Webエンジニア向けプログラミング解説動画をYouTubeで配信中!
▶ チャンネル登録はこちら

Internet Explorer(インターネットエクスプローラー)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

Internet Explorer(インターネットエクスプローラー)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

作成日: 更新日:

読み方

日本語表記

インターネット エクスプローラー (インターネット エクスプローラー)

英語表記

Internet Explorer (インターネットエクスプローラー)

用語解説

Internet Explorer(インターネット エクスプローラー、略称: IE)は、マイクロソフト社が開発し、提供していたウェブブラウザである。ウェブブラウザとは、インターネット上に存在するウェブページを画面に表示するためのソフトウェアであり、ユーザーがウェブサイトを閲覧する際に不可欠なツールである。Internet Explorerは、かつてマイクロソフトのオペレーティングシステム(OS)であるWindowsに標準で搭載されていたため、特別なインストール作業を必要とせず、多くのユーザーに利用されていた。1990年代後半から2000年代にかけては、圧倒的な市場シェアを獲得し、事実上の標準ブラウザ(デファクトスタンダード)として君臨した。しかし、その後、競合ブラウザの台頭や技術的な課題によりシェアを失い、2022年6月をもって主要なバージョンのサポートが終了した。現在は、後継ブラウザであるMicrosoft Edgeへの移行が推奨されている。

Internet Explorerの歴史は、1995年にWindows 95の拡張機能として登場したことに始まる。当時のウェブブラウザ市場はNetscape Navigatorが主流であったが、マイクロソフトはIEをWindowsに無償でバンドル(同梱)する戦略をとり、急速にシェアを拡大した。この戦略は「第一次ブラウザ戦争」と呼ばれ、激しい競争の末にIEは市場の覇権を握ることになった。特に、2001年にリリースされたWindows XPに標準搭載されたInternet Explorer 6(IE6)は、最盛期には市場シェアの9割以上を占めるに至った。この時代、ウェブサイトやウェブアプリケーションを開発する技術者は、まずIE6で正常に表示・動作することを最優先に考える必要があった。

しかし、IE6の成功後、マイクロソフトは長期間にわたりIEのメジャーバージョンアップを行わず、その開発は停滞した。この間に、ウェブ技術の標準化が進んだにもかかわらず、IEは独自の仕様を多く持ち続け、新しいウェブ標準への対応も遅れた。また、ActiveXと呼ばれる、Windowsの機能をウェブブラウザ上で利用するための独自技術は、便利な反面、セキュリティ上の脆弱性(セキュリティホール)の温床となり、ウイルスやスパイウェアの感染経路として悪用されるケースが多発した。これらの問題から、IEの評判は次第に低下していった。

2000年代中盤になると、Mozilla Firefoxや、後に登場するGoogle Chromeといった、ウェブ標準への準拠を重視し、高速で安全なブラウジングを特徴とする競合ブラウザが登場した。これらは「第二次ブラウザ戦争」を引き起こし、IEは徐々にシェアを失っていく。マイクロソフトもIE7以降、バージョンアップを重ねてウェブ標準への準拠やセキュリティの強化を図ったが、一度失われたシェアを取り戻すことは困難であった。

システムエンジニアやウェブ開発者にとって、Internet Explorerは長らく対応に苦慮する存在であった。その理由は、IEがHTMLやCSS、JavaScriptといったウェブ標準技術の解釈において、他のモダンブラウザと異なる独自の挙動をすることが多かったためである。これにより、同じソースコードで書かれたウェブページでも、IEで表示するとレイアウトが崩れたり、機能が正常に動作しなかったりする「クロスブラウザ問題」が頻繁に発生した。開発者は、この問題に対処するため、IE向けの特別なコード(IEハックと呼ばれる条件分岐など)を記述する必要があり、開発工数を増大させる大きな要因となっていた。

このような状況を受け、マイクロソフトはIEの開発を終了し、新たなウェブブラウザとしてMicrosoft Edgeを開発する方針に転換した。新しいEdgeは、当初は独自のレンダリングエンジンを使用していたが、後にGoogle Chromeと同じオープンソースの「Chromium」をベースに再設計され、高いウェブ標準準拠性と互換性を実現した。そして、2022年6月16日(日本時間)をもって、デスクトップアプリケーションとしてのInternet Explorer 11のサポートは完全に終了し、以降はセキュリティ更新プログラムも提供されなくなったため、使用は極めて危険とされている。

ただし、企業内システムなどでは、未だにIEでしか正常に動作しない古いウェブアプリケーションが利用されている場合がある。このような過去の資産との互換性を維持するため、Microsoft Edgeには「IEモード」という機能が搭載されている。IEモードを利用すると、Edgeのタブ内でIEのレンダリングエンジン(Trident)を呼び出し、古いウェブサイトをIE11相当の環境で表示することができる。この機能は、古いシステムを維持しつつ、段階的にモダンな環境へ移行するための過渡的な措置として提供されている。

システムエンジニアを目指す者にとって、Internet Explorerは単なる過去のブラウザではない。その歴史、特にウェブ標準との関わりやセキュリティ上の課題を理解することは、ウェブ技術の変遷やクロスブラウザ問題の背景を知る上で非常に重要である。また、企業のレガシーシステムのメンテナンスなど、実務においてIEモードの設定やトラブルシューティングに関わる可能性もあり、その基本的な知識は今なお価値を持つと言える。

関連コンテンツ