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【ITニュース解説】Steam is ending support for Windows 32-bit next year

2025年09月19日に「Engadget」が公開したITニュース「Steam is ending support for Windows 32-bit next year」について初心者にもわかりやすく解説しています。

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ITニュース概要

Steamは今年の終わりをもってWindows 32-bit版のサポートを終了する。これにより、該当OSの利用者は更新や技術サポートを受けられなくなる。Windows 10 64-bit版は引き続きサポートされる。システム要件の進化に対応するための変更だ。

ITニュース解説

PCゲームのプラットフォームとして広く利用されているSteamが、今年(2024年)末をもってWindowsの32ビット版に対するサポートを終了すると発表した。この発表は、多くのユーザーにとって直接的な影響は少ないものの、IT業界全体の技術トレンドや、システムの基盤を理解する上で重要な意味を持つ。システムエンジニアを目指す初心者にとっても、今回の変更は現代のPC環境の進化を知る良い機会となるだろう。

まず、この「32ビット」と「64ビット」という言葉が何を示しているのかを理解する必要がある。これは主に、パソコンの頭脳であるCPU(中央処理装置)が一度に処理できるデータの幅や、メモリを管理する能力の違いを表している。32ビットシステムは、データを32桁の2進数で扱い、約4ギガバイト(GB)までのメモリしか直接認識できないという制限がある。一方、64ビットシステムは、データを64桁の2進数で扱い、理論上ははるかに多くのメモリ(数百テラバイト以上)を管理することが可能だ。現代の多くのPCでは、大容量メモリを搭載し、より高速な処理が求められるため、64ビットシステムが主流となっている。

Steamが今回サポートを終了するのは、Windows 10の32ビット版のみである。他の32ビット版Windowsについては、すでにSteamのサポート対象外となっている。Steamのハードウェア調査によると、Windows 10の32ビット版を使用しているユーザーは全体のわずか0.01%に過ぎず、これはSteamの日常利用者数から換算すると数千人程度と推測されている。そのため、この変更が直接影響を与えるユーザーは極めて限定的だ。

サポート終了が意味するところは、2025年1月1日以降、Windows 10の32ビット版上で動作するSteamクライアントに対して、新しいアップデートや技術サポートが提供されなくなるということだ。すぐにSteamが使えなくなるわけではないが、セキュリティ脆弱性への対応や新機能の追加が行われなくなるため、将来的には安全性や機能面での問題が発生する可能性がある。

このSteamの決定は、MicrosoftのWindows 10に関する動きとも連動している。Microsoft自身も、今年10月14日をもってWindows 10のサポートを終了することをすでに発表している。Windows 10のサポート終了は、OS自体のセキュリティアップデートの停止を意味し、これもまた、該当するシステムがサイバー攻撃のリスクに晒されやすくなることを意味する。したがって、Windows 10の32ビット版を使用しているユーザーは、Steamだけでなく、OS自体のセキュリティ面からも早急な対応が求められる状況にある。

現在主流となっているWindows 10の64ビット版については、引き続きSteamによるサポートが継続されるため、大半のユーザーには影響がない。また、最新のWindows 11は、そもそも32ビット版が提供されていない。これは、Windows NT以来、初めて32ビット版を提供しないWindowsのバージョンであり、OS開発の観点からも32ビット環境が過去のものとなりつつあることを明確に示している。

Steamが32ビット版のサポートを終了する技術的な理由としては、「Steamのコア機能が、32ビット版のWindowsではサポートされていないシステムドライバーや他のライブラリに依存している」ことが挙げられている。システムドライバーとは、OSが特定のハードウェアと通信するために必要なソフトウェアであり、ライブラリとは、プログラムが特定の機能(グラフィック描画やネットワーク通信など)を実行するために利用するコードの集まりである。現代の高性能なゲームやアプリケーションは、最新のハードウェアを最大限に活用するために、新しいドライバーやライブラリを必要とすることが多い。これらの新しいコンポーネントは、開発効率や性能の観点から64ビット環境向けに最適化されており、32ビット環境でのサポートは維持管理が困難になるか、あるいは不可能になるケースが増えている。古い32ビット環境のために、わざわざ新しい機能を開発したり、互換性を維持したりすることは、開発リソースの無駄となり、全体のパフォーマンス向上を妨げる要因にもなる。

今回のSteamの発表は、PCハードウェアやソフトウェアの進化に伴い、技術的な基盤も常に更新されていくことを示している。システムエンジニアを目指す者としては、このような技術トレンドを理解し、なぜ特定の技術が廃止され、新しい技術が採用されるのか、その背景にある性能、セキュリティ、開発効率といった側面を考察する力が重要となる。もし、未だに32ビット版のWindowsを使用している場合は、早急に64ビット版のOSへの移行を検討することが強く推奨される。これは、Steamの利用だけでなく、システム全体のセキュリティと快適性を保つ上で不可欠なステップとなる。

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