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【ITニュース解説】ダウンタイムを抑えてCDKに移行

2025年09月26日に「Zenn」が公開したITニュース「ダウンタイムを抑えてCDKに移行」について初心者にもわかりやすく解説しています。

作成日: 更新日:

ITニュース概要

既存のAWSシステムをAWS CDKへ移行したプロジェクトの経験談。コードの移行は初めてで、ダウンタイムを抑えつつ行う難しさがあった。この記事では、移行中に直面した具体的な苦労やそこから学んだことが共有されている。

出典: ダウンタイムを抑えてCDKに移行 | Zenn公開日:

ITニュース解説

このニュース記事は、既に存在するインフラストラクチャを管理するコードを、AWS CDK(アマゾン・ウェブ・サービス シーディーケー)という新しい方法へ移行した際の経験と、そこから得られた学びについて解説している。システムエンジニアの仕事では、既存のシステムをより良い状態にしたり、最新の技術へ切り替えたりする機会が頻繁にあり、今回の移行プロジェクトはそうした実践的な課題を具体的に示している。

まず、この話題の根幹にある「IaC(アイエーシー)」、Infrastructure as Code(インフラストラクチャ・アズ・コード)という考え方から説明しよう。通常、サーバーやデータベース、ネットワークといったITインフラを構築し、設定するには、手作業で操作したり、ウェブ上の管理画面を使ったりすることが一般的だ。しかし、IaCは、これらのインフラの構築や設定を「コード」として記述し、プログラムのように管理する手法を指す。例えば、どのような種類のサーバーを何台用意し、どのデータベースを使い、それらをどのように接続するかといった情報をコードファイルに書き込み、保存する。この方法には多くのメリットがある。第一に、同じ環境を何度でも正確に再現できるため、設定ミスを減らせる。第二に、コードとしてバージョン管理できるため、変更履歴を容易に追跡したり、必要に応じて以前の状態に戻したりが可能になる。さらに、自動化しやすいため、新しい環境の迅速な構築や変更が可能となる。大規模なシステムや変化の激しい開発現場では、IaCはもはや必須の技術と言えるだろう。

AWSは、世界中で広く利用されているクラウドサービスだが、ここでもIaCは重要な役割を果たす。AWSでIaCを実現するための主要なツールとして、記事では「AWS CloudFormation(クラウドフォーメーション)」と「AWS CDK」が挙げられている。CloudFormationは、AWSが公式に提供するIaCサービスだ。JSONやYAMLといったテキスト形式のファイルに、AWSのリソース(例えば、仮想サーバーのEC2やストレージサービスのS3など)をどのように構築するかを定義する。このファイルをCloudFormationに渡すと、ファイルの内容に基づいてAWSが自動でインフラを構築したり、変更したりする。CloudFormationは非常に強力なツールだが、記述が詳細になりがちで、複雑なインフラを管理する際にはファイルが非常に長大になり、管理が難しくなることもある。

そこで登場するのが「AWS CDK」だ。CDKは、CloudFormationをより使いやすくするための「フレームワーク」と捉えることができる。CDKを使用すると、TypeScript(タイプスクリプト)やPython(パイソン)などのプログラミング言語を使ってインフラを定義できる。プログラミング言語は、変数を使ったり、条件分岐を記述したり、共通の処理を関数としてまとめたりする機能を持っているため、より柔軟かつ効率的にインフラのコードを書けるようになる。そして、CDKで書かれたプログラミングコードは、最終的にCloudFormationが理解できるJSONやYAML形式のテンプレートファイルに変換され、そのテンプレートがCloudFormationによって実行されるという仕組みになっている。つまり、CDKはCloudFormationの上で動作し、より抽象度が高く、開発者にとって使いやすいIaCツールと言える。

記事で触れられているもう一つのツールが「serverless framework v3(サーバーレスフレームワーク バージョン3)」だ。これは、AWSだけでなくGoogle Cloud Platform(グーグル・クラウド・プラットフォーム)やAzure(アジュール)など、複数のクラウドサービスに対応したオープンソースのフレームワークで、主にサーバーレスアプリケーション(サーバーの管理を意識せずに開発できるアプリケーション)の開発とデプロイを効率化するために使われる。serverless frameworkも多くの場合、内部的にCloudFormationを利用してAWSリソースを管理している。つまり、今回の移行プロジェクトは、serverless frameworkで管理されていた既存のAWSインフラを、CDKで管理するように切り替える作業だったことになる。

既存のシステムを新しい方法へ移行する作業は、ゼロから新しいシステムを構築するよりも、はるかに複雑で難しいことが多い。その主な理由は、既に稼働しているシステムを停止させることなく、安全に新しい仕組みへ切り替える必要があるからだ。今回の記事でも「移行前の状態に大きく依存する」と述べられているように、移行元のコードがどのように書かれているか、どのようなAWSリソースが使われているかによって、移行作業の難易度や手順が大きく変わってくる。

具体的な移行の課題として考えられるのは、まず「記述形式の変換」だ。serverless frameworkで書かれたインフラの定義を、CDKのプログラミング言語(例えばTypeScript)に書き換える必要がある。これは単なるコードの翻訳ではなく、それぞれのツールの設計思想や表現方法の違いを理解した上での再構築に近い作業となる。次に重要なのは、「ダウンタイムを最小限に抑える」ことだ。ダウンタイムとは、システムが停止して使えなくなる時間のこと。稼働中のサービスでダウンタイムが発生すると、ユーザーに不便をかけたり、ビジネスに損失を与えたりする可能性があるため、システムエンジニアはダウンタイムを最小限に抑えるための工夫を常に求められる。例えば、新しいシステムを既存のシステムと並行して構築し、段階的にトラフィック(通信量)を切り替える「カナリアリリース」のような手法が検討されることもある。

さらに、「既存のAWSリソースの安全な引き継ぎ」も大きな課題だ。既にCloudFormationによって管理されているリソースを、CDKの管理下に安全に移行する必要がある。単純に新しいCDKコードで同じ名前のリソースを定義してしまうと、CloudFormationが「リソースを新規作成しようとしている」と誤解し、既存のリソースを削除しようとするリスクがある。これはデータ損失やサービス停止に直結しかねないため、細心の注意を払う必要がある。CloudFormationには、既存のリソースを新しいスタック(CloudFormationによって管理される一連のリソースのまとまり)に取り込む機能があるが、これをうまく利用するためには深い理解と慎重な計画が求められる。

このニュース記事が示唆しているのは、IaCの移行という作業が、単にコードを書き換えるだけでなく、既存のシステムの設計、運用の状況、そして各ツールの内部動作まで深く理解した上で、綿密な計画と技術的な知見をもって進める必要があるということだ。特に、CloudFormationとCDK、そしてserverless frameworkといった異なるIaCツールをまたがる移行は、それぞれのツールの特性とAWSのインフラ管理の仕組みを熟知していなければ成功は難しい。記事では「大変だったこと学んだこと」が共有されるとあるが、これはまさに、システムエンジニアが実務で直面する高度な課題とその解決策が詰まっていることを意味する。

システムエンジニアを目指す皆さんにとって、このような記事は、技術の基礎知識だけでなく、既存システムの課題解決や新しい技術導入に伴う実践的な難しさ、そしてそれを乗り越えるための思考プロセスを学ぶ良い機会となるだろう。IaCは現代のシステム開発において不可欠な技術であり、その中でも特にCDKは今後の主流となる可能性を秘めている。この移行プロジェクトの経験は、より効率的で信頼性の高いシステム構築・運用を目指す上で貴重な教訓を与えてくれるはずだ。

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