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GPGPU(ジーピージーピーユー)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

GPGPU(ジーピージーピーユー)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

作成日: 更新日:

読み方

日本語表記

ジーピージーピーユー (ジーピージーピーユー)

英語表記

GPGPU (ジーピージーピーユー)

用語解説

GPGPUは、「General-Purpose computing on Graphics Processing Units」の略であり、GPU(Graphics Processing Unit)を本来のグラフィック処理だけでなく、汎用的な計算、つまりグラフィックとは直接関係のない一般的な数値計算やデータ処理に利用する技術を指す。これまでCPU(Central Processing Unit)が担っていた様々な計算処理の一部をGPUに分担させることで、全体の処理速度を大幅に向上させることを目的としている。GPUは、膨大な数のピクセルや頂点といったデータを同時に処理するために設計されており、その特性を活かして、並列性の高い計算タスクを高速に実行できる点が最大の特徴である。

まず、CPUとGPUの基本的な設計思想の違いを理解することがGPGPUを理解する上で重要となる。CPUは、少数の強力で複雑なコアを持ち、複雑な命令を順番に、そして高速に実行することに特化している。一方、GPUは、数百から数千ものシンプルで軽量なコアを多数搭載しており、これらが同時に連携して、大量の同じ種類の単純な計算を並列に実行する能力に優れている。例えば、画像を構成する無数のピクセル一つ一つに対して同じ色の変換処理を行う場合、GPUはそれらのピクセル全てを同時に処理できるため、CPUが一つずつ処理するよりも圧倒的に速く処理を完了できる。この並列処理能力こそが、GPUが汎用計算に応用される最大の理由となる。

GPGPUを実現するためには、GPUがグラフィック処理以外の計算を実行できるようにするためのソフトウェア環境が必要となる。初期のGPGPUでは、グラフィックAPI(OpenGLやDirectXなど)を技巧的に利用して汎用計算を行っていたが、これは非常に複雑で専門知識を要した。しかし、現在ではNVIDIAが開発したCUDA(Compute Unified Device Architecture)や、Khronos Groupが策定したOpenCL(Open Computing Language)といった、GPGPU専用のプログラミングインターフェース(API)が広く普及している。これらのAPIを使うことで、プログラマーはGPUの並列処理能力をより直接的に、かつ比較的容易に活用できるようになっている。プログラマーは、並列処理に適したアルゴリズムを設計し、それをCUDAやOpenCLの言語拡張を用いて記述することで、GPU上で計算を実行させる。具体的には、計算タスクを多数の小さなサブタスクに分割し、それぞれをGPUの各コアに割り当てて並列に処理させる。処理結果はGPUメモリ上に格納され、必要に応じてメインメモリ(CPUが利用するメモリ)に転送される。

GPGPUは、その並列計算能力を活かして、多岐にわたる分野で利用されている。代表的な例としては、機械学習、特に深層学習(ディープラーニング)が挙げられる。深層学習モデルの訓練には、膨大な行列演算やベクトル演算が繰り返し行われるが、これらはGPUの並列処理と非常に相性が良い。そのため、GPUは深層学習の発展を強力に推進する原動力となっている。その他にも、科学技術計算(気象シミュレーション、分子動力学シミュレーション、流体計算など)、画像処理や動画編集(フィルタリング、エンコード/デコード)、データ分析(大規模データベースのクエリ処理、金融モデリング)、暗号通貨のマイニングなど、幅広い分野でGPGPUの技術が活用され、計算時間の短縮や新たな研究開発を可能にしている。

GPGPUを利用するメリットは明らかであり、特定の計算タスクにおける処理速度の劇的な向上が最も大きい。これにより、より複雑なシミュレーションが可能になったり、分析にかかる時間が大幅に短縮されたりする。また、専用のスーパーコンピュータを構築するよりも、比較的安価なGPUを複数搭載したシステムで同等以上の性能を発揮できる場合もあり、コスト効率の面でも優位性がある。

しかし、GPGPUにはいくつかの課題も存在する。まず、すべての計算タスクがGPGPUに適しているわけではない。並列化が困難な処理や、タスク間の依存関係が複雑な処理は、GPUの並列処理の恩恵を受けにくい。また、CPUとGPUの間でデータをやり取りする際には、メインメモリとGPUメモリ間のデータ転送が発生するが、この転送速度が全体の処理速度のボトルネックとなることがある。そのため、データ転送のオーバーヘッドを考慮したプログラミングが求められる。さらに、GPGPUプログラミングは、CPU向けのプログラミングと比較して、並列処理の特性を理解し、メモリ管理やスレッド同期などを考慮する必要があるため、より高度な知識とスキルが要求されることが多い。

GPGPU技術は、今後もさらなる進化を遂げ、その応用範囲を広げていくだろう。GPUの性能向上はもちろんのこと、プログラミングモデルの簡素化や、CPUとGPUの連携をより効率的に行う技術の開発が進められている。これにより、より多くの開発者がGPGPUの恩恵を受けられるようになり、IT分野におけるイノベーションをさらに加速させることが期待されている。

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