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【ITニュース解説】Mac Headaches: External Monitors

2025年09月10日に「Dev.to」が公開したITニュース「Mac Headaches: External Monitors」について初心者にもわかりやすく解説しています。

作成日: 更新日:

ITニュース概要

Macで複数の外部モニターを接続するのは複雑だ。モデルや搭載プロセッサ、USB-CポートがDisplayPortかThunderboltかなどにより、対応可能なモニター数や接続方法が大きく異なる。macOSは一般的なMST(Multi-Stream Transport)に非対応。DisplayLinkはソフトウェアで複数モニターを可能にするが、性能や画質に制約があるため、自身のMacの仕様と利用目的に合わせた事前確認が重要となる。

出典: Mac Headaches: External Monitors | Dev.to公開日:

ITニュース解説

Macで外部モニターを接続する際、特に複数のモニターを利用しようとすると、かつてはシンプルだった作業が、現代では多くのユーザーにとって複雑な問題となることが多い。1990年代にはモニターごとに個別のビデオカードとケーブルを接続すれば済んでいたが、現在は技術の進化に伴い、考慮すべき点が多岐にわたるため、事前の理解が不可欠である。

Macの外部モニターサポートは、その種類や搭載しているApple Siliconプロセッサによって大きく異なる。例えば、同じMacBook Proという製品名でも、Mシリーズのベースチップ、Proチップ、Maxチップといったプロセッサの種類や世代(M2チップとM3チップなど)によって、接続可能なモニターの数や設定に制限がある。さらに、ノート型のMacには、ラップトップの蓋を開いた状態では1台の外部モニターしか利用できないが、蓋を閉じる「クラムシェルモード」で利用することで2台の外部モニターをサポートする、といった独特の制限があるモデルも存在する。これは、内蔵ディスプレイの駆動に必要なリソースが、外部モニターの接続数を制限するためである。また、iPadをセカンドスクリーンとして利用するSidecarや、AirPlayでテレビに画面を拡張するような特殊なケースも存在するが、これらがモニターの物理的な接続制限とどのように関連するのかは、まだ完全には明確になっていない部分がある。

最も確実な外部モニター接続方法は、それぞれのモニターをMac本体の利用可能なポートに直接接続することだ。デスクトップ型Macであればポート数も多いため比較的容易だが、ラップトップの場合、ポート数の限度やケーブルが煩雑になるため、1本のケーブルで複数の機能を提供できる「ワンケーブルソリューション」が多くのユーザーに求められている。

このワンケーブルソリューションを追求する上で、USB-Cポートの存在が大きな混乱の原因となる。USB-Cは物理的なコネクタの形状を指す名称であり、その内部ではUSB、Thunderbolt、DisplayPortといった複数の異なるデータ転送プロトコルをサポートしている。このUSB-Cコネクタが「Alternate Mode(代替モード)」と呼ばれる機能を通じて、DisplayPortやThunderbolt 3以降などの異なる信号を提供できるため、一見同じに見えるポートでも、その機能が異なる場合がある。MacのUSB-Cポートは主にUSB、Thunderbolt、DisplayPortの3つのプロトコルを提供できるが、すべてのUSB-CポートがThunderboltに対応しているわけではない。特にMac miniやMac Studioの前面ポートは、プロセッサによってはThunderboltではない場合があるため、自分のMacのポートがどの規格に対応しているかを確認することが重要となる。また、USB4という規格はThunderbolt 3/4のサポートを含むが、USB4対応デバイスが必ずしもThunderboltを完全にサポートするとは限らないため、さらに状況を複雑にしている。

DisplayPortとThunderboltのプロトコルの違いも理解が重要だ。Thunderboltは、複数のデバイスを数珠つなぎに接続する「デイジーチェーン」をサポートすることが多く、1つのポートから複数のディスプレイを接続できる利点がある。特にThunderbolt 3以降を搭載するMacでは、1つのThunderboltポートで2台のディスプレイをサポートできる能力を持つものが多い。しかし、デイジーチェーン接続が可能なモニターは、通常、プロフェッショナル向けで高価な傾向にある。一方、USB-Cポートを介したDisplayPort Alt-modeは、通常1つのポートにつき1つのディスプレイしかサポートしない。この制限が、多くのユーザーがワンケーブルソリューションとしてドックを利用しようとした際に直面する問題の原因となることが多い。

さらに、モニターの解像度(例えばAppleの「Retina」ディスプレイのような高解像度、通称HiDPI)やリフレッシュレートが高いと、必要なデータ転送の帯域幅も大きくなる。ドックやハブの内部設計によっては、この帯域幅がボトルネックとなり、Mac本体がサポートする最大数のディスプレイや高解像度での接続ができないことがある。Macの技術仕様にはディスプレイサポートに関する詳細な記述があるが、これはあくまでMac本体の能力であり、接続するドックの仕様によって最終的な制約を受ける可能性があることを理解しておくべきだ。

Windows PC向けに広く普及しているDisplayPort Multi-Stream Transport(MST)という技術は、1つのDisplayPort信号を複数のモニターに分割して出力できるものだが、macOSではこのMSTが全くサポートされていない。そのため、Windows環境で複数のモニターに対応すると宣伝されているドックや、MSTを利用してデイジーチェーン接続を可能にするモニターは、Macでは期待通りに動作しない可能性が高い。Macで使用すると、1台しかモニターが認識されないか、両方のモニターに同じ画面がミラーリングされるだけで、拡張ディスプレイとして利用できない、といった症状が現れることが多い。ドックを選ぶ際には、特にMac対応を明記している製品を選ぶことが極めて重要である。CalDigitやOWCのようなブランドはMacとの互換性で定評がある。

Macの外部モニターサポートが限られている場合に有効な代替手段として「DisplayLink」という技術がある。これは、専用のソフトウェアドライバーをOSにインストールすることで、仮想的なディスプレイを作成し、その情報をUSB経由でストリーミングするという方式である。DisplayLinkはMac、Windows、Linuxで広くサポートされており、ハードウェアの制限を回避して複数の外部モニター接続を可能にする。しかし、ソフトウェア処理に依存するため、一般的な利用(文書作成、プログラミング、ウェブ閲覧など)には問題がなくても、ゲーミングや動画編集など動きの多いコンテンツには不向きな側面がある。表示に遅延が生じやすく、画像品質も圧縮によって劣化する可能性があり、またデジタル著作権管理(DRM)が適用された高画質動画コンテンツの再生ができない、または画質が制限されるといった問題が発生することもある。色精度が重要な作業を行うユーザーには、このソリューションは推奨されない。DisplayLinkとMSTを利用するドックを見分けるには、製品の仕様にDisplayLinkと明記されているかどうかを確認することであり、情報が少ないドックはMSTを利用している可能性が高いと判断できる。

DisplayLink以外にもInstantViewやj5createといったソフトウェアベースのマルチモニターソリューションも存在するが、これらも同様にソフトウェアドライバーのインストールや特定のアプリの実行が必要であり、パフォーマンス、解像度、色の一貫性、遅延などの面で課題がある場合が多い。

外部接続デバイスとしては「ドック」と「ハブ」の区別も重要だ。ハブは特定の種類のポート(例: USBポート)を増やすことに特化しているのに対し、ドックは多様なポート(ディスプレイ、USB、イーサネットなど)をまとめて提供する。近年登場しているThunderboltハブは、1つのThunderboltポートから複数のThunderboltデバイスやディスプレイを接続できる真のハブとして進化しており、ほとんどのMacのThunderboltポートは1つのポートで2台のディスプレイをサポートできるため、限られたMacのポート数を補いながら複数ディスプレイ環境を構築する有効な手段となり得る。

結論として、Macで複数の外部モニターを接続する際には、考慮すべき点が非常に多い。接続したいモニターの数、それぞれの解像度、Macの蓋を閉じて使用するかどうか、許容できるケーブルの数、そしてDisplayLinkのようなソフトウェアベースのソリューションのトレードオフを受け入れられるか、といった要素が最終的な選択に影響する。これらの問題に対する万能な解決策はなく、個々の設定や使用状況に合わせて、事前の徹底的な調査が不可欠である。適切な情報源やAppleの公式サポート記事を参照し、自分のMacのモデルと要件を正確に把握することが、スムーズなマルチモニター環境構築への第一歩となるだろう。

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