【ITニュース解説】Construyendo Agentes Strands con pocas líneas de código: Comunicación Agente a Agente (A2A)
2025年09月10日に「Dev.to」が公開したITニュース「Construyendo Agentes Strands con pocas líneas de código: Comunicación Agente a Agente (A2A)」について初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。
ITニュース概要
AIエージェント同士が通信・連携する「A2A」技術により、複数の専門エージェントが協力して複雑な問題を解決できる。Strands Agentフレームワークは、このようなマルチエージェントシステムを少ないコードで構築可能にするもので、その方法を解説する。(118文字)
ITニュース解説
AI技術が進化する中で、一つの万能なAIが全ての課題を解決するのではなく、それぞれ特定の専門分野を持つ複数のAIエージェントが協力して、より複雑なタスクを処理する「マルチエージェントシステム」という考え方が重要になっている。ここで解説する「Strands」フレームワークを用いたエージェント間通信、通称「A2A(Agent-to-Agent)」は、このようなAI同士の連携を少ないコードで実現するための技術である。
A2Aとは、AIエージェント同士が互いに情報を交換し、協調して作業を進めるための標準的な通信ルール、つまりプロトコルを指す。人間が共通の言語で会話するように、A2Aという共通のルールがあることで、異なる目的で作成されたエージェント同士でもスムーズに連携することが可能になる。これにより、例えば「顧客からの問い合わせを分析するエージェント」が、分析結果を基に「在庫データを確認するエージェント」に問い合わせ、その結果を「回答文を生成するエージェント」に渡すといった、一連の複雑なワークフローを自動化できる。各エージェントが特定の専門分野に特化することで、システム全体の能力を高め、より高度な問題解決が実現する。
A2Aを理解する上で、もう一つ重要な技術が「MCP(Model Context Protocol)」である。MCPは、AIエージェントが外部のデータベースやAPIといった「ツール」を利用するためのプロトコルだ。エージェントが特定のスキルを持つ従業員を検索したい場合、MCPを通じて従業員データベースにアクセスするためのツールを呼び出す。つまり、MCPはエージェントに具体的な「能力」を与えるための技術と言える。一方でA2Aは、そうした能力を持つエージェント同士が対等な立場で「協力」するための技術である。MCPがエージェントとツールという垂直的な関係を定義するのに対し、A2Aはエージェントとエージェントという水平的な連携を定義する。この二つは互いに補完し合う関係にあり、MCPによって専門能力を身につけたエージェントたちが、A2Aを通じてチームとして機能するのである。
元の記事では、このA2AとMCPを組み合わせた具体的なシステム例として、3層構造のアーキテクチャが紹介されている。第一層は、従業員データそのものを管理し、外部からの要求に応じてデータを提供する「MCPサーバー」である。このサーバーは「特定のスキルを持つ従業員を検索する」といった具体的な機能(ツール)を公開している。第二層は、このMCPサーバーのツールを利用して従業員に関する専門的な質問に答える「Employeeエージェント(従業員エージェント)」だ。このエージェントは、従業員データの専門家としての役割を担う。そして第三層が、ユーザーからの問い合わせの窓口となる「HRエージェント(人事エージェント)」である。ユーザーが「AI関連のスキルを持つ従業員を教えて」とHRエージェントに質問すると、HRエージェントは自分自身で答えようとせず、その質問を専門家であるEmployeeエージェントに依頼する。このHRエージェントとEmployeeエージェント間の通信にA2Aが使われる。依頼を受けたEmployeeエージェントは、MCPを通じてMCPサーバーに従業員の検索を指示し、得られた結果をHRエージェントに返す。最終的にHRエージェントがその結果をユーザーに提示する。このように役割を明確に分担することで、各エージェントは自身の専門タスクに集中でき、システムの開発や改修が容易になるというメリットがある。
この一連の仕組みは、「Strands」というフレームワークが提供するツール群によって、開発者が通信プロトコルの詳細を意識することなく実装できる。例えば「A2AServer」という機能を使えば、作成したエージェントを他のエージェントから簡単に呼び出せるサービスとして公開できる。今回の例ではEmployeeエージェントがA2AServerを利用している。一方で、HRエージェント側では「A2AClientToolProvider」という機能を使う。これにより、ネットワーク上にある他のエージェントを、あたかも自分の持つツールの一つであるかのように自然に扱うことができる。これらのツールのおかげで、開発者はエージェントの思考ロジックの実装に集中でき、複雑な分散システムの構築を効率的に進めることが可能となる。
AIエージェント間通信(A2A)は、単一AIの限界を超え、より複雑で大規模なタスクの自動化を実現するための重要な技術である。「Strands」のようなフレームワークは、MCPによる能力の獲得と、A2Aによるエージェント間の協調という二つの仕組みを組み合わせることで、専門家集団のようなAIシステムを構築する手段を提供する。システムエンジニアを目指す上で、このように個々のコンポーネントを連携させて一つの大きなシステムを構築するという分散・協調型のアーキテクチャの考え方は、今後ますます重要になるだろう。