にもTurboTaxやQuickBooksといった強力な金融製品を多数所有しており、事業の選択と集中、あるいは製品ポートフォリオの最適化といった観点から、Mintの運営を終了し、ユーザー基盤を既存の主力サービスに統合しようとした可能性がある。IT業界では、企業が戦略的にサービスを統合・廃止したり、新たな方向へシフトしたりすることは珍しくない。これもまた、システムエンジニアとして、自分が携わるサービスのライフサイクルや、ビジネス戦略が技術に与える影響を理解する上で重要な視点となる。

このニュース記事は、単なる予算管理アプリのレビューに留まらず、現代のフィンテックサービスがどのように構築され、運営されているのか、その裏側にある技術的な仕組みや、サービス運営におけるビジネス的・倫理的課題(無料サービスの維持、UI/UXの重要性、データプライバシー、企業戦略によるサービス終了など)を包括的に示している。システムエンジニアを目指す初心者にとって、これらの具体例は、将来自分が開発や運用に携わるであろうシステムの姿を想像し、多角的な視点から物事を考える良いきっかけになるだろう。

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