【ITニュース解説】Kiro Workflow for Copilot, Claude & More
2025年09月08日に「Dev.to」が公開したITニュース「Kiro Workflow for Copilot, Claude & More」について初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。
ITニュース概要
Kiroのような開発フローをCopilotやClaudeで実現する「kiro-workflow-prompts」が公開。設計書を元にCopilotにタスクを実行させる。Kiroの課題だった、設計ファイルの読み込み不足を、プロンプトを工夫することで解決。タスク実行前に設計内容を要約させることで、AIが内容を深く理解することを促す。Copilotの他、Claudeなど他のAIエージェントにも適用可能。
ITニュース解説
このニュース記事では、KiroというAIツール(CopilotやClaudeのようなもの)のワークフローを、他のAIツールでも再現する方法を紹介している。Kiroは、設計書(design.md)などのファイルに基づいてコードを自動生成するツールだが、いくつかの課題がある。
Kiroの課題の一つは、設計書全体を十分に読み込まず、最初の数行だけを読んで作業を進めてしまうことだ。設計書が長い場合、この問題は深刻になる。その結果、意図した設計から大きく外れたコードが生成されることがある。また、Kiroはクローズドソースであるため、プロンプト(AIへの指示文)を調整することができない。そのため、ユーザーは毎回、設計からの逸脱を修正する必要があり、効率が悪い。
そこで、記事の著者は、CopilotやClaude Codeといった、より自由度の高いツールを使って、Kiroのようなワークフローを再現することを試みた。そして、特定のプロンプトを使うことで、それが可能であることを発見した。
具体的な方法としては、まず、Copilotにプロジェクトの仕様書を作成させる。この際、「/createSpec」というコマンドを使用する。例えば、「OAuth認証を備えたWebサービスを構築し、Google OAuthを統合し、ユーザー情報を保存するためのデータベースが必要」という要件をCopilotに与える。すると、Copilotは「requirements.md」というファイルを作成する。この過程で、ユーザーはCopilotと対話しながら、要件を詳細化していく。
次に、Copilotに設計段階に進むように指示する。この際、「/design」というコマンドを使用し、「requirements.md」を承認する。Copilotは、「design.md」という設計書ファイルを生成する。ここでも、ユーザーはCopilotの提案を微調整できる。
さらに、Copilotにタスクの計画を立てさせる。「/createTask」というコマンドを使用し、「design.md」を承認する。Copilotは、タスクリスト「tasks.md」を作成する。このファイルは、Kiroのルールに準拠しているため、この段階からKiroに切り替えてタスクを実行することも可能だ。
最後に、Copilotにタスクを実行させる。「/executeTask task1」というコマンドを使用する。タスク番号を指定することで、特定のタスクから実行できる。タスク番号を省略した場合、Copilotは最初の未完了タスクから実行を開始する。すべてのタスクが完了すると、ワークフローは終了する。
重要な点として、タスクの実行段階では、Copilotにすべてのファイルを徹底的にレビューさせることが重要だ。著者は、Copilotに各ファイルの要約を要求することで、Copilotが内容を十分に理解するようにしている。
このワークフローの最大の利点は、Kiroと同等以上の結果を、より使い慣れたツールで実現できることだ。また、プロンプトを自由に調整できるため、ユーザーは自分のニーズに合わせてワークフローをカスタマイズできる。例えば、著者のように、Copilotにファイルを徹底的に読み込ませるように指示することも可能だ。
このプロジェクトはGitHubで公開されており、他のユーザーもプロンプトを改良したり、新しいアイデアを共有したりすることができる。