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【ITニュース解説】From Freestyle to Pipeline as Code: Modern CI/CD with Jenkins

2025年09月17日に「Dev.to」が公開したITニュース「From Freestyle to Pipeline as Code: Modern CI/CD with Jenkins」について初心者にもわかりやすく解説しています。

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ITニュース概要

JenkinsのCI/CDは、GUI設定の「Freestyle」から、コードでパイプラインを定義する「Pipeline as Code」へ進化。Pipeline as Codeはバージョン管理や再現性に優れ、大規模開発やチーム連携に適している。MultibranchやOrganization Foldersで複雑なCI/CDも自動化でき、現代のDevOpsの基礎となる。

ITニュース解説

Jenkinsは、ソフトウェア開発において継続的インテグレーション(CI)と継続的デリバリー(CD)を実現するための中心的なツールとして長く使われてきた。CIとは、開発者が書いたコードを頻繁に統合し、自動的にテストを行うことで、問題点を早期に発見し解決する手法だ。CDは、CIのプロセスを経て品質が保証されたソフトウェアを、自動的に本番環境やテスト環境へデプロイする一連の流れを指す。これらのCI/CDのプロセスを効率的に管理するため、Jenkinsでは「ジョブ」と呼ばれる単位で様々な自動化タスクを設定するが、プロジェクトやチームの規模が拡大するにつれて、このジョブの管理方法も大きく変化してきた。特に重要なのが、初期の「Freestyleジョブ」から、より現代的な「Pipeline as Code」への移行だ。

Freestyleジョブは、Jenkinsを学び始める際に多くのエンジニアが最初に触れる設定方法である。これは、Jenkinsのウェブインターフェース(GUI)を通じて、コードのコンパイル、テストの実行、アプリケーションのデプロイといったタスクを一つずつ設定していく方式だ。小さなプロジェクトや、新しいアイデアを試す際の簡単な自動化には非常に便利で、直感的で分かりやすいと感じるだろう。しかし、Freestyleジョブにはいくつかの限界がある。まず、ジョブの設定情報がJenkinsサーバー内部にしか存在しないため、バージョン管理ができない。つまり、誰が、いつ、どのような変更を加えたのかを追跡するのが困難だ。もしJenkinsサーバーが故障したり、設定が誤って削除されたりすると、すべてのジョブ定義が失われてしまうリスクがある。また、複数の開発環境やブランチ(コードの派生)がある場合、それぞれの環境やブランチに対応するために個別のジョブを作成する必要があり、管理が非常に煩雑になる。これは、チームが大きくなり、ソフトウェアが複雑になるにつれて、スケーラビリティ(拡張性)の大きな課題となる。Freestyleジョブは、迅速な自動化や概念実証には適しているが、急速に成長し、共同作業が求められる開発環境では維持が難しい。

これらのFreestyleジョブの課題を解決するために登場したのが「Pipeline as Code」という考え方だ。これは、ビルドやデプロイといったCI/CDのすべてのロジックを「Jenkinsfile」という名前のファイルにコードとして記述し、アプリケーションのソースコードと同じようにバージョン管理システム(Gitなど)のリポジトリ内に保存する方法である。Jenkinsfileは、単純なビルドステップから、並行処理、条件分岐、承認プロセスを含む複雑なワークフローまで、あらゆる処理を記述できる。このパイプラインをコードとしてリポジトリに保存することで、いくつかの重要なメリットが生まれる。まず、パイプラインの定義自体がバージョン管理されるため、いつ、誰が、どのような変更を加えたかを追跡でき、必要に応じて以前の状態に戻すことも可能だ。また、Jenkinsfileはリポジトリ内に存在するため、非常にポータブル(持ち運び可能)で再現性が高い。もしJenkinsサーバーがダウンしても、新しいJenkinsインスタンスを立ち上げてリポジトリを指定するだけで、すべてのジョブを復元できる。これにより、Jenkinsサーバー自体は「使い捨て可能」なものとなり、パイプラインのロジックは安全にソースコードとともに保管される。さらに、開発者はアプリケーションコードを変更するのと同じように、プルリクエストを通じてパイプラインの変更を提案できるため、CI/CDプロセスがより透明になり、チーム全体のコラボレーションが促進される。これは現代のDevOpsプラクティスと完全に一致するアプローチだ。

