hostnameコマンド(ホストネームコマンド)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

hostnameコマンド(ホストネームコマンド)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

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読み方

日本語表記

ホストネームコマンド (ホストネームコマンド)

英語表記

hostname (ホストネーム)

用語解説

hostnameコマンドは、LinuxやUnix系のオペレーティングシステムにおいて、システムのホスト名を表示または設定するために使用される基本的なコマンドである。ホスト名とは、ネットワークに接続されたコンピュータを識別するために付けられた固有の名前であり、人間がコンピュータを区別しやすくするために用いられる。例えば、IPアドレスのような数字の羅列ではなく、「web-server-01」や「database-server」といった分かりやすい名前で管理できる。このコマンドは、システム管理者や開発者が現在操作しているサーバーがどのサーバーであるかを確認したり、スクリプト内でホスト名に基づいて処理を分岐させたり、あるいはシステムの初期設定時にホスト名を割り当てるなど、非常に幅広い場面で利用される重要なツールである。引数を何も付けずに実行すると現在のホスト名を表示し、引数として新しいホスト名を指定すると、そのホスト名に一時的に変更することができる。

より詳細に解説すると、hostnameコマンドの最も基本的な使用法は、現在のホスト名を確認することである。ターミナルで単にhostnameと入力して実行すると、システムに設定されているホスト名が一行で出力される。これは、複数のサーバーに同時に接続して作業を行う際に、自分が今どのサーバーを操作しているのかを瞬時に確認するための基本的な操作となる。次に、ホスト名を設定する場合は、スーパーユーザー(root)権限で実行する必要がある。例えば、sudo hostname new-hostnameのようにコマンドを実行すると、システムのホスト名がnew-hostnameに変更される。ただし、この方法による変更は一時的なものであり、システムを再起動すると元のホスト名に戻ってしまう。ホスト名を永続的に変更するには、ディストリビューションに応じた設定ファイルを直接編集する必要がある。多くのLinuxディストリビューションでは、/etc/hostnameというファイルにホスト名が記述されており、このファイルを編集して保存し、システムを再起動することで変更が恒久的に反映される。また、systemdを採用している現代的なシステムでは、hostnamectlという、より高機能なコマンドが推奨される。sudo hostnamectl set-hostname new-hostnameと実行するだけで、関連する設定ファイルが自動的に更新され、永続的な変更が即座に適用される。

hostnameコマンドには、ホスト名に関するさまざまな情報を表示するための便利なオプションが多数存在する。-sまたは--shortオプションは、ホスト名の短い形式、つまり最初のドットまでの部分を表示する。一方、-fまたは--fqdnオプションは、FQDN(Fully Qualified Domain Name、完全修飾ドメイン名)を表示する。FQDNとは、ホスト名にドメイン名を組み合わせた、インターネット上で一意にホストを特定できる完全な名前(例: server1.example.com)のことである。-dまたは--domainオプションを使えば、ホスト名部分を除いたDNSドメイン名のみを表示することができる。ネットワーク関連の情報を得るためのオプションも重要である。-iまたは--ip-addressオプションは、ホスト名に対応するIPアドレスを表示する。これは/etc/hostsファイルやDNSによって名前解決された結果であり、複数のIPアドレスが関連付けられている場合は、最初に見つかったものが表示される。もし、そのホストが持つ全てのネットワークインターフェースのIPアドレスを表示したい場合は、-Iまたは--all-ip-addressesオプションを使用する。これにより、ループバックアドレスを除く、設定されている全てのIPアドレスがスペース区切りで一覧表示されるため、サーバーのネットワーク構成を素早く把握するのに役立つ。これらのオプションを使い分けることで、単にホスト名を知るだけでなく、システムがネットワーク上でどのように認識されているかという、より詳細な情報を効率的に取得することが可能となる。システム管理の現場では、これらの機能をシェルスクリプトに組み込んで、設定の自動化や監視に活用することが頻繁に行われる。

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