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PLMN(ピーエルエムエヌ)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

PLMN(ピーエルエムエヌ)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

作成日: 更新日:

読み方

日本語表記

公衆移動通信網 (コウシュウイドウシンツウシンモウ)

英語表記

PLMN (ピーエルエムエヌ)

用語解説

PLMNとは、「Public Land Mobile Network」の略であり、日本語では「公衆陸上移動体通信網」と訳される。これは、私たちが普段利用している携帯電話やスマートフォンが、通話やデータ通信を行うための基盤となるネットワークインフラを指す。世界中の各地域や国には、それぞれの通信事業者(キャリア)によって構築され、運営されている独立したPLMNが存在する。ユーザーがどこにいてもモバイル通信サービスを利用できるのは、このPLMNが存在し、適切に機能しているからに他ならない。

PLMNは、大きく分けて二つの主要な要素で構成されている。一つは、携帯電話やスマートフォンといった移動体端末と無線で接続する「無線アクセスネットワーク(RAN)」である。これには、基地局やそのアンテナ、そしてそれらを制御する装置が含まれる。無線アクセスネットワークは、端末から発せられる電波を受信し、逆に端末へ電波を送ることで、通信の入り口としての役割を果たす。もう一つは、複数の無線アクセスネットワークを統合し、通信のルーティングやユーザー認証、データ管理などを行う「コアネットワーク(CN)」である。コアネットワークには、交換機、ルーター、サーバー群、そして加入者の契約情報や位置情報を管理するデータベース(HLR/HSSなど)が含まれる。これらの要素が密接に連携することで、ユーザーは自分の端末から発信した通話やデータ通信が、遠く離れた相手やインターネット上のサーバーに届くことを可能にしている。ユーザーが意識することはほとんどないが、PLMNは携帯電話サービスを支える心臓部と言える。

各PLMNは、「PLMN ID」と呼ばれる固有の識別子によって一意に区別される。このPLMN IDは、「MCC(Mobile Country Code:国コード)」と「MNC(Mobile Network Code:事業者コード)」の組み合わせで構成される。MCCは、そのPLMNが属する国や地域を示す3桁の数字であり、例えば日本は「440」というMCCを持つ。MNCは、その国の中で具体的な通信事業者を示す2桁または3桁の数字で、日本のNTTドコモであれば「10」、KDDI(au)であれば「50」といった値が割り当てられている。したがって、NTTドコモのPLMN IDは「44010」となる。スマートフォンやIoTデバイスなどの通信端末は、ネットワークに接続する際にこのPLMN IDを読み取り、どの通信事業者のネットワークに接続すべきかを判断する。SIMカードには、ユーザーが契約している通信事業者のPLMN ID(これを「ホームPLMN ID」と呼ぶ)が記録されており、端末はまずこのホームPLMN IDを持つネットワークを優先的に探して接続を試みる。

PLMNは、単独で存在するだけでなく、他のPLMNや固定電話網、インターネットなどとも連携している。その代表的な連携の一つが「ローミング」である。ユーザーが自分の契約しているPLMNのサービスエリア外(例えば、海外旅行中など)にいる場合でも、現地に存在する別のPLMNと連携することで、引き続き通話やデータ通信を利用できるようになる。これは、ホームPLMNと訪問先のPLMNとの間で事前に契約が交わされ、ユーザーの認証情報や課金情報が適切に連携されることによって実現する。ローミングは、国際間の移動だけでなく、国内でサービスエリアが限定的なMVNO(Mobile Virtual Network Operator:仮想移動体通信事業者)が、既存のPLMNを借りてサービスを提供する際にも利用される。このように、PLMN間の連携は、モバイル通信サービスの利用範囲を地球規模に広げ、ユーザーの利便性を高める上で不可欠な要素となっている。

システムエンジニアを目指す初心者にとって、PLMNの概念はモバイル通信技術の基礎として非常に重要である。直接PLMNのインフラを設計・構築する機会は少ないかもしれないが、モバイル通信を利用するアプリケーションやサービスの開発、あるいはIoTデバイスのシステム構築に携わる際には、PLMNの仕組みを理解していることが役立つ。例えば、特定の通信事業者向けのサービス開発を行う場合、そのPLMNの特性や制約を考慮する必要がある。また、モバイルネットワークの障害発生時やセキュリティ対策を検討する際にも、PLMNがどのように構成され、どのような情報を管理しているかを把握していれば、問題の原因特定や適切な対応策の立案に貢献できる。近年では、5G、そして将来の6Gといった次世代通信技術の登場により、PLMNのアーキテクチャや機能は進化を続けているが、その根本にある「公衆陸上移動体通信網」という考え方と、それが提供するサービスの本質は変わらない。この基礎をしっかりと学ぶことは、将来のキャリアパスにおいて幅広い応用を可能にするだろう。

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