【ITニュース解説】Closure, Fetch and Axios in Javascript

2025年09月07日に「Dev.to」が公開したITニュース「Closure, Fetch and Axios in Javascript」について初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

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ITニュース概要

JavaScriptのClosureは、外部関数の変数を内部関数が使い続けられる機能で、データ保護などに役立つ。Fetchはサーバーと非同期にデータを送受信し、Promiseを返す。Axiosはより高機能なHTTP通信ライブラリで、応答を自動でJSON形式に変換する。

出典: Closure, Fetch and Axios in Javascript | Dev.to公開日:

ITニュース解説

JavaScriptはWebアプリケーション開発の根幹をなすプログラミング言語であり、その機能を深く理解することは、システムエンジニアを目指す上で非常に重要だ。ここでは、JavaScriptの強力な機能であるクロージャ、そしてサーバーとの通信を行うためのFetch APIとAxiosライブラリという、三つの重要な概念について詳しく解説する。これらは現代のWebアプリケーション開発において不可欠な要素であり、それぞれの仕組みと使い方を学ぶことで、より高度なアプリケーションを構築する基礎が身につくはずだ。

クロージャはJavaScriptにおける非常に強力な機能の一つで、内側の関数が外側の関数で宣言された変数にアクセスし続けられる仕組みを指す。このアクセスは、たとえ外側の関数がすでに実行を終えていたとしても維持されるのが大きな特徴だ。この性質のおかげで、外部から直接変更されたくない、いわゆる「プライベートな」変数やメソッドを作成することが可能になる。これにより、データの意図しない変更を防ぎ、プログラムの堅牢性を高めることができる。また、特定の状態を記憶し続ける必要がある場合、例えばWebアプリケーションにおけるユーザーのセッション情報や、一度だけ実行されるべき初期化処理などを実現する際にもクロージャは非常に役立つ。非同期処理のコールバック関数で、特定のコンテキストやデータを保持したい場合にも頻繁に利用される基本的な概念だ。

提供されたコード例を見てみよう。accountという関数がinitialAmountを受け取り、その値でbalanceという変数を初期化している。このbalanceaccount関数の内部にだけ存在し、外部からは直接参照したり変更したりできない。しかし、account関数はdepositという別の関数を返している。このdeposit関数はaccount関数の内部で定義されており、外側のaccount関数が宣言したbalance変数にアクセスする能力を持つ。account関数が実行を終えても、deposit関数が参照する限りbalance変数はメモリ上に保持され続ける。const deposit1 = account(1000);が実行されると、deposit1という定数には、balance1000で初期化された状態のdeposit関数が代入される。次にdeposit1(500);と呼び出すと、このdeposit1が保持するbalance500が加算され、その結果である1500がコンソールに出力される。このように、クロージャは関数がその生成時の環境を記憶し、特定のデータを安全かつ効率的に管理するための基盤となる重要な概念なのである。

次に、現代のWebアプリケーション開発でサーバーとの通信を行う際に頻繁に利用されるFetch APIについて解説する。Fetchは、Webブラウザがサーバーからデータを取得したり、逆にサーバーへデータを送信したりするための標準的なインターフェースだ。例えば、Webページを表示する際に、別のサーバーから最新の商品情報やユーザーのプロフィールデータを動的に取得し、ページの一部を更新するといった場面で活用される。

Fetchの最も重要な特徴の一つは、非同期で動作する点だ。これは、サーバーからのデータ取得のような時間のかかる処理を実行している間も、JavaScriptコードの他の部分が停止することなく実行を継続できることを意味する。もし同期的に動作した場合、サーバーからの応答を待っている間、Webページがフリーズしてしまい、ユーザー体験を損なう可能性がある。Fetchはこの問題を解決し、ユーザーにスムーズな操作性を提供する。 Fetch関数は、Promiseと呼ばれる特別なオブジェクトを返す。Promiseは、非同期処理が将来的に成功するか失敗するかのどちらかであるという「約束」を表す。処理が成功した場合にはthenメソッドで成功時の処理を定義し、失敗した場合にはcatchメソッドでエラー処理を定義するのが一般的だ。提供されたコード例では、https://fakestoreapi.com/productsというURLから商品データを取得している。fetch関数がPromiseを返し、最初のthenメソッドで、サーバーから返された生のHTTPレスポンスをres.json()メソッドを使ってJSON形式に変換している。これは非同期処理なので、さらにPromiseを返す。そして、二つ目のthenメソッドをチェーンして、変換されたJSONデータをコンソールに出力している。もしデータ取得や変換の過程で何らかのエラーが発生した場合は、catchメソッドがそのエラーを受け取り、処理を行う。このように、FetchはURLとオプションを引数として受け取り、非同期処理を通じてサーバー通信を実現する、現代のWeb開発には欠かせない強力なツールである。

最後に、AxiosというHTTPリクエストライブラリについて解説する。AxiosはJavaScriptでHTTPリクエストを行うための、非常に人気があり、多機能なオープンソースライブラリだ。Fetch APIと同様にサーバーとのデータ通信に利用されるが、より使いやすく、開発者が求める多くの機能が標準で備わっている点が特徴として挙げられる。

Axiosの大きな利便性の一つは、サーバーからのレスポンスを自動的にJSON形式に変換してくれることだ。Fetchの場合、取得したレスポンスを生のHTTPレスポンスからres.json()のように明示的に呼び出してJSON形式に変換する必要があったが、Axiosではこの変換処理が自動的に行われるため、開発者はコードをより簡潔に記述できる。また、Axiosはリクエストやレスポンスのインターセプター(通信の途中で処理を挟み込む機能)や、リクエストのキャンセル機能、エラーハンドリングのしやすさなど、より高度な機能を提供している。これらの機能は、大規模なアプリケーション開発において、コードの管理やデバッグを容易にするのに役立つ。

提供されたコード例を見ると、axios.getメソッドを使って指定されたURLからデータを取得していることがわかる。getメソッドはHTTPのGETリクエストを意味し、データの取得に用いられる。Fetchと同様に、AxiosもPromiseを返すため、thenメソッドで通信成功時の処理を、catchメソッドで通信失敗時のエラー処理を記述する。コードでは、取得したレスポンスオブジェクトをそのままコンソールに出力しており、res.json()のような明示的なJSON変換処理がない点がFetchとの違いとして見て取れる。エラーが発生した場合には、console.errorを使ってエラーメッセージを詳細に表示することで、問題の特定を助ける。このように、AxiosFetch APIと比較して、より手軽に、かつ高機能にHTTPリクエストを扱いたい場合に選択されることが多い、非常に便利なライブラリである。これらの機能やライブラリを使いこなすことは、現代のシステム開発において必須のスキルと言えるだろう。

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