【ITニュース解説】How to Install Ubuntu 25.10 (Questing Quokka) on macOS With VirtualBox
2025年09月16日に「Dev.to」が公開したITニュース「How to Install Ubuntu 25.10 (Questing Quokka) on macOS With VirtualBox」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
macOS環境でVirtualBoxを使用し、開発版のUbuntu 25.10をインストールする手順と注意点を解説する。Apple M1 Macでの動作検証や、Extension Pack、Guest Additionsの活用、ディスク容量の確保といった設定のポイントを紹介。開発段階のため、不具合への対処も提案する。
ITニュース解説
システムエンジニアを目指す上で、複数のOS環境を効率的に利用する技術は非常に重要になる。ここでは、現在macOSを使用している環境で、仮想マシン技術を使ってLinuxの一種であるUbuntuを導入する方法と、その背景にある技術的な考え方について解説する。
まず、なぜmacOSユーザーがわざわざLinuxをmacOS上で動かすのかという点から説明する。記事の筆者は、かつてからLinuxを深く使いこなしてきた経験を持つが、現在は日常的にmacOSを利用している。しかし、Linuxの最新の進化や開発状況を常に把握しておきたいというニーズがある。最新の技術動向を追うことは、システムエンジニアにとって不可欠な姿勢だ。このような場合に、メインで使用しているOS環境をそのまま維持しつつ、別のOSを試したり学習したりするのに最適なのが「仮想マシン」である。仮想マシンは、コンピューターの中に仮想のコンピューターを作り出し、その仮想コンピューターの中に別のOSをインストールして実行する技術だ。物理的なハードウェアを買い足すことなく、一つのPC上で複数のOSを同時に動かせるのが大きな利点である。
今回の解説では、仮想化ソフトウェアとして「VirtualBox」を利用する。VirtualBoxはOracle社が提供するオープンソースの仮想化ソフトウェアで、Windows、macOS、Linuxなど様々なホストOS(仮想マシンを動かす土台となるOS)上で、ゲストOS(仮想マシンとして動かすOS)を実行できる。記事の筆者が使用しているのは、Apple M1チップを搭載したMac Miniだ。M1チップは従来のIntel製チップとは異なるアーキテクチャ(ARMアーキテクチャ)を採用しているため、従来の仮想化ソフトウェアはそのままでは動作しなかった。しかし、最近になってVirtualBoxもM1チップに正式対応したため、ARM版のmacOS上でARM版のUbuntuを実行できるようになった。これは、最新のハードウェア環境でも、柔軟に開発環境を構築できることを示している。
VirtualBoxをインストールした後、より快適に仮想マシンを利用するためには、いくつかの追加機能の導入が推奨される。一つは「Extension Pack」だ。これはVirtualBoxの機能を拡張するもので、例えば、USBデバイスへのアクセスや、より高度なネットワーク設定(ネットワークブリッジなど)を可能にする。記事の筆者が強調しているのは、マウスカーソルがホストOSとゲストOSの間をスムーズに行き来できるようになる点だ。Extension Packがない場合、マウスをゲストOSの外に出すためには特定キー(例えばEscキー)を押す必要があり、これが煩わしいと感じることがある。もう一つは、ゲストOSにインストールする「Guest Additions」だ。これは、ゲストOSの性能を最適化し、ホストOSとの連携を強化するためのドライバーやアプリケーションのセットである。例えば、画面解像度の自動調整や、ホストOSとゲストOS間でのファイル共有、クリップボードの共有などが可能になり、仮想環境での作業効率が格段に向上する。
次に、今回導入するUbuntu 25.10「Questing Quokka」について説明する。このバージョンは、記事執筆時点ではまだ正式リリース前の開発版だ。開発版のOSは、新しい機能が導入される一方で、安定性に欠ける場合がある。しかし、システムエンジニアとしては、正式リリース前に新しいOSの機能を試したり、互換性を確認したりするニーズもある。Ubuntu 25.10はARMv8アーキテクチャ向けの64ビットデスクトップイメージとして提供されており、Apple M1 MacのようなARMベースの環境で動作するように設計されている。開発版を試す際は、ダウンロード元が信頼できる公式なものであることを確認し、予期せぬ不具合に遭遇する可能性を理解しておく必要がある。
VirtualBox 7.1.xでは、仮想マシンのセットアップ時に「無人インストール」という機能が利用できる。これは、ユーザーがほとんど操作することなく、バックグラウンドでゲストOSのインストールを自動的に進める機能だ。インストールの際に、ユーザー名、パスワード、ホスト名といった基本的な情報を一度設定すれば、あとはVirtualBoxが自動的に必要な手順を実行してくれるため、その間、ユーザーは別の作業を進められる。インストール中は、VirtualBoxのプレビュー画面で進行状況を確認できる。もし何らかの問題が発生した場合は、プレビュー画面からログを確認したり、インストールのプロセスに介入したりすることも可能だ。開発版のOSでは、予期せぬエラーでインストールが中断されることもあり、記事の筆者も一時的にインストールがブロックされたため、より新しい「Daily Build」(毎日更新される開発版)に切り替えることで問題を解決した経験がある。開発版は不安定であることを前提に、常に最新のビルドや代替策を検討する柔軟性も求められる。
仮想マシンのディスク容量管理も重要な考慮事項だ。VirtualBoxはデフォルトで約25GBの仮想ディスク容量を割り当てるが、これは必ずしも物理ディスク上で実際に25GBを占有するわけではない。多くの仮想化ソフトウェアは「動的割り当て」という方式を採用しており、仮想ディスクが必要に応じて徐々に容量を増やしていくため、初期段階では割り当てた容量すべてが使われるわけではない。しかし、インストールの過程で一時的に多くのディスクスペースが必要となる場合や、特定の条件下でディスク容量不足が原因でインストールが失敗することがある。そのため、トラブルを避けるためには、ホストOSの物理ディスクに少なくとも10GB程度の空き容量を確保しておくことが推奨される。仮想マシンは、OS本体だけでなく、アプリケーションやデータ、OSのアップデートによっても容量が増えていくため、将来的な利用も考慮して余裕を持ったディスク設計が望ましい。
Ubuntu 25.10の新しい特徴として、Rust言語で再実装された「sudo-rs」の導入が挙げられているが、これはシステム内部の変更であり、通常のユーザーがその違いを直接感じることはほとんどない。このような内部的な変更については、OSのリリースノートなどを参照することで、より深く理解できる。システムエンジニアとして、表面的な機能だけでなく、OSの基盤となる技術や設計思想に目を向けることは、技術的な洞察力を高める上で非常に有益である。
このように、仮想マシンを利用することで、物理的な制約にとらわれずに多様なOS環境を構築し、最新技術の学習や検証を安全かつ効率的に進めることができる。システムエンジニアを目指す上で、仮想化技術は必須のスキルであり、実際に手を動かして環境を構築する経験は、貴重な学びとなるだろう。