現実のプロジェクトでは、単一のブランチで開発が進むことはほとんどなく、開発用、ステージング用、本番用、そして個々の新機能開発用のブランチなど、複数のブランチが同時に存在するのが一般的である。Freestyleジョブでこれらのブランチを一つ一つ手動で管理するのは、すぐに不可能になるだろう。ここで「Multibranch Pipelines(マルチブランチパイプライン)」がその真価を発揮する。マルチブランチパイプラインは、Jenkinsがリポジトリ内のすべてのブランチを自動的に検出し、それぞれのブランチに定義されたJenkinsfileに基づいてパイプラインを自動的に構築・実行する機能だ。たとえば、開発ブランチへの変更がプッシュされたら自動的にビルドとテストが走り、プルリクエストが作成されたらその変更内容がメインブランチにマージされる前にテストビルドがトリガーされる、といったことが可能になる。これにより、繰り返しの設定作業が不要になり、どのブランチでも一貫したCI/CDプロセスが保証される。各ブランチが独自のCI/CD定義を持つことで、例えば、メインブランチではコードレビュー後にビルドが行われ、ステージングブランチでは追加のテストが実行され、本番ブランチでは承認後にのみデプロイされる、といった柔軟なワークフローを簡単に実現できる。

さらに大規模な組織では、数百ものリポジトリのCI/CDを管理する必要がある。これを手動で行うのは現実的ではない。「Organization Folders(組織フォルダ)」は、このようなエンタープライズ規模の課題を解決するために導入された機能だ。JenkinsをGitHub組織やBitbucketチームと連携させることで、Jenkinsは連携した組織内のすべてのリポジトリを自動的にスキャンし、それぞれのリポジトリにPipeline as Codeとして定義されたパイプラインを自動的に作成する。新しいリポジトリやブランチが追加された場合も、Jenkinsがそれを自動的に検出し、手動での設定なしにジョブを生成する。プルリクエストも自動的に検出されるため、CI/CDの設定にかかる手間は劇的に削減される。この機能により、DevOpsエンジニアは個々のジョブを一つ一つ設定する代わりに、チームや組織全体のCI/CDを最小限のオーバーヘッドで管理できるようになる。これは、多くの動的な要素を持つ大規模な企業において、自動化と一貫性が極めて重要となる場面で特に強力なアプローチである。

FreestyleジョブとPipeline as Codeの間の違いは、単なる技術的な変更にとどまらず、根本的な思想の違いを反映している。FreestyleジョブはJenkinsサーバーを中心としており、その設定はサーバー内部に閉じていて手動での構成が必要だ。一方、Pipeline as CodeはGitを中心としており、パイプラインはリポジトリ内でコードとして管理され、ソフトウェアのコードと同じライフサイクルをたどる。Freestyleジョブはスケーラビリティや柔軟性に限界があるが、Pipeline as Codeはマルチブランチパイプラインや組織フォルダといった機能と連携することで、複雑な環境や大規模なリポジトリを容易に扱えるようになる。つまり、Freestyleジョブはシンプルなケースや学習には役立つものの、現代のCI/CDの基盤となるのはPipeline as Codeなのだ。

このFreestyleジョブからPipeline as Codeへの進化は、DevOpsにおける広範な変革を象徴している。今日のソフトウェアデリバリーは、自動化、再現性、そしてコラボレーションが重視される。パイプラインをコードとして管理することで、開発チームはバージョン管理、プロセスの透明性、そして高いスケーラビリティを手に入れる。Freestyleジョブは、Jenkinsの基本的な使い方を学ぶための良い出発点だが、本格的なプロジェクトにおいては、Pipeline as Codeを導入し、さらにマルチブランチパイプラインや組織フォルダといった機能を活用することが、これからのCI/CDの標準的な方法となる。これにより、CI/CDプロセスはJenkinsサーバーに縛られることなく、本来あるべき場所、すなわちコードベースそのものの中で管理されるようになる。

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