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【ITニュース解説】Wemos D1 Mini w/ Waveshare e-Paper 2.13 HAT

2025年09月16日に「Dev.to」が公開したITニュース「Wemos D1 Mini w/ Waveshare e-Paper 2.13 HAT」について初心者にもわかりやすく解説しています。

作成日: 更新日:

ITニュース概要

Wemos D1 MiniとWaveshare e-Paper HATの接続は、ピン名称の違いで混乱しがちだが、本記事は具体的な接続方法と各ピンの役割を解説する。D8/GPIO15にはプルダウン、D4/GPIO2にはプルアップ抵抗が必須。動作コード例はGitHubで提供する。

出典: Wemos D1 Mini w/ Waveshare e-Paper 2.13 HAT | Dev.to公開日:

ITニュース解説

この解説では、Wemos D1 Miniという小さなWi-Fi機能付きマイクロコントローラボードと、Waveshare 2.13インチe-Paper HATという電子ペーパーディスプレイ拡張ボードを接続し、動作させるための具体的な手順と注意点について説明する。システムエンジニアを目指す初心者にとって、このような特定のハードウェアを組み合わせる作業は、時に非常に複雑に感じられることがある。特に、異なるデバイス間でピンの名称が統一されていないという問題は、多くの混乱を生む原因となるため、この記事はその解決策を提供することを目指している。

まず、Wemos D1 Miniは、ESP8266というチップを搭載した開発ボードで、Wi-Fi通信機能を持つため、IoT(モノのインターネット)デバイスのプロトタイプ開発によく用いられる。一方、Waveshare e-Paper HATは、低消費電力で表示を保持できる電子ペーパーディスプレイをWemos D1 Miniなどの開発ボードに接続しやすくするための拡張ボード(HATはHardware Attached on Topの略で、特定のボードに直接接続できることを意味する)だ。この二つのデバイスを連携させて使うことは、バッテリー駆動の情報を表示するプロジェクトなど、様々な用途で考えられる。

しかし、これらのハードウェアを実際に接続しようとすると、各デバイスのピン名が異なっているために、どのピンとどのピンをつなげば良いのかが分からなくなるという問題に直面する。例えば、同じ「データ入力」のピンであっても、ある場所では「MOSI」、別の場所では「DIN」、さらにボード上には単なる数字が印字されていたり、特定の開発環境で使われる「D番号」で表現されたりする。このような名称の多様性が、接続作業を困難にする最大の要因となっている。

それでは、具体的なピンの接続について見ていこう。まず、電子回路の基本である電源接続から始める。Wemos D1 Miniとe-Paper HATは、両方とも3.3Vの電源で動作するため、Wemos D1 Miniの「+3.3v」ピンとe-Paper HATの「VCC」ピンを接続する。また、電流の基準となる「グランド(GND)」も重要で、Wemos D1 Miniの「Ground」ピンとe-Paper HATの「GND」ピンを必ず接続する必要がある。これらが正しく接続されていないと、回路は正常に動作しない。

次に、Wemos D1 Miniとe-Paper HAT間のデータ通信に使われる「SPI(Serial Peripheral Interface)」という通信方式のピンについて説明する。SPIは、マイクロコントローラと周辺機器がデータをやり取りするための標準的な方法の一つだ。

  • MOSI (Master Out Slave In) / DIN (Data In): このピンは、Wemos D1 Mini(マスター)からe-Paper HAT(スレーブ)へデータを送るための線だ。e-Paper HAT側では「DIN」と表記されているが、Wemos D1 Mini側では伝統的なSPIの名称である「MOSI」と印字されている。さらに、Wemos D1 Mini上では物理的に「13」という数字が割り当てられており、内部的には「GPIO13」、Arduino開発環境では「D7」という名前でも参照される。コードでこのピンを指定する際には、一般的に「13」という数字が使われることが多い。
  • SCLK (Serial Clock) / CLK (Clock): このピンは、SPI通信のタイミングを同期させるためのクロック信号を送る線だ。Wemos D1 Mini上では「SCK」または「14」、内部的には「GPIO14」、Arduinoでは「D5」として知られている。通常、GxEDP2のような電子ペーパーライブラリでは、このクロックピンの接続は内部的に想定されているため、プログラムコードで直接参照することは少ないが、ハードウェアとしての接続は必須となる。
  • SS (Slave Select) / CS (Chip Select): このピンは、SPI通信で複数のデバイスが接続されている場合に、どのデバイスと通信するかを選択するための信号線だ。Wemos D1 Mini上では「SS」または「15」、内部的には「GPIO15」、Arduinoでは「D8」として参照される。e-Paper HAT側では「CS」(Chip Select)と表記されているが、これは「SS」と同じ役割を持つ。

