【ITニュース解説】Use Lazy Routing with React Suspense to Optimize Performance

2025年09月03日に「Dev.to」が公開したITニュース「Use Lazy Routing with React Suspense to Optimize Performance」について初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

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ITニュース概要

Reactアプリの表示速度を上げる方法。`React.lazy`でコンポーネントを必要な時にだけ読み込む「遅延読み込み」を使い、`Suspense`で読み込み中にスピナーなどを表示する。これにより初期読み込みを減らし、パフォーマンスを最適化できる。(114文字)

ITニュース解説

Webアプリケーションのパフォーマンス、特にユーザーが最初にページを開いたときの表示速度は、ユーザー体験を左右する極めて重要な要素である。Reactで開発されたアプリケーションにおいて、この初期表示速度を最適化するための強力な手法として、コンポーネントの「遅延読み込み(Lazy Loading)」と、その間のユーザー体験を向上させる「Suspense」という機能の組み合わせが注目されている。

遅延読み込みとは、Webアプリケーションの全ての部品(コンポーネント)を起動時に一度に読み込むのではなく、特定の部品が実際に必要になったタイミングで初めて読み込む技術である。多くのWebアプリケーションには、トップページには表示されない設定画面や、特定のボタンを押した後にのみ表示されるダイアログなど、すぐには必要とされない機能が含まれている。従来の開発手法では、これらの機能も初回アクセス時に全て読み込んでしまうため、ユーザーが最初にダウンロードするファイルの総量(バンドルサイズ)が大きくなり、ページの表示が完了するまでに時間がかかってしまう問題があった。遅延読み込みを導入することで、初回に読み込むコードを必要最小限に抑え、ページの初期表示を高速化できる。Reactでは、バージョン16.6から導入されたReact.lazy()という関数を用いることで、この遅延読み込みを比較的簡単に実装することが可能になった。

しかし、遅延読み込みには考慮すべき点がある。ユーザーが特定の機能を使おうとアクションを起こした時点から、対応するコンポーネントの読み込みが開始されるため、ネットワークの状況によっては読み込みが完了するまでにわずかな待ち時間が発生する。この間、画面に何も変化がないと、ユーザーはアプリケーションが固まってしまったのではないかと不安に感じたり、操作が正しく受け付けられなかったのではないかと混乱したりする可能性がある。この問題を解決するために登場したのがSuspenseコンポーネントである。Suspenseは、遅延読み込みされるコンポーネントが読み込み完了するまでの間、一時的に代替のUIを表示するための仕組みだ。「読み込み中...」というテキストやローディングスピナーなどを「fallback」として指定しておくことで、Suspenseは対象コンポーネントの読み込みを検知し、完了するまで自動的にfallbackのUIを表示してくれる。これにより、ユーザーは現在データやコンポーネントを読み込み中であることを視覚的に理解でき、ストレスなく待つことができる。

具体的な活用例として、あるボタンをクリックするとファイルアップロード機能を持つモーダルウィンドウが表示されるケースを考える。このファイルアップロード機能は、データの変換や外部サービスとの通信など、比較的重い処理を含んでいるとする。遅延読み込みを適用しない場合、ユーザーがモーダルを開くかどうかに関わらず、ページの初期読み込み時にこの重いファイルアップロードコンポーネントも一緒に読み込まれる。その結果、ページ全体の表示が遅くなるだけでなく、モーダルを開くボタンを押した際の反応も、コンポーネントの初期化処理のために遅延することがあった。

この課題を解決するため、React.lazy()を用いてファイルアップロードコンポーネントを遅延読み込みの対象とする。そして、そのコンポーネントをSuspenseで囲み、fallbackとしてローディング表示を指定する。この実装により、ユーザーがページにアクセスした時点では、ファイルアップロードコンポーネントは読み込まれず、初期表示は非常に高速になる。ユーザーがモーダルを開くボタンをクリックすると、その瞬間にコンポーネントのダウンロードと読み込みが開始される。読み込み処理中は、Suspensefallbackに指定されたローディング画面がモーダル内に表示される。そして読み込みが完了次第、ローディング画面が自動的に本来のファイルアップロード機能の画面に切り替わる。

このようにReact.lazy()Suspenseを組み合わせることで、アプリケーションの初期パフォーマンスを大幅に改善し、同時にユーザー体験の低下を防ぐことができる。本当に必要なリソースを、必要なときにだけ読み込むというこのアプローチは、現代の複雑で多機能なWebアプリケーション開発において、必須とも言える最適化手法の一つである。

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