【ITニュース解説】TikTok API
2025年09月11日に「Dev.to」が公開したITニュース「TikTok API」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
TikTok APIの利用で、サービス連携に必要な「アクセストークン」が無効となるエラーが発生。アクセストークン取得のコードも示されているが、API呼び出し時にエラーとなる状況で、同様の認証エラーに遭遇した開発者からの情報提供を求めている。
ITニュース解説
このニュース記事は、人気ソーシャルメディアプラットフォームであるTikTokのAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)を利用しようとした際に発生した、認証に関する問題について述べている。システムエンジニアにとって、外部サービスと連携する際にAPIを利用することは非常に多く、その中でも認証は特に重要な部分だ。
まず、APIとは何かを簡単に説明する。APIは、ソフトウェア同士が互いに情報をやり取りするための規約や窓口のようなものだ。例えば、あなたが開発するアプリケーションからTikTokの機能(動画のアップロード、ユーザー情報の取得など)を使いたい場合、直接TikTokのシステムにアクセスするのではなく、TikTokが提供するAPIを通じて連携することになる。これにより、開発者は複雑な内部構造を知ることなく、特定の機能を利用できる。
APIを利用する際には、通常「認証」というプロセスが必要になる。これは、APIを呼び出すアプリケーションが、正当なものであるか、あるいは特定の操作を行う権限があるかをTikTok側に証明するための仕組みだ。この認証に使われるのが「アクセストークン」である。アクセストークンは、特定のユーザーやアプリケーションがAPIへのアクセス権を持っていることを示す「一時的な鍵」のようなものであり、APIを呼び出す際にこのトークンを提示することで、TikTok側がそのリクエストを信頼し、処理を進めることができる。
記事の投稿者は、このアクセストークンを取得する部分でJavaというプログラミング言語を使ってコードを記述している。コードを見ると、まず「HttpClient」というツールを使って、TikTokのアクセストークン発行エンドポイント(TOKEN_URL)に対してHTTPリクエストを送っていることがわかる。HTTPリクエストとは、WebブラウザがWebサイトにアクセスする際に行われる通信と同じ種類の通信だ。
このリクエストでは、「POST」メソッドが使われている。これは、情報をサーバーに送信する際によく使われるHTTPメソッドの一つだ。リクエストの本体(ボディ)には、「client_key」、「client_secret」、「grant_type=client_credentials」という情報が格納されている。これらは「フォームデータ」として送られており、Webサイトのログインフォームでユーザー名とパスワードを入力して送信するのと似た形式だ。
「client_key」と「client_secret」は、TikTokの開発者アカウントでアプリケーションを登録した際に発行される、アプリケーション固有の識別子と秘密鍵である。これらは、アプリケーション自体をTikTokに認証させるために使われる。そして、「grant_type=client_credentials」という部分は、アクセストークンを取得する認証方式の一種を示している。これは、主にサーバー側のアプリケーションが直接APIを呼び出す際に利用される方式で、ユーザーのログインなしに、アプリケーション自身の資格情報だけでアクセストークンを取得できる。
コードは、これらの情報を使ってリクエストを構築し、TikTokのサーバーに送信する。その後、サーバーからの応答(HttpResponse)を受け取る。応答のHTTPステータスコードが「200」(OKを意味する)であれば、アクセストークンの取得は成功したと判断され、応答ボディからJSON形式で含まれる「access_token」という値を抽出している。JSONは、データを構造化して表現するための一般的なフォーマットであり、APIからの応答でよく使われる。
しかし、投稿者は、この方法で取得したアクセストークンを使って別のTikTok APIを呼び出したところ、「access_token_invalid」というエラーを受け取ったと報告している。このエラーメッセージは、「アクセストークンが無効であるか、リクエストに見つからない」という意味であり、せっかく取得したトークンが何らかの理由で使えない状態であることを示している。
この問題の背景にはいくつかの原因が考えられる。 一つ目は、アクセストークンの有効期限切れだ。アクセストークンには通常、セキュリティのために有効期限が設定されている。取得したトークンを長期間保管して使おうとした場合、その間に期限が切れてしまうことがある。特に、開発環境でテストしていると、トークン取得と利用の間隔が空いてしまうこともあるため注意が必要だ。
二つ目は、スコープ(権限)の不一致だ。client_credentialsグラントで取得するトークンは、そのアプリケーションが実行できる操作の範囲(スコープ)が限定されている場合がある。例えば、ユーザーの投稿を読み取る権限はあっても、ユーザーの代わりに投稿する権限は含まれていない、といったケースだ。TikTok APIの特定の機能を利用するには、その機能に合ったスコープを持つアクセストークンが必要になる。記事にはどのAPIを呼び出そうとしたかの情報がないが、目的のAPIを呼び出すのに必要なスコープが、取得したトークンに含まれていない可能性がある。この場合、トークン自体は有効でも、そのAPIに対する権限が不足しているためエラーとなる。
三つ目は、API呼び出し時のトークンの渡し方の誤りだ。アクセストークンをAPIリクエストに含める方法には、通常「Authorization」ヘッダーに「Bearer」トークンとして含める、URLのクエリパラメータとして含める、などの規約がある。投稿者がエラーを受け取ったAPI呼び出し部分のコードは示されていないため詳細は不明だが、TikTok APIが期待する形式でトークンを渡せていない可能性も考えられる。例えば、スペルミスや、必要なプレフィックス(Bearer など)の不足などが原因となり得る。
四つ目は、取得したトークンがそもそも不正なものである可能性だ。client_keyやclient_secretが間違っていたり、有効期限切れになっていたりする場合でも、TikTok側で何らかの応答が返されることはある。ただし、その応答で得られたトークンが、実際に他のAPIで利用できる有効なトークンであるとは限らない。トークン取得時のステータスコードは200だが、応答ボディ内の特定のフィールド(例えば、errorフィールドなど)を確認することで、より詳細な情報を得られる場合もある。
五つ目は、TikTok API側の特定の制約だ。Client Credentials Grantで取得したトークンは、あくまでアプリケーション自身の認証を目的としているため、ユーザー固有の情報にアクセスするようなAPI(例えば、特定ユーザーのプライベートなデータを見るなど)には利用できないことが多い。そのようなAPIには、ユーザーがログインして認証を行う「Authorization Code Grant」などの別の認証フローが必要となる。呼び出そうとしているAPIが、Client Credentials Grantで取得したトークンに対応していない可能性もある。
このような状況に直面した場合、システムエンジニアとしてまず行うべきことは、TikTokの公式APIドキュメントを徹底的に確認することだ。特に、認証と認可のセクション、そして利用しようとしている特定のAPIエンドポイントのドキュメントに目を通し、以下の点を確認する。
- どの認証フロー(グラントタイプ)が必要か。
- どのスコープが必要か。
- アクセストークンをAPIリクエストに含める正しい方法。
- アクセストークンの有効期限と、リフレッシュトークンの有無(あれば有効期限が切れても新しいトークンを取得できる)。
また、エラーメッセージに含まれるlog_idは、TikTok側で問題の原因を調査する際に役立つ情報となる可能性があるため、もしTikTokの開発者サポートに問い合わせる場合には提示すべき情報だ。
この問題は、API連携における認証の複雑さと、それに伴うデバッグの重要性をよく示している。エラーメッセージを正確に読み解き、公式ドキュメントを参照しながら一つずつ原因を潰していくことが、システム開発では非常に重要となる。