上記が一般的なSPI通信のピンだが、e-Paper HATの制御には、さらにいくつかの特別なピンが必要となる。これらはSPIの標準的なピンセットには含まれないものだが、ディスプレイを正しく制御するために不可欠だ。

  • DC (Data/Command): このピンは、Wemos D1 Miniからe-Paper HATへ送られるデータが、単なる表示データなのか、それともディスプレイを制御するためのコマンドなのかをディスプレイに伝える役割を持つ。Wemos D1 Mini上では「0」、内部的には「GPIO0」、Arduinoでは「D3」と対応する。
  • RST (Reset): このピンは、e-Paper HATをリセットするために使われる。Wemos D1 Mini上では「2」、内部的には「GPIO2」、Arduinoでは「D4」と対応する。ディスプレイの動作が不安定になった時や、初期化の際にドライバーからこの信号が送られる。
  • BUSY (Busy): このピンは、e-Paper HATが現在処理中であり、新たなデータやコマンドを受け取ることができない状態であることをWemos D1 Miniに伝える役割を持つ。Wemos D1 Mini上では「4」または「SDA」(I2C通信で使われるピン名と共通だが、ここではBUSYとして使用)、内部的には「GPIO4」、Arduinoでは「D2」と対応する。Wemos D1 Miniは、このピンの状態を確認してから次の命令を送ることで、ディスプレイとの同期を保つ。

これらのピンを正しく接続するだけでなく、ハードウェアの安定動作のために特別な考慮が必要な箇所がある。それは「プルアップ抵抗」と「プルダウン抵抗」の必要性だ。 具体的には、Wemos D1 MiniのD8/GPIO15ピン(CSピンに接続)には、10キロオームの抵抗器を使ってグランド(GND)に接続する「プルダウン抵抗」が必要となる。もしこの抵抗がないと、HATボード内のレベルコンバータ(異なる電圧レベルの信号を変換する回路)がWemos D1 Miniの起動プロセスに干渉し、ボードが正しく起動しない可能性がある。 同様に、D4/GPIO2ピン(RSTピンに接続)には、1キロオームの抵抗器を使って3.3V電源に接続する「プルアップ抵抗」が必要となる。これが無い場合も、レベルコンバータがWemos D1 Miniのプログラム書き込みやリセットプロセスに干渉し、動作を阻害することがある。これらの抵抗は、デジタルピンの電圧が不安定な状態(フローティング状態)になるのを防ぎ、常に安定した状態に保つために非常に重要だ。

ハードウェアの接続が完了したら、次に必要なのはソフトウェア、つまりコードだ。この特定の組み合わせで動作するコードの例は、Gitリポジトリで公開されている。そのリポジトリのREADME.mdファイルには、必要なライブラリや参考資料へのリンクも含まれているため、必ず参照すべきだ。特に、このコードはArduino IDEではなく、VSCodeとPlatformIOという開発環境で利用することを想定して作成されている。PlatformIOは、様々なマイクロコントローラボードに対応し、ライブラリ管理やビルドプロセスを効率的に行える優れたツールなので、もし未経験であれば試してみる価値はあるだろう。

この詳細な情報によって、Wemos D1 MiniとWaveshare e-Paper 2.13 HATを接続する際の、特にピンアサインの混乱という初心者が陥りやすい問題が解決されることを期待する。それぞれのピンの役割とD1 Mini上の多様な名称を理解し、さらにプルアップ・プルダウン抵抗といったハードウェアの細かな注意点にも気を配ることで、安定した動作を実現できるだろう。この知識は、システムエンジニアを目指す上での実践的なスキルの一つとなる。

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