【ITニュース解説】ExpressVPN switches to multi-tiered pricing with more feature options

2025年09月05日に「Engadget」が公開したITニュース「ExpressVPN switches to multi-tiered pricing with more feature options」について初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

作成日: 更新日:

ITニュース概要

ExpressVPNは料金プランをBasic/Advanced/Proの3段階に刷新した。期間と組み合わせることで9通りの選択肢となり、機能と価格が異なる。これにより、利用者は必要な機能に応じて柔軟にプランを選べる。特にBasicプランは以前より安価で、主要なVPN機能を提供する。

ITニュース解説

ExpressVPNは、これまで提供してきたVPNサービスの料金体系を大幅に刷新し、ユーザーがより多様な選択肢から自分に合ったプランを選べるようにした。今回の変更で、サービスは「Basic(基本)」「Advanced(高機能)」「Pro(最上級)」という3つのレベルに分けられ、それぞれに月間、年間、2年間の契約期間が用意されることで、合計9種類の契約方法が生まれた。

以前のExpressVPNでは、全ての機能を利用するためには24ヶ月といった長期間の契約が必須だったが、新しい料金体系では、契約期間の長さではなく、ユーザーがどのサービスレベルを選択したかによって利用できる機能が決まるようになった。もちろん、以前と同様に長期間契約するほど月あたりの料金は割引される仕組みは維持されている。この変更は、NordVPNやSurfsharkといった競合他社が既に採用している多段階料金体系に追随する形となる。

新しいプランの詳細を見ていこう。「Basicプラン」は、ExpressVPNの主要なVPN機能を提供する。これには、高速で安全な通信を可能にする「Lightwayプロトコル」、VPN接続が予期せず切断された際にインターネット通信を自動的に遮断して情報漏洩を防ぐ「Network Lockキルスイッチ」、そして特定のアプリの通信だけをVPN経由にできる「スプリットトンネリング」といった機能が含まれる。また、広告や悪意のあるウェブサイトへのアクセスをブロックする機能も利用できる。Basicプランでは、ウェブサイトの追跡を防ぐ「トラッカーブロッカー」や、子供のインターネット利用を安全にする「ペアレンタルコントロール」は利用できない。同時に10台までのデバイスでVPN接続が可能で、料金は月額12.99ドル、年間74.85ドル、2年間97.72ドルとなっている。

次に「Advancedプラン」は、Basicプランの全機能に加え、より多くのセキュリティと利便性を提供する。同時接続可能なデバイス数は12台に増加する。Basicプランにはなかったトラッカーブロッカーとペアレンタルコントロールが追加され、さらにパスワードを一元管理できる「ExpressVPN Keysパスワードマネージャー」も提供される。海外旅行などで役立つ「eSIMサービス」が3日間分付与される。また、個人情報保護に特化した「Identity Defender」の一部機能もAdvancedプランから利用可能となる。これには、個人情報の漏洩があった際に通知するアラート、万が一の盗難被害に備える100万ドルの身元盗用保険、インターネット上から個人情報を削除するサービス、自身の信用情報を監視する機能が含まれる。ただし、これらのID保護機能は現時点では米国居住者のみが対象である。Advancedプランの料金は、月額13.99ドル、年間89.85ドル、2年間125.72ドルだ。特に1年間と2年間の契約は、以前のExpressVPNの料金体系と比較して安価になっている。Advancedプランの加入者には、eSIMサービスが5日間分提供され、ExpressVPNが提供するAircoveルーターを25%から50%割引で購入できるクーポンも付与される。

最上位の「Proプラン」は、Advancedプランの全ての機能に加えて、さらに充実したサービスを提供する。同時接続可能なデバイス数は14台にまで増える。BasicやAdvancedプランでは追加料金を支払うことで利用できる「専用IPアドレス」が、Proプランでは標準で付属する。専用IPアドレスは、自分だけが利用できる特定のインターネットアドレスで、安定した接続や特定のサービスへのアクセス時に役立つ場合がある。Identity Defender機能も強化され、毎月の信用報告とデータ削除サービスが提供される。Aircoveルーターの割引率も50%から75%と、Advancedプランよりも高くなる。Proプランの料金は、月額19.99ドル、年間134.95ドル、2年間209.72ドルだ。

既存のExpressVPNユーザーは、今回の料金体系変更による影響を受けない。現在契約しているプランは「当面の間」そのまま有効であり、サービスレベルが自動的にダウングレードされることもないため、安心して現在のサービスを継続利用できる。

今回のExpressVPNの料金体系変更は、ユーザーにとっていくつかの重要な意味を持つ。最大のメリットは、VPNサービスを以前よりも手頃な価格で利用できるようになる点だ。特に2年間のBasicプランは、これまでの2年間契約と比較して約30%安価に設定されており、VPNサービスの新規導入を検討しているユーザーにとって魅力的な選択肢となる。ただし、1年間のBasicプランに関しては、Proton VPNやSurfsharkといった競合他社の同等プランと比べると、まだ料金が高めな場合もある。

機能面では、今回の変更で全く新しい機能が大幅に追加されたわけではない。ExpressVPNがこれまで培ってきた「Lightwayプロトコル」による高速かつ安定した通信、そしてユーザーの通信記録を保存しない「ノーログポリシー」といったVPNの基本的な品質は、Basicプランでも十分に提供されている。より高度なセキュリティ対策や、個人情報保護サービス、パスワードマネージャー、eSIMといった付加価値機能を求めるユーザーはAdvancedやProプランを選択することで、それぞれのニーズに合わせたサービスを利用できるようになった。

今回のExpressVPNの料金体系変更は、ユーザーが自身の利用目的や予算に合わせて、より柔軟にサービスを選べるようにするための戦略的な動きだと言える。基本的なVPN機能で十分なユーザーには手頃なBasicプランを、より包括的なセキュリティや便利な機能を求めるユーザーにはAdvancedやProプランを提供する形となり、これにより市場での競争力を高めつつ、幅広いユーザー層のニーズに応える狙いがあると考えられる。

【ITニュース解説】ExpressVPN switches to multi-tiered pricing with more feature options | いっしー@Webエンジニア