Webエンジニア向けプログラミング解説動画をYouTubeで配信中!
▶ チャンネル登録はこちら

Micro SATA(マイクロサタ)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

Micro SATA(マイクロサタ)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

作成日: 更新日:

読み方

日本語表記

マイクロSATA (マイクロサタ)

英語表記

Micro SATA (マイクロサタ)

用語解説

Micro SATAは、コンピュータのストレージデバイスを接続するためのインターフェース規格であるSerial ATA(SATA)を、より小型のフォームファクタ向けに最適化したものである。SATAが主にデスクトップPCや一般的なノートPCの3.5インチまたは2.5インチストレージデバイスに利用されるのに対し、Micro SATAは主に1.8インチの小型ストレージデバイスや、薄型の2.5インチSSD、あるいは特定の組み込みシステムや超小型コンピュータ、サーバーブレードといった、スペースが非常に限られた環境で採用される。これは、デバイスの小型化と省電力化のトレンドに対応するために開発された規格である。

Micro SATAは、標準のSATAインターフェースのデータ転送プロトコルをそのまま継承しており、SATA 1.0(1.5Gbps)、SATA 2.0(3Gbps)、SATA 3.0(6Gbps)といった各世代の転送速度に対応する。このため、転送速度自体は標準SATAと変わらない。しかし、その最大の違いは、物理的なコネクタの形状と、電源供給のピン構成にある。

標準SATAコネクタは、データ転送用の7ピンコネクタと、電源供給用の15ピンコネクタが別々に、または一体型で構成されている。これに対し、Micro SATAコネクタは、データ転送用の7ピンコネクタと、電源供給用の8ピンコネクタが一体化された形状を持つ。データコネクタの7ピンは標準SATAと全く同じ配列であり、データ転送の互換性はこの部分によって保たれる。しかし、電源コネクタのピン数が異なる点が重要である。標準SATAの15ピン電源コネクタは、3.3V、5V、12Vの三種類の電圧を供給できるのに対し、Micro SATAの8ピン電源コネクタは、3.3Vと5Vの二種類の電圧のみを供給する。

12Vの電源供給が不要である理由は、Micro SATAが主に駆動する1.8インチHDDやSSDの特性に起因する。従来の3.5インチHDDのように、プラッタを高速回転させるために大きな電力を必要とするモーターは、12V電源を必要とすることが多かった。しかし、1.8インチHDDやSSDは、駆動モーター自体が小型であったり(HDDの場合)、あるいはモーターを持たない(SSDの場合)ため、5Vや3.3Vの電圧で十分に動作する。特にSSDにおいては、モーターが全く存在しないため、3.3Vと5Vのみで駆動することが可能であり、12Vは基本的に不要となる。この省電力設計が、小型デバイスにおけるバッテリー駆動時間の延長や、発熱の抑制にも寄与する。

Micro SATAインターフェースを持つストレージドライブを、標準SATAポートしか持たないPCに接続する場合、またはその逆を行う場合には、専用の変換アダプタが必要となる。このアダプタは、物理的なコネクタ形状の変換に加えて、電源ピンの変換を行う。例えば、Micro SATAドライブを標準SATAポートに接続するためのアダプタは、標準SATAの15ピン電源から3.3Vと5Vを取り出し、Micro SATAの8ピン電源コネクタに供給する。この際、標準SATAの12Vラインは変換アダプタ内で使用されないか、あるいは変換されて5Vとして利用されることもあるが、一般的には不要な12Vラインは無視される形となる。データコネクタ部分は物理的に同じ7ピンなので、アダプタを介してもデータ転送自体は問題なく行われる。

Micro SATAは、主に以下のようなデバイスで採用されてきた。1.8インチHDDやSSDは、超小型ノートPCや、特定の外付けストレージケースなどで使用される。また、一部の超薄型ノートPCや組み込み機器では、標準2.5インチSSDよりも薄いフォームファクタの製品に採用されることがある。さらに、堅牢性や省スペースが求められる産業用PCや組み込みシステム、あるいは省スペースかつ多数のドライブを搭載するサーバー環境(サーバーブレードなど)でも利用される場合がある。

なお、Micro SATAと混同しやすいインターフェースとして、mSATAやM.2がある。これらのインターフェースも小型のストレージデバイス向けに開発されたものだが、Micro SATAとは根本的に異なる。mSATAはPCI Express Mini Cardスロットに挿入する形で利用され、SATAプロトコルを使用するが、物理的な形状やコネクタピン配列が全く異なる。M.2はさらに汎用性が高く、SATAプロトコルの他にPCI Express(NVMeプロトコルも含む)もサポートし、より高速なデータ転送を可能にする。Micro SATAはSATAプロトコル専用であり、主に従来のSATAドライブの小型版として位置づけられる。対して、mSATAやM.2は、ノートPCや小型PCのマザーボードに直接接続される基板実装型のモジュールとして利用されることが多い。Micro SATAは、ケーブル接続を前提とした伝統的なドライブインターフェースの小型化に特化している点が特徴と言える。

このようにMicro SATAは、SATAのデータ転送技術を維持しつつ、小型デバイスの省スペース性や省電力性を追求するために設計された、特定のニッチな市場向けのストレージインターフェース規格である。システムの小型化が進む現代において、その存在意義は限定的になりつつあるが、特定のレガシーシステムや組み込み用途においては未だに重要な役割を果たすことがある。システムエンジニアを目指す上では、様々なストレージインターフェースの一つとして、その特性と用途を理解しておくことが重要